- Amazon.co.jp ・本 (327ページ)
- / ISBN・EAN: 9784396633738
感想・レビュー・書評
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不祥事を起こし罪に問われた檀野庄三郎は、幽閉されている戸田秋谷の監視を命じられる。秋谷は、かつて主君の側室との不義を問われつつも、藩の家譜編纂のためとして、切腹まで10年の猶予を与えれた人物。彼は、家譜編纂とともに、蜩〔ひぐらし〕ノ記と名付けた日記をつけていた。秋谷家で暮らし始めた庄三郎たちの周囲で、幾つかの事件が起きるが、切腹の日は刻一刻と迫り来る。不義は本当にあったのか、なぜ秋谷は弁解しないのか、様々な事件の背後に隠れた秘密とは。ユニークな状況設定で、推理小説を読むような趣のある長編時代小説。第146回直木賞候補作。
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▼福岡県立大学附属図書館の所蔵はこちらです
https://library.fukuoka-pu.ac.jp/opac/volume/156918 -
覚悟を決めた人間には誰にも敵わない。潔さが素晴らしかった。
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心に沁みるました。
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清々しい生き方。爽やかな読後感。
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驚きは無かったけど、
余韻がいつまでもある。
武士のようにはいかないが、人として恥じない生き方をしたい。 -
直木賞を取っているし、評価が高い本だけど、自分にはちょっと読みづらかったな。
葉室凜さんの小説の特徴でもある「主人公が輝く」が個人的には苦手かもしれない。
この小説も主人公がとても良い人で、主人公の悲劇を解決するために物語が進む。
途中におこる伏線も最後にきっちり回収される。
よい小説なんですが、よい主人公がいい人すぎるのかな。 -
10年後に切腹、
幽閉の身、、、
これはこの設定ありきの創作なのかな。“羽根藩”や“三浦一族”がどうやら架空のようだし、、
にしても、秋谷の生き様は尊いけれども、胸塞ぐ話。武家社会に理不尽は付き物とはいえ、命とひきかえにせねばならないことは何一つないというのに。。。
己に恥じることなく、家族にも汚名を残さず、子の世代を生かすためにはこれしかなかったのだろうか。
源吉のさいごにも涙。でもなんという哀れな。。。
巨悪はかすり傷のままで、それがかえってリアルだけれども、やりきれない。
直木賞受賞作×映画化された作品ではあるけど、心に染みるというより心に刺がささってしまう読後感。せつない。