賞味期限のウソ 食品ロスはなぜ生まれるのか (幻冬舎新書)

著者 :
  • 幻冬舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (220ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344984332

感想・レビュー・書評

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  • 買い物は投票 普段何気なくかっている商品は本当に未来に残したい良いものだろうか。また、フードバンクというシステムを初めて知った。お中元で余りまくっている素麺の行く当てが出来た。調べてみよう。身近である食についてこんなにも知らないことがあったと衝撃。

  • 食品メーカー、小売店、消費者。
    三者三様の思惑が複雑に絡み合い、
    “食品ロス”をめぐる問題が生じている。

    賞味期限はわざと短めに設定され、
    まだ食べられるものも売らず、
    廃棄前提に大量に仕入れ、
    家庭でも食べられるものが捨てられている。

    誰も悪くないが、誰もが悪い。

    食品廃棄物を効果的・効率的に再利用する手段を考えることも大事だけど、
    食品業界のシステムや考え方を一新することが、根本的な解決方法ではないだろうか。



  • スーパーはみんなでシェアする冷蔵庫

  • タイトル通り、食品のパッケージに書かれている「賞味期限」についての数々のギモンに迫った一冊。例えば卵に関しては、賞味期限は(日本では)「夏場で生で食べる」ことを前提に設定されており、賞味期限後も加熱調理すれば食べることができる(1か月半の賞味期限に設定している国もあるようだ)。また、コンビニで常に賞味期限近い商品が並ぶカラクリだったり、毎日大量にパンを棄てているデパ地下のパン屋だったりと「食品ロス」大国日本の現状が語られる。この大量消費の時代、一度立ち止まってじっくり考えてみたい問題だと思った。

  • 本書に書いてある事で驚いたのはほとんどの商品に記入してある賞味期限の長さは、実際の賞味期限のだいたい八割だという事だ。さらに店で商品を売るときには「3分の1ルール」が適応され賞味期限の3分の2を過ぎたら廃棄するということになっているらしい。だからスーパーやコンビニなどでは単純計算で本来の賞味期限の約半分しか経っていないものを廃棄しているということになる。またコンビニで売られている物の値段が高い理由の一つとして廃棄のための費用が値段に組み込まれている事が挙げられる。コンビニの商品は廃棄されることが前提で売られているのだ。
    筆者は日本の消費者が食品はゼロリスクではなくてはならないと信じている事を批判している。多くの消費者が臭いや色など五感を使えば安全かどうか分かることを、脳死状態で賞味期限だけを見てまだ食べられる物を捨てている。それと農家がキャベツや白菜などを地産廃棄することに関して消費者がクレームを言うことはお門違いだと主張している。僕もニュースなどで耳にしたことがあり勿体ないとは思ったことがある。しかし筆者曰く「捨てざるえなくなってしまったのは元はと言えば消費者のせいである。需要と供給の関係で消費者がそれらを買わないせい値段がそれらが安くなり、出荷すると手間と輸送費のほうが高く付くので農家は渋々廃棄したのだ。たくさん買って農家に貢献したわけでも無いのに文句を言うな。」ということらしい。そう言われると反論できない。
    この本を読んで自分も他人ごととしてではなく自分ごととして食品ロスのことを考えなくてはいけないと思ったら。

  • 賞味期限の「ウソ」は嘘というより、安全性を考えてのこと。早め早めの設定になっている。
    何故そんなことをするのかと言えば、「何かあったら困るから」。
    そして、賞味期限が切れた、近づいたものは売れなくなる。
    何故かって、「何かあったら困るから」。
    早めの賞味期限に、さらに早めの消費者心理、そしてなるべく賞味期限が遠いものをと選ぶ消費者心理で、モノは少し古くなると売れなくなって、食品ロスへとつながる。
    要は、私たちの「何かあったら困る」という心理が原因。
    実際何かあったら困っちゃうから、賞味期限なんて気にするな!なんてことは言えないけど、賞味期限は目安だという基本的なことを押さえておくのが第一歩なのだろう。

  • 東2法経図・6F開架:B1/11/432/K

  • クレームが多いのでリスクを回避したいんだよね~できること*家族や友達に「卵は,賞味期限を過ぎていても,早めに加熱調理をすれば食べられる」と教える*冷蔵庫に保存してある卵の賞味期限がちょっと過ぎていたら,捨てずに,ゆでたり焼いたりして早めに食べきる*スーパーやコンビニでペットボトル飲料を購入するとき,キャップやボトルにある賞味期限が,「年月日」表示か,「年月」表示かを見てみる*3カ月以上日持ちしそうな食品が,年月日表示になっていたら,製造した企業に「なぜ日付まで入れているのか」と,理由を問い合わせてみる*お弁当やお総菜,サンドウィッチなどに表示されている「消費期限」はきちんと守って食べ切る*「賞味期限」を過ぎた食品はすぐに捨てずに,においを嗅ぐ,目で見るなど,まず五感を使って状態を確かめる*賞味期限の手前に「販売期限」があるということを,家族や友達に話してみる*スーパーやコンビニで,賞味期限の迫った発酵食品があって割引シールが貼られていたら,買ってみる*ペットボトルの飲料や菓子など,商品の入れ替わりが激しい食品カテゴリで,新商品が何日くらいその棚で生き残っているか,毎日コンビニで定点観測してみる*閉店間際の棚がどうなっているか(たくさん残っているか,売り切っているか等),パン屋を定点観測してみる*環境省のホームページ「仮想水計算機(バーチャルウォーター量自動計算)」で今日食べたものを入力し,どれくらいの水が使われたかを調べてみる*外食の際は,頼んだものを,まずは食べ切る。食べ切れなければ,持ち帰りをお店の人に頼んでみる*家族が少人数で使い切れない人は,牛乳を1リットルサイズでなく,500ミリリットルや250ミリリットルのものなど,いつもより一回り小さいものを買ってみる*「使い切れるかな」と心配になったら,半分や4分の1にカットされたキャベツや,1本ずつバラ売りのきゅうりを買ってみる*買い物に行く前は,少し何か食べたり飲んだりしてから出かける*近くのお寺に「おてらおやつクラブ」を紹介してみる*おそなえものを持って行くときは,日持ちのするものを持って行くように心がける*近くのフードドライブの取り組みを見つけたら,寄付してみる*自治会や町内会,学校や自治体のイベントなどで,フードドライブを企画してみる*近所にフードバンクがあるか,調べてみる*近所にフードバンクがあったら,自分ができることないか,調べてみる****「賞味期限が近づいている食べ物を買う」****~そんなに良い人ぶらなくても良いけど,考えなしはやっぱり困るね。捨てなくても良いものを捨てるよりも活用方法を考える方が良いけど,フランスのように,集めたNPOが捨てるんじゃ仕方ないなぁ。日本には40のフードバンクがあるんだって! う~~~ん……金のある人が余計に買って,寄付して,貧しい人に渡るシステム??? ちょっと違うよなぁ。小売店が上でメーカーが下? 消費者は,それより下か? 踊らされている分!?

  • 賞味期限を過ぎたら捨てなければ! と思っている人は
    けっこういると思いますが、たかが2日3日過ぎた程度
    普通に食べられます。
    何故ならば、本来の賞味期限よりも2割短く
    設定されているから。

    目安ですから、そこまできっちり食べるほどでも
    ないと思います。
    そもそも変な匂いがしなければ
    いけると思ってますし。
    と考えていた事を、肯定してくれたような内容。

    そして言われてみれば…な現実にも気が付きました。
    なぜあれだけ店頭に商品が置かれているのか。
    言われてみれば、爆発的に売れた、というもの以外
    欠品になっているのを見たことがありません。
    あれもこれも、自分達の生、と言えばそうなるのか、と
    驚いて読んでました。

    さらには、余ったものを今食べたい人のために。
    寺でそういう事をしているのは知っていましたが
    国外では普通にされていて、日本は遅いのだな、と。
    そもそも安全性重視なので、蓋が開いているような
    食品はお断りされるでしょうし。

    食べきれる量を、食べられるように買う。
    もったいない、はどういう意味なのか、を
    多少なりとも学べた気がします。

  • 配達のついでに余った食べ物を回収する取組を自分が利用しているパルシステムがやってくれているのにはびっくりすると共にちょっぴり誇らしかった。
    買いすぎには気をつけてはいるが、すぐ使うことが分かっているときは賞味期限の近いものを買うこと、フードドライブに参加するなど、自分にもやれることがあるなと思った。
    それにしてもフードロス撲滅にいろんな取組があるのに驚いた。

    ラスト10ページくらいは、くどすぎで読み飛ばしたが、少しはフードロス撲滅に貢献できる知恵はついたかな。

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著者プロフィール

食品ロス問題ジャーナリスト。奈良女子大学食物学科卒。博士(栄養学/女子栄養大学大学院)、修士(農学/東京大学大学院農学生命科学研究科)。主な著作に『捨てないパン屋の挑戦』(あかね書房)『食料危機』(PHP新書)『あるものでまかなう生活』(日本経済新聞出版)『賞味期限のウソ』(幻冬舎新書)『捨てられる食べものたち』(旬報社)など。

「2021年 『SDGs時代の食べ方』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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