蜩ノ記

著者 :
  • 祥伝社
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  • Amazon.co.jp ・本 (327ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396633738

感想・レビュー・書評

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  • いやぁ感動しましたね!戸田秋谷という10年後に切腹を命じられ幽閉されている一人の武士を主人公に、秋谷の切腹までの自分にブレずに藩のために生き抜く姿勢や監視役をすることになった庄三郎や家族との絆そして今回隠れた主役といえる源吉という秋谷の息子の郁太郎の親友の生き様やまわりへの影響力が涙なしでは語れないです。
    現在、映画でも上映されていますが、源吉を観ただけで涙が出てきそうです!

  • 葉室さん初読み。
    年をまたいで読んだからか私の読解力のなさか?^^;
    始めは数々の人物がごちゃごちゃになってかなり中盤まで話に入っていけなかった。
    でもオススメ下さった方々の言葉を信じて辛抱強く読んでたら・・・
    知らないうちに鼻の奥がツーンと(笑)
    庄三郎も秋谷も織江も郁太郎も薫も源吉も皆あまりにも真摯に生きていてそれだからこそ切なく哀しい面があるのだが
    読後感が清々しく自分もこうありたいと思った。
    特に源吉には恐れ入った。源吉の妹になりたかったな。
    あとクレームじゃないけど、羽根藩の方言はちょっと??な部分が。

  • 果たすべく志と相応の覚悟、清く美しく強く、、武士の理。ただ、人を大切に思う気持ちには武士も百姓も身分の差など関係ないという信念。付かず離れずの一人一人の距離感と清廉さに魅了され読み進める。終盤、蜩の最後の猛りの様な展開と、重なる粋な計らいは思わず胸にグッとくる。読了後、なんとも言えない感無量に襲われる一冊♪

  • 読みながら、頭の片隅に藤沢周平氏の『蝉しぐれ』が…(苦笑)
    こう、淡々と物語が進んでいくところといい、主人公がまっすぐなところといい、藤沢氏の作風を思わせます。
    葉室さんの本は、まだ3冊しか読んでいませんが、主人公の潔白さというか潔さというか、凛とした強さを感じます。
    この本でも、主人公達はそれぞれ自分の信念に基づいて行動します。
    3年後に切腹することが決まっていながら、心穏やかに過ごす秋谷。監視をするために来たのに、秋谷やその家族の人柄に触れ、何とか秋谷を助けたいと思う庄三郎。 秋谷の息子 郁太郎のため、家族のため、拷問に耐えて死んだ源吉。そしてその源吉のために、家老に直談判に行った郁太郎。
    特に 武士の子ではない源吉の道理の通った生き方、寛容な生き方は天晴れだと思いました。そんな友をもった郁太郎は、きっと源吉に恥じない生き方をするでしょう^^

  • 登場人物
    戸田秋谷とその家族 織江、薫、郁太郎
    檀野庄三郎、水上信吾、松吟尼、慶仙和尚
    源吉
    家老 中野兵右衛門、原市之進

    源吉が死んでしまうとは悲しい。
    しかここから物語は大きく動いていく。
    長生きすることが大事ではなく、いかに生きたかが大事ということ。
    しかし、人ははたして主人公秋谷のように生きることができるのだろうか、とも思う。
    そして、最後に向けて盛り上げていくうまさに感嘆。
    圧巻のフィナーレ。映画を見ているようだった(映画化されるようだ)。
    これからどうなるのだろうという期待もあって、続きを読みたくなった。

  • 凛とした生き方をする武士・戸田秋谷の爽やかな姿。そしてその家族、若くして刃傷事件を起こし、その監視を任務として与えられた庄三郎。いずれもが秋谷の影響を受けて真っ直ぐな生き方をしています。人間は強くなければいけない!ことを痛切に教えられます。敵役・ご家老の終頁近くでの言葉は大逆転で更に爽やかな印象を高めてくれます。藤沢周平の世界そのもの。

  • 思ったより、エンターテイメントだった。

    充分楽しめたし、面白かったけど、
    なんというか、もうひとつ奥深さに足りない感じではあった。

    秋谷の生き様も勿論感銘は受けたけど、
    なにをおいても、源吉があっぱれ!!

  • 10年後に切腹と決められた、男の生き様を描いた作品。
    じーんときた。
    公正で、領民のため、藩のために命をささげる秋谷。
    その在り方が、すがすがしい。
    武士ではないけれど、源吉の決意も、胸を打つものがあった。
    自然の美しさとともに、さわやかな風が感じられる。
    http://koroppy.cocolog-nifty.com/blog/2013/06/post-053d.html

  • 美しい情景が目に浮かんできます。

    涙が止まらなかったです。

    まさかの映画化なんて、とても嬉しいです。
    今から楽しみ!

  • 遅ればせながら、読み終えました。

    直木賞受賞作。

    最後の章では、いつの間にか涙ぐんでいました。

    潔い生き方。

    このような生き方を現代の人ができるかどうかは分からないけれど。

    秋谷の妻、織江の気持ちがもっと描かれているといいなとは思いました。

    源吉、10歳そこそこで、かっこよすぎるくらいいい。

    こんな決意のある子は今の日本では、絶対ありえないだろうな。

    郁太郎には、源吉の分も立派に生きてくれるだろうと、期待しました。

    庄三郎や、郁太郎の今後も描かれることはないのだろうか?

    時代小説は、ファンタジーがあって好きです。

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著者プロフィール

1951年、北九州市小倉生まれ。西南学院大学卒業後、地方紙記者などを経て、2005年、「乾山晩愁」で歴史文学賞を受賞しデビュー。07年『銀漢の賦』で松本清張賞を受賞し絶賛を浴びる。09年『いのちなりけり』と『秋月記』で、10年『花や散るらん』で、11年『恋しぐれ』で、それぞれ直木賞候補となり、12年『蜩ノ記』で直木賞を受賞。著書は他に『実朝の首』『橘花抄』『川あかり』『散り椿』『さわらびの譜』『風花帖』『峠しぐれ』『春雷』『蒼天見ゆ』『天翔ける』『青嵐の坂』など。2017年12月、惜しまれつつ逝去。

「2023年 『神剣 人斬り彦斎』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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