名もなき毒

著者 :
  • 幻冬舎
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本棚登録 : 4261
感想 : 694
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  • Amazon.co.jp ・本 (489ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344012141

感想・レビュー・書評

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  • スリルとサプライズが欠如してる。少し言い過ぎ、不足してる。しかし、どぉも地方新聞の連載で書き下ろした小説は冴えん。

  • 無差別毒殺事件!とドキドキしたのは最初だけ。

    人間だれしも何かしら毒を持っている・・・的な地味な話の印象。

    主人公の立場、考え方があまり好きではない。

  • 宮部みゆきは、悪意を書くのが本当に上手い。

  • あらかじめ決められた、のりこえがたい格差の話。
    なのに上に属することになった中くらいの人が主役なのが面白いところ。

    これか『誰か』が出たときに、大極宮のスタッフコメントで、
    「あるキャラの嫌な感じを話したら、女性には通じたけれど男性にはピンとこないらしかった」
    というようなことが書かれていたと思う。

    読んで納得した。
    何も悪くないのに一番嫌な人に見える、ある意味かわいそうな人。

  • ハードボイルドでは、世間一般の職業から外れたアウトサイダー的な人物が私立探偵で、孤独や非情さを漂わせつつも、面倒見がやけによく、思わぬ優しさを見せるというのが、基本パターンですが、このシリーズの探偵役は、世間一般とはいえない立場ではあるが、従来とはまったく逆のポジションに外れているのが大きな特徴です。孤独や非情さとは無縁です。捜査を進めていく過程で、個人や家族の闇の部分が明かされていくところは強くハードボイルドを想起させます。今回の闇は、題名にあるとおり「毒」として表現されています。

  • やっとこさ図書館で借りる事が出来て、楽しみに読んだのですが、あれ?原田いずみのくだりどこかで読んだ事がある…。でもそれ以外は知らないストーリーだったので記憶が混同してたのかな?あと、ひき逃げ事件の事も書いてありましたが、続編だった?読む順番間違えちゃったなぁ。青酸カリによる連続殺人事件が実は別の事件だったというお話。家族についても考えさせられます。

  • 2014.4.20読了
    いやー、濃い。あらゆる人間が出てくるのに、混ざることなく話が進む。ウーロン茶の青酸カリ事件とハウスのシック症候群?と今多家の話が混ざりながら進む。結局人は名もない毒を持っている。それに気づかず毎日を生活しているが、毒に侵されていると気づいた時には、後戻りできないということか。それ以上に何か混沌とした感じもする。人間はこうだから、仕方ないよ的な。救いようがないんだよとも感じる。宮部みゆきの真意を読み取れるほど読解力がない自分に残念。笑

  • 人間だけが持つ毒。怖い・・・

  • 杉村三郎シリーズ第2部。
    第3弾「ペテロの葬列」を続けて読みたいため、再読!
    約8年前に読んだはずなのに、その時の印象をすっかり忘れていた。これも歳のせいか?(笑)
    「究極の権力は、人を殺すことだ」P260
    「犯罪を起こすのは、たいていの場合、怒っている人間です。・・・」P339
    こんな片句に、ドストエフスキーの「罪と罰」を想起してしまった。

    改めて題名の意味を考える。青酸カリや、土壌汚染ばかりが「毒」ではない。人間の営み自体が「毒」になる。作者はそう訴える。
    そして、その「毒」を際立たせ、対比させるため、生活が満たされていて幸福で、アットホームなマイホームパパである主人公を登場させた。
    読み進めながら、やりきれない思いにもなるが、その一方でさわやかな気持ちにしてくれる脇役が、ゴンちゃんであり、高校生コンビかも。
    終盤はサスペンスフルな展開になり、一気に読ませる。最後は、次回作に気を持たせるような終わり方であり、続いて「ペテロの葬列」を手に取りたくなる。
    とにかく、宮部みゆきは稀代のストーリーテラーである。

  • 原田いずみのキャラクターが作品に奥行きを与えている。毒にテーマを絞り込んだ構成も成功している。

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著者プロフィール

1960年東京都生まれ。87年『我らが隣人の犯罪』で、「オール讀物推理小説新人賞」を受賞し、デビュー。92年『龍は眠る』で「日本推理作家協会賞」、『本所深川ふしぎ草紙』で「吉川英治文学新人賞」を受賞。93年『火車』で「山本周五郎賞」、99年『理由』で「直木賞」を受賞する。その他著書に、『おそろし』『あんじゅう』『泣き童子』『三鬼』『あやかし草紙』『黒武御神火御殿』「三島屋」シリーズ等がある。

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