賞味期限のウソ 食品ロスはなぜ生まれるのか (幻冬舎新書)

著者 :
  • 幻冬舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (220ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344984332

感想・レビュー・書評

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  • 食品ロスは、SDGsの目標にも掲げられている。

    食材が大量廃棄され、一方で食に困っている人がいることはよく分かっているのだが、、、あまりに当たり前になっている。
    社会の持続性に目を向けていきたい。

  • リスク志向の強い日本では賞味期限が実際より短く設定されているうえ、店頭からも更に早く撤去される。生ものの消費期限は重要だが、長期保存可能な食品についてはもう少し緩やかでもよいのではないか。食品廃棄を支援に変える活動が生まれ、大きな社会的な流れとなってきている。

    リスク回避のもとをたどれば、責任回避・クレーム回避、自分のアタマで考えず横並びな日本人。

  • 食糧不足は誰もが知っている問題だが、食料を廃棄する食品ロスもまた問題になっている。
    日本ではどれくらいかの食品ロスかというと年間632万トン、一人あたりあたり毎日136グラムの食料を捨てている計算。
    なぜ起きるのかと、新しいものから選んだり、割安だから大量の買い物をする人間の習性、コンビニに代表されるような商品大量陳列など理由は様々。
    面白いのは草の根活動で問題解決ができること。京都市では自治体が音頭をとり15年でゴミの量を半分近く減らした。具体的な施策の一礼が生ゴミ3キリ運動。「使いキリ」「食べキリ」「水キリ(ゴミを出す前に水を切ること)」。削減効果は焼却施設の縮小など年間106億円もの大きなコスト削減につながった。
    小さな行動の積み重ねが大きなロスにも繋がる、逆に大きな改善にも繫がる。

  •  考えつく路線は正しいのだろうがこういう考え方だと何も未来は変わらない。

     フードバンクは食品ロスがあってこそ成り立つシステムでありもしロスがなくなった時にどのようにしてそのシステムを維持していきたいのかが見えてこない。

     そんなことが考えられないのに何を批判するのだろうか。

     確かに書かれている事の多くには納得いくこともできるが何かその奥のほうに隠れているモヤモヤ感に焦点が合っていない事がことさら気になってしまう。

     偽善

  • 本屋で衝動買い。内容は表題からちょっとだけずれている。この本のテーマは「食品ロス問題」。食品ロス問題は消費者にも責任があるという、著者の主張には共感できる部分が多い。たとえばこの問題に関連して最近注目されている「3分の1ルール」も、消費者による馬鹿げたクレームが遠因となっていることは、意外に知られていない。これからも乳製品を買うのに、棚の奥に手を突っ込むようなさもしい行為をしないでおこうと思う。

  • タイトルからして、規制の問題が中心かと思ったが、実際、食品ロスの問題だった。
    フードバンクとかフードドライブとか、日本人特有というか完了特有というか、無謬性というか、そういうところが問題なんだろう。リスクを確率で捉えることができない。ある意味、善悪二元論みたいなもんか。
    賞味期限が近いものから買うとか、できることはやっていこう。

  • 賞味期限と消費期限の差は知っていたが、具体的な食材ごとに知れて良かった。

  • 「生卵なんて1カ月はじゅうぶんもつよ」と言ったら、ダンナと弟にドン引きされたことがあります。賞味期限が1日過ぎただけで、食べたらお腹をこわすのではなどと心配をするのは、女性よりも男性に多いように思います。そんな心配は無用だよとまでは言いませんが、本書を読めば、少しは男性陣の心配が減るかも。

    日本において卵の賞味期限として表示されているのは、「夏場に生で食べること」が前提。冬場であれば57日間、2カ月近くも生で食べられるのだそうです。もちろん管理の状態にもよりますから、日数だけで判断してはいけないでしょう。でも、日本でどのように賞味期限が設定されているのかを知るためには非常にいい本。

    法律で定められているわけではないのに、食品業界で商慣習として守られている「3分の1ルール」。賞味期限が6カ月ある食品の場合、最初の2カ月で納品、次の2カ月で販売。それを過ぎると商品棚からただちに撤去されてしまうという。海外のどの国と比較しても、販売できる期間がもっとも短いのが日本。日本はそれだけ安心してものを食べられる国でもあるわけですが、それゆえに日々廃棄される食品の多いこと。年間何百万トンという食品が廃棄される一方、餓死する人もいるという現実。

    ドギーパック(食べ残したものを袋等に詰めて持ち帰る)を推奨しているホテルやレストラン、常に商品棚をいっぱいにしておかなくてもいいじゃないかという姿勢のスーパー、食べることに困っている家庭にお供えをおすそわけするお寺などが少しずつ増えているとのこと。フードドライブ(家庭で余っている食糧を寄付する活動)にも興味を持ちました。食品ロスについて考えるきっかけになる本だと思います。

  • 借りたもの。
    賞味期限というより、食品ロスの発生原因を制度や食品業界の“現場”からひも解いている本。

    卵は意外と長持ちする(冬は生でも57日間、加熱処理をすればもっと長くなる!)
    (アミノ酸など)時間の経過によって多少の変質が起こる食べ物もあるが、問題はない……

    賞味期限は食中毒を回避するため……と思っていたが、そんな事ではなかった。
    食中毒は当たり前のようなこと(手を洗う、)を守れば、リスクは押さえられ、賞味期限とは何の関係もない。

    消費者のゼロリスク志向、出荷後の保存環境の適切性への保証がないことから、賞味期限が短く設定されているという、事実。
    それは、企業は消費者の健康被害よりもクレーマー対策、私たち消費者の無知から来るのではないだろうか……

    被災地で食料不足でありながら、捨てられる食品があったという……
    保存の問題かと思ったら、被災者の嗜好、更には行政の極端な平等への杓子定規――足りないから配らなかった、メーカーが違うから配らなかった――な対応があったことなど、食品ロスに至る問題は、様々な価値観によって発生する。
    そうした問題は枚挙にいとまがない。
    コンビニやデパ地下の値が張るものは、捨てるコストも払っている。

    映画『0円キッチン』( http://unitedpeople.jp/wastecooking/ )に絡み、読了。
    それにも取り上げられていた、余った食材を持ち寄ってのパーティーなど海外の事例も紹介。
    日本での活動として、お寺のお供え物を貧困家庭へおすそわけする「おてらおやつクラブ」( http://otera-oyatsu.club/ )の紹介など、実践的、効果のありそうな活動も掲載。こうした取り組みを見ると、食品ロスを無くすことが可能であるということを意識させられる。

    各章毎に”今日からできること“という、見出し欄には、食品ロスを減らすための実践ポイントを箇条書きに記載。

    石渡正佳『産廃Gメンが見た 食品廃棄の裏側』( http://booklog.jp/item/1/482225156X )が法律、制度の問題点から「ダイコーによるCoCo壱の廃品カツ横流し事件」を解説していたのに対し、こちらは多くのケースを紹介している。

  • タイトルと内容がかなり違う。が、良い本だと思う。

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著者プロフィール

食品ロス問題ジャーナリスト。奈良女子大学食物学科卒。博士(栄養学/女子栄養大学大学院)、修士(農学/東京大学大学院農学生命科学研究科)。主な著作に『捨てないパン屋の挑戦』(あかね書房)『食料危機』(PHP新書)『あるものでまかなう生活』(日本経済新聞出版)『賞味期限のウソ』(幻冬舎新書)『捨てられる食べものたち』(旬報社)など。

「2021年 『SDGs時代の食べ方』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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