脳内麻薬 人間を支配する快楽物質ドーパミンの正体 (幻冬舎新書)

著者 :
  • 幻冬舎
3.20
  • (31)
  • (92)
  • (194)
  • (60)
  • (8)
本棚登録 : 1671
感想 : 165
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (174ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344983359

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 医学博士が書いた本だが、まず書名の「脳内麻薬」の定義が一切書かれていない。どうも快楽物質オピオイドのことを脳内麻薬様物質と記載されているので、このことを言っているようだ。とすると副題の「ドーパミンの正体」があたかも脳内麻薬であるような書名はだめだと思いますが、どうなんでしょう?
    このような疑問を持つと、他の内容まで信じられないような気になってしまいました。教科書的な本だと思って手に取りましたが、残念です。

  • 行動を制御する快楽に関して。
    初学であるため興味深く拝読したが、紹介に留まっており少し物足りない読書感。

  • ドーパミンと人間の社会的行動の関係性を簡潔に説明した良書だと思う。依存症の仕組みや人間の快楽の原理が、具体的な動物実験などの例を上げながら説明されていた。学術書というよりは一般の人向けに脳の仕組みを教えてくれていた。

  • ドーパミンの正体とあるが、あちこちからの情報や実験の寄せ集め感は否めない。
    流し読み、拾い読み的読書向きか。

  • 快楽を求めて人は行動する。いい言葉だ~。そして恐ろしいことだ。おいしい食べ物、おシャレ、気になる異性とうまくいくこと、居心地のいい場所、ほめられたい、何かができるようになること…。限られた人生は精一杯それを求めていくことに使えばいい!
    でも。快楽は度を超すと身の破滅につながる。それをちゃんと心得ること。止めるのが難しいのだからそれなりのシステムを作るなど、使い方を考えないと危険。
    何を持って快楽とするか(神経伝達物質の放出~受容が行われるか)が人によって異なるのはおもしろい。例えば政治家脳に特有の神経伝達物質の放出~受容の特徴などもあるのだろうか。

  • 20140415 それでどうすれば良いの? 凡人にはそんな感想しか残せない気がする。

  • 〈感想〉
     ドーパミンの働きに支配されて自覚のないまま
     動くのではなく、支配されながら動いている
     自分を自覚しながらの生活でありたい。

    〈本から〉
    ・好ましい経験はドーパミンを受け取って活性化
     された脳のメモリー 海馬に蓄えられ、次に
     同じような状況が来たときにより速いドーパミン
     放出が起こるようになります。これが”期待の快感”
     です。 

    ・ ランナーズハイが訪れるのは運動時間で30分
     以上、運動量で5000~1万メートルは走る
     必要があるということです。しかもその人の限界
     に近いペースで走り続けないとなかなか訪れて
     くれないようです。

    ・依存症は物質が起こすものではなく、脳自体の
     病気なのです。

    ・ A10神経が放出するドーパミンを受け取る側に
     変化が出てきます。これは薬物に「耐性」が
     できることを意味します。

    ・ アルコールは味や喉越しを通して快感を与える
     だけではなく、報酬系をじかに活動させるのです。
     報酬系が活性化されると、ヒトが快感を覚える
     ことはすでに述べた通りですが、前述したように
     この報酬系には、普段、GABA神経というブレーキ
     がか掛かっています。アルコールには、この
     GABAを分泌するGABA神経を抑制する働きが
     あるのです。つまりアルコールがほかの飲み物に
     比べて特に好まれるのは、味がいいかではなく、
     「ご褒美」のブレーキを弱らせて、ドーパミンを
     たっぷり分泌させるからなのです。

    ・利他行動によって相手から得られる感謝という
     社会的報酬の依存症になっているのが利他的
     従属です。

    ・ 承認や評価をするときに、効果が高いのが
     「Iメッセージ」です。「(あなたは)素晴ら
     しいね」「(あなたは)頑張ったね」という
     言い方は主語があなた(You)であるメッセージで
     Youメッセージと呼ばれます。これは冷静な
     言い方ですが、感情のこもらない、ある意味で
     上から目線の言い方だともいえます。
     「(私は)あなたのすごさには毎回驚かされる」
     「(私は)あなたの作品に感動して涙が出そうに
     なった」なら、これは主語がわたし(I)メッセージ
     です。IメッセージのほうがYouメッセージよりも
     「あなたの価値を認めていますよ」という気持ちが
     十分に伝わり、社会的報酬としての価値も高い
     というわけです。

    ・ 人間の視覚は「顔」に対して特別な認識を
     持っているようです。

    ・ 店員の笑顔を見た客は、脳の中のミラー
     ニューロンが、笑顔から推察される「幸せな
     気分」に共感し、同じような気分になるのです。

    ・ 人はストレスを感じたあと、笑顔になると
     心拍数が下がることが判明しています。

    ・ オットー・フォン・ゲーリケ・マグデブルク
     大学のミュンテ博士によると、顔が笑う形で
     表情筋が動き、脳の報酬系が刺激されるのだ
     そうです。またしても報酬系がヒトの幸せに
     関与していたのです。

    ・幸せな人はそうでない人に比べて約10年
     長生きし、死亡リスクが35%低いという
     結果が出ています。

    ・ 幸せの実験をはじめとする諸要素が寿命に
     与える効果は、運動の3倍の影響がある、と
     ディーナー博士は主張しています。

    ・ 自己実現の欲求 ー マズローの欲求段階説
     (1)生理的欲求 (2)安全の欲求 
     (3)所属と愛の欲求 (4)承認(尊重)の
      欲求 (5)自己実現の欲求
     ヒトの全ての欲求は(5)の実現のためにある
     ように思えます。そこに至ることは困難な道かも
     しれません。しかし、ヒトがこれを目指すように
     プログラムされた存在なら、そこにも報酬系が
     まちがいなく働いているはずです。



     

  • 脳科学としての新しい知見の記述は一切なく、脳内麻薬というよりも麻薬や様々な精神に作用を及ぼす化学薬品の解説書になってしまっている。これならば厚生労働省の公的な書類を見ているのとかわらないため非常に残念な内容であると感じた。

  • 脳内の快楽物質について知ることができる本だが、散文的。

  • 「気持ちよさ」についての解説書。ドーパミンなど脳内物質の実態が見えてくる。

全165件中 131 - 140件を表示

著者プロフィール

脳科学者、医学博士、認知科学者。1975年、東京都に生まれる。東京大学工学部卒業後、同大学院医学系研究科修了、脳神経医学博士号取得。フランス国立研究所ニューロスピンに博士研究員として勤務後、帰国。現在は、東日本国際大学教授として教鞭を執るほか、脳科学や心理学の知見を活かし、マスメディアにおいても社会現象や事件に対する解説やコメント活動を行っている。著書に『サイコパス』『不倫』(ともに文藝春秋)、『人は、なぜ他人を許せないのか?』(アスコム)、『脳の闇』(新潮社)などがある。

「2023年 『賢くしなやかに生きる脳の使い方100』 で使われていた紹介文から引用しています。」

中野信子の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×