蜩ノ記

著者 :
  • 祥伝社
4.00
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本棚登録 : 2352
感想 : 436
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  • Amazon.co.jp ・本 (327ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396633738

感想・レビュー・書評

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  • 残念ながら導入部分までは楽しめたが、後半は全く楽しめなかった。理由を考えてみたが、まず、ストーリーがモタモタしすぎる。話の核心である重要な事実についても、インパクトがあまりない。それと、人物の描写が話の展開(都合)にあわせて動いてしまって、人物像がボヤけてしまい、感情移入できない。主人公のはずの秋谷の行動に一貫性が感じられない。

    全体的に、果たしてあの時代の武士、百姓がそのような言動をするであろうかという違和感が、特に後半になればなるほど、ありすぎた。

    趣味の問題と思うが、私は出来るだけ時代劇には、そういった「リアルさ」を求めてしまい、登場人物の言動、考え方に現代人的な味付けが入り込んだ場合は、白けてしまう。

    他の人の評価は高いようだが、私には合わなかった。

  • 人間についての物語を読んだときに浮かぶフレーズは、つよくてうつくしい。
    背筋の伸びた、四角四面のなかに柔らかさのある正座。
    眩しくもうつくしい、西の光。日没前の、ごく短い光。
    表紙がここまで正しいイメージを伝えることも珍しい。

  • 1/409

  • 波长不合...煽得也总觉得还差那么点...而且这种从始而终对生毫无执着的淡泊态度有种说不出来的刻意感...

  • すごい作品でした
    久々に心震える作家に出会った気がします
    最近読んだ時代小説の中では出色の出来です
    中根家老、憎たらしすぎる

  • 情景描写がとても美しい。
    秋谷のまっすぐ過ぎる生き方、命の期限を区切られても、淡々とただ成すべきことを成すという姿勢。
    不義密通の事実などないが、秋谷の心の底にあったお由の方への想いが、自分の気持ちに決着をつけるための切腹だったような気がする。
    八月八日の朝、秋谷と織江は、夫婦の最期の時を愛おしむかのように風が吹き渡る竹林をともに眺め、カナカナと蜩の鳴く声に耳をすませる。織江に優しい眼差しを向け、よき夫婦であった、悔いはないと言い切る秋谷に涙が出そうになった。
    そしてそれ以上に、百姓の子源吉の強くて優しい生き様が、心に残った。

    • Bikkieさん
      読みました~! ちょうど400件目のコメントでnori-kokkosanの次でした。(^^)/
      読みました~! ちょうど400件目のコメントでnori-kokkosanの次でした。(^^)/
      2016/09/16
  • 感動した。映画も見てみたい

  • なぜ秋谷は自分の死をあれだけ平静に受け入れられるのか…彼のように引き際は「立つ鳥跡を濁さず」を全うしたいものです。
    秋谷ほどの人なら小姓を切り捨てない理性ぐらいありそうなもの。だからこそ真相にはしこりを感じます。



    ネタバレ

    源吉の死からの郁太郎の武士になっていく様は泣けます。まさに武士道。

    41
    親はこの世に生のある限り、子を守り、無事を祈り続けてくれるのだ。その思いに支えられて子は育つものなのだ。

    352
    ひとは心の目指すところに向かって生きているのだ、と思うようになった。心の向かうところが志であり、それが果たされるのであれば、命を絶たれることも恐ろしくはない。

    399
    去ると決まった以上はその日に向けて人としてどう生きるのかが肝心で、その一点から真価は定まる。

  • 感動した。

  • 読もうか読むまいか、迷った挙句読んだ。・・・読んで良かった、と思う。
    切ないけれど、武士として父として、示すべきことを示したのではないか、と思う。ただ、夫としてはね、と。織江さんのことを考えるとね。

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著者プロフィール

1951年、北九州市小倉生まれ。西南学院大学卒業後、地方紙記者などを経て、2005年、「乾山晩愁」で歴史文学賞を受賞しデビュー。07年『銀漢の賦』で松本清張賞を受賞し絶賛を浴びる。09年『いのちなりけり』と『秋月記』で、10年『花や散るらん』で、11年『恋しぐれ』で、それぞれ直木賞候補となり、12年『蜩ノ記』で直木賞を受賞。著書は他に『実朝の首』『橘花抄』『川あかり』『散り椿』『さわらびの譜』『風花帖』『峠しぐれ』『春雷』『蒼天見ゆ』『天翔ける』『青嵐の坂』など。2017年12月、惜しまれつつ逝去。

「2023年 『神剣 人斬り彦斎』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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