雪の鉄樹 (光文社文庫 と 22-2)

著者 :
  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (461ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334772734

感想・レビュー・書評

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  • 主人公たちの身になにが起こったのか明示されないまま、どんどん話が進んでいって、終始嫌な予感がして、読む手を止められなかった。どんな境遇でも救われることができる、命をかけて伝え続ければわかりあうことができる、と言いたい本なのかな?文枝おばさんが怖かった

  • いゃー面白かった。
    構成も素晴らしく、登場人物がみんな際立っていて、ページを捲る手が止まらなかった。
    寂しい人々がその捌け口をぶつけ合って生まれた悲劇の話だが、エンディングは「良かったな」と満足して本を閉じた。

  • 終始重く暗く、でも先が気になって一気読みでした。主人公は不幸を背負いすぎ。最後は救いがありよかった。

  • 重め!

    最初から最後まで、一気読みしてしまいました。
    全員が愛に飢え、愛を求め、狂った家族。

    その中で、まっとうに愛を貫く主人公。
    その思いが、希望が、報われる。


  • 熱い力作だったと思う。どこをとっても凄まじい愛憎劇という印象。個人的には、現在と過去を何度も行き来する構成といい主人公のエゴといいイライラしてしまったかなと思う。感情移入出来なかった。

  • ハッピーエンドで良かった。

    この後の雅雪の、そして遼平の人生が
    温かい光に包まれていることを祈る。

    この話で印象的な人物は文枝だろう。
    雅雪が何でも償うといっているのだから
    金銭の補償だけ求めて「二度と目の前に現れるな」で済むわけで。

    苛烈な言葉で責め立ててはいるが
    雅雪自身は傷つきはしても「言われて当たり前」と思ってるだけに
    遼平の成長に携わらせてくれた文枝には
    感謝の念しか無いのではないだろうか。

  • 作者の本は「冬雷」につづけて二作目の拝読です。
    今作でも何かの重しを背負っている主人公が苦しみを抱えながら生きていく姿がまずひたすら描かれていきますが、またしてもなぜそんな生き方をしているのかが中盤までわからない。理不尽な扱いを受け、家は温かみのかけらもなく、本人は全身にやけどの後遺症がある。主人公の背負っているものが増えていくばかり…となったところで、少しずつ過去が明らかになっていく。

    それでも、それにしたって、とやはり思わされたまま。彼が悪いわけではないのにという哀しさが強くあり、そしてそれは登場人物のほとんどがそうなのですね。「嫌な人間」は登場するけれど、「悪」ではないから、その人物たちも憎めない。だから主人公へのやりきれなさと、救われてほしいという想いが強くなるばかりでした。

    少年との断絶を経ての終盤の対話がとてもひりひりと哀切に迫ってくるのは、こういった、「だれも悪くないのに」という厳然とした前提があるからこそ、彼らが救いを得て欲しいと真剣に思うからなのだと感じます。

    全般的に、きりきりとした痛みに満ちた作品で重さはあるけれど、残った人々の未来に幸せが少しでもあることを祈らずにいられない物語でもあるので、読んだあとはそれほどしんどいとは感じません。

    それは、最後には人は人を信じて良い、愛していい、と思わせてくれるからかもしれません。

  • ずーっと読みたかった一冊。
    なんと暗く、悲しい展開だろう。

    でも、この方の作品、もっと読んでみたくなりました。

    自分の中では、今年一番衝撃を受けた本。

  • 愛と憎しみの連鎖の果てに、人間の再生を描く衝撃作。
    実に遠田さんらしい長編作品でした。
    “たらしの家”と呼ばれ、近所からは軽蔑されていた。そんな家で孤独に育った雅雪の
    寂しさが胸に迫る。メロドラマ的ではありますが、やはりグッときちゃいますね。
    過去に何があったのか、誰が、何故?理由を早く知りたくて焦れまくりでした。

  • 半分くらいまで、主人公が背負った事件が何だったのかが書かれずもどかしかった。
    主人公の雅雪があまりに酷く虐げられている理由。後半明らかになるも、それは理解不能な出来事。最後の最後まで痛めつけられる雅雪の姿に辛くなるだけだった。

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著者プロフィール

遠田潤子
1966年大阪府生まれ。2009年「月桃夜」で第21回日本ファンタジーノベル大賞を受賞しデビュー。16年『雪の鉄樹』が「本の雑誌が選ぶ2016年度文庫ベスト10」第1位、2017年『オブリヴィオン』が「本の雑誌が選ぶ2017年度ベスト10」第1位、『冬雷』が第1回未来屋小説大賞を受賞。著書に『銀花の蔵』『人でなしの櫻』など。

「2022年 『イオカステの揺籃』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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