雪の鉄樹 (光文社文庫 と 22-2)

著者 :
  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (461ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334772734

感想・レビュー・書評

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  • 寡黙な庭師、雅雪。
    彼が心を砕き身を捧げているのは仕事と一人の少年、遼平だ。
    冒頭から謎が多く、暗く哀しげなトーンに包まれている。
    遼平とは雅雪の何なのか、5日後に一体何が待っているのか、そして13年前に何があったのか‥‥。
    なかなか明かされない過去と、雅雪の不器用という言葉で片付けるにはあまりに頑なな「償い」の姿勢にイライラが募った。
    献身、誠意、償い‥‥雅雪を覆うさまざまな概念について、それらは果たして善だったのか、考えさせられる。

  • 前半はもっさり。最後は怒涛の展開で胸が熱くなる。もう30ページ増えてもいいので、遼平と舞子か邂逅する場面を書き込んで欲しかった。

    ただ、あまりに現実ばなれした話に感情移入はままならない。脇役もいいのだが、なぜ、皆かくも一癖二癖あるのだろうか。普通の人が殆ど登場しない小説だ。

  • 暗く悲壮感ただよう内容で、楽しくは読めない。

    ただ、続きが気になって気になって仕方ないので、まとまった時間がとれる時に読んだ方がいいと思う。

    ちょっと前半はグタグタしすぎかな??
    文枝の心情も読んでみたかった。

  • 6月-6。3.5点。
    庭師の主人公。父・祖父が女を連れ込む「たらし」の家系。
    主人公はたらしでは無く、ただ他人の男の子の面倒を見ている。深い理由が。

    重い話だが、引き込まれた。ラストは良かった。
    他の作品も読んでみよう。

  • 重くて、途中 なんでそこまで面倒を見る?とちょっとイライラしながら読み進めたが、ふと人に寄り添う事って本当は雅雪みたいな事なのではないかと気づいた。自分を含め、皆 最初は純粋な気持ちから相手を思うが相手に自分の想いが通じないとわかると、言い訳をして自分を無意識に正当化してしまう。相手を思う事の難しさを痛感。読後感は爽やか

  • 遠田作品ではじめて読後感がよかったかもしれない。
    でもよく考えたら、途中がだいぶひどかったから(特にばあちゃん)だと気付いた。

  • いつぞや本屋で販促ポップに惹かれて購入。

    裏表紙のあらすじから、なんとなく雰囲気が重そうで、(仕事の忙しさも相まって)読む気になれなかったけど、いざ読んでみると、早く読んでればよかったと後悔するくらいおもしろかった。

    徐々に明かされていく核となる事件、予想を裏切る展開、久々に寝る間を惜しんで一気に読んでしまった。
    本当に良かった。

  • 雪の鉄樹
    遠田潤子さん。

    ある事件の贖罪の為に、
    生きる主人公。
    何が?あったのだろうか?
    気になり。
    どんどん読み続けていく。
    引き込まれていく。
    面白かった。
    読み終えて、
    あー良かった。と
    思った。
    遠田潤子さん。
    すごいです。
    おススメ本。
    山の苔庭。
    ただ生えてるだけなのに、人を感動させる。
    奥が深い言葉。

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  • 作者 遠田潤子氏の「蓮の数式」を読んだ時に、こんな視点から描ける作者が、居るのだと思った。

    この本も、意外や意外、、、愛と憎しみの連鎖が、入り交じり、14年の歳月を、どのようにして、このような状況になったのか?
    それ以上に主人公の生い立ち、父、祖父との関係が、普通の家族とはかけ離れている。
    これも、一種の子供の虐待ではないだろうか?と、思われる。
    犠牲的精神では無くて、雅雪が、遼平と、ともに14年を過ごした時間は、雅雪にとっても、幼き自分が出来なかった事を取り戻している所が、救いである。

    最後に、舞子と共に食卓を囲める風景で、終わってくれて、ホットしながら、一気に読み終えた。

  • うーん。読みたく無いけど読みたくなるけど
    なんか不穏なまま

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著者プロフィール

遠田潤子
1966年大阪府生まれ。2009年「月桃夜」で第21回日本ファンタジーノベル大賞を受賞しデビュー。16年『雪の鉄樹』が「本の雑誌が選ぶ2016年度文庫ベスト10」第1位、2017年『オブリヴィオン』が「本の雑誌が選ぶ2017年度ベスト10」第1位、『冬雷』が第1回未来屋小説大賞を受賞。著書に『銀花の蔵』『人でなしの櫻』など。

「2022年 『イオカステの揺籃』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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