- Amazon.co.jp ・本 (461ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334772734
感想・レビュー・書評
-
前半は、ただひたすらに耐える男雅雪の過去が分からず、重苦しい不安を抱えながら読み進める。
すぐに自分を悪者にして、謝ることで物事を対処する雅雪にもやもやするが、そんな雅雪に優しくも厳しい言葉をくれる人が周りにいてくれるのが救いだ。
過去の出来事が語られ始めてからは、物語が動き始め、どんどん引き込まれていく。
個人的には、簡単に感想がまとめられない、色々な思いが胸の中に溢れる作品だった。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
初めて遠田さんの作品を読みました。
読書は、通勤電車、昼休みだけと決めているが、仕事中まで雅雪のことがチラついて、続きが気になって仕方なかった。
雅雪は何をしてしまったのか?なぜ遼平の親が関わっているのか最後まで分からず、一気に読み切ってしまった。
遠田さんの作品に出会い、これからたくさん読めることが嬉しくてなりません。 -
図書館に予約して4ヶ月。ようやく順番が回ってきました。遠田潤子さん2作目。イッキ読みさせる文章力もだけど、構成がスゴイ!最後は泣けて泣けて。主人公の雅雪の生き方には賛否両論あるだろうけれど、とにかく泣けました。
2018.2 -
遠田潤子さんの本は2冊目だが…。凄い本を読んでしまった、という感想。
明らかにされない事実が気になって、物語にどんどん惹き込まれていく。雅雪がここまで傷つけられる理由が知りたくて読書を中断できず、気が付くと夜が明けていた。
ただ、理由が分かってからは、原田同様に私も、雅雪の行動に歯がゆさを感じて、ずっと怒りながら読んでいた。何故そこまで彼が贖罪しなければならないのか。
彼の行動が遼平をより傷つけ、立ち直らせなくしているのではないのか…。
しかし、最後まで読んで納得する。
雅雪がもし、普通の家庭で育っていたら…。
心に響く1冊。しかし、読み返したくはない。-
ごめんなさい!
知ってましたσ(^_^;)
でも、ちえさんが読みたいリストにしていてくれたの、なんか嬉しいです(o^^o)ごめんなさい!
知ってましたσ(^_^;)
でも、ちえさんが読みたいリストにしていてくれたの、なんか嬉しいです(o^^o)2018/05/14 -
残念ながら顔は知りませんね(笑)機会があればいくらでもお見せするんですが(笑)
私もちえさんに似たようなこと考えることあるんですよね。
...残念ながら顔は知りませんね(笑)機会があればいくらでもお見せするんですが(笑)
私もちえさんに似たようなこと考えることあるんですよね。
読んでる本があまりに面白い時、読んでる途中で死ぬわけにはいかないなとか。また、読みたい本があるのに死ぬわけにはいかないとか思ってみたり。
ちえさんは軽く言ったことかもしれませんが、ちょっとびっくりしました(笑)2018/05/14 -
いえいえ!
ちえさんが笑えるようになって良かったです。
辛いけれど、お父さんとしては、娘には笑顔でいて欲しいと思います。
頑張ってくだ...いえいえ!
ちえさんが笑えるようになって良かったです。
辛いけれど、お父さんとしては、娘には笑顔でいて欲しいと思います。
頑張ってください!2018/05/14
-
-
タイトルと表紙から冬の話を想像して、その季節になってから読もうと思いつつも頁を開いてみたら、どうやら冬の話ではなくて、主人公の名前に「雪」の字が入っているだけのよう。冬になるのを待たずに急遽読むことにしたら、圧巻。
主人公は庭師の青年・雅雪。親方である祖父と二人暮らしだが、あくまで親方と弟子の関係で、祖父には情というものがない。祖父と父がしょっちゅう女を連れ込んでいたゆえに、近所では「たらしの家」と蔑まれている。しかしこの家にすでに父の姿はない。雅雪は、両親を失って祖母と二人暮らしの少年・遼平の面倒をみている。なのに遼平の祖母はとことん雅雪を憎み、一生許さないと言う。
こんな特殊な状況がなぜ生まれたのか、現在と過去を行きつ戻りつしながら徐々に明かされていきます。非常に重くて辛いけれど、圧倒される約450頁。ラスト50頁はしばしば目が潤みます。この著者の本、もっと読みたい。 -
主人公は、少年に献身的に尽くす、彼の祖母に耐えがたい屈辱的な扱いを受けながらも。
過去に何かあったようだが、読者にはまだ知らされない。
その謎を知るために読み進まなければならない。
14年前の出来事が綴られ、現在に投射される。
頁を繰る手が重く、息苦しい。緊張感を持ちながら、著者の構成の巧みさに読み続けてしまう。
何かの贖罪のためのようで、次第に明らかになる真相。
やがて、終局。最後に救いがあり、ホッと安堵を覚え、読者もともに解放される。
映画『幸せの黄色いハンカチ』が連想されてしまった。 -
本の雑誌が選ぶ文庫ベストテン2017の第1位ということで読んでみた。なるほど。これはすごいわ。
ヒトは誰もが誰かに認められたくて、愛されたくて、ずっとそれを求めて生きているのだな。それが与えられないまま生きてきたヒト同士が巡り合ったときに必ずしもプラスになるとは限らない、この悲劇。
祖母と暮らす少年と、庭師の男。2人の関係の謎。少しずつしかわからないもどかしさに読む手が逸る。
圧巻のラスト、この形をよしとするか否か。少年の祖母の気持ちを思うと心震えながらもどこかで醒めた声も聞こえる、自分の中で。