蜩ノ記

著者 :
  • 祥伝社
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本棚登録 : 2352
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  • Amazon.co.jp ・本 (327ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396633738

感想・レビュー・書評

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  • おおおーっという感動、というより、しんしんじんわり広がる感動の結末だった。

    秋谷に告げられた、切腹まで10年という月日。
    その期間に命じられた家譜編纂のため、淡々と時間を費やしてきた秋谷の10年目ががらりと変わるのは、庄三郎という真っ直ぐな男の存在による。

    秋谷が人を呼ぶのか、庄三郎の力なのかは分からないが……中盤から展開が分かっていても、ページを捲る手が止まらなかった。

    何より結末で、また「10年」が意味を持つシーンがある。

    各々の覚悟と、郁太郎の最後の一言が、また戸田家の道を作り出す。

    一定速度の緩い展開だが、この最後までぜひ行き着いて欲しい。

  • 凛とした秋谷に本物の武士の生き様を見たような気がします。
    涙が出ましたがすがすがしい気持ちにもなれる・・・そんな作品です。

  • 読み終わり、背筋を伸ばした

  • 第146回直木賞受賞作。檀野庄三郎は、家譜編纂の任を負う戸田秋谷の監視役として使わされることとなった。秋谷は七年前、藩主の側室と不義密通を犯し、切腹が決まっていた。しかし、秋谷の清廉な人柄に触れた庄三郎は、七年前の事件に疑問を持ち始める――。
    武士として人間として、己の信念に背くことなく生きてゆく彼らの姿が美しかったです。「武士道とは~みつけたり」というのは成程こういうことかと。源吉も並の武士なら顔負けの立派な男ですよね!庄三郎がだんだんと成長していく姿も清々しくて良かったです。
    それにしても、前半では人物相関図を理解するのに手こずりました…。「○○院様はつまり出家前の●●様のことで、つまり△△院様つまり出家前の▲▲様、のお父様で…」という感じで私の頭ではもう(笑)
    最後まで読んだらそんな苦労は消し飛びましたけど!

  • 素晴らしい。
    儚くも美しい物語。
    日本人の美学。

  • 話の内容が少し難しかったけど…この生き様は美しい。

  • 借りた本。直木賞受賞作だそうだ。作者も初めてだし、時代物もあんまりくわしくない。
     時代劇のドラマを見ている感じ。渋めの。途中もラストもすっきりしないところがあったが、これも時代物ならありなのか?

  • 柵みから自由になれたら、良いのに。
    それが難しいのが、人の世の常。

  • 直木賞受賞作品。
    ふだんは時代小説は読まないが、直木賞受賞作だということで読んだ。
    主人公は弁解せず、泣き言を言わず、武士として全うする生きざまが時代の違う現代でも共感を得るのだろう。

  • 10年後に切腹を命じられた武士、戸田秋谷の美しくも強い生き様に感涙。静かな強さが心に沁みます。とにかくかっこいいです。
    そして、こういう父親としての生き方や強さは、今の時代の子供たちも是非学んで欲しいところです。

    元々時代物が苦手な上、人物名・相関がとてもややこしかったので、序盤かなりてこずりました。
    苦手な方は、メモなど取りながら読まれると良いかと思います。

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著者プロフィール

1951年、北九州市小倉生まれ。西南学院大学卒業後、地方紙記者などを経て、2005年、「乾山晩愁」で歴史文学賞を受賞しデビュー。07年『銀漢の賦』で松本清張賞を受賞し絶賛を浴びる。09年『いのちなりけり』と『秋月記』で、10年『花や散るらん』で、11年『恋しぐれ』で、それぞれ直木賞候補となり、12年『蜩ノ記』で直木賞を受賞。著書は他に『実朝の首』『橘花抄』『川あかり』『散り椿』『さわらびの譜』『風花帖』『峠しぐれ』『春雷』『蒼天見ゆ』『天翔ける』『青嵐の坂』など。2017年12月、惜しまれつつ逝去。

「2023年 『神剣 人斬り彦斎』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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