いえ

著者 :
  • 祥伝社
3.76
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  • Amazon.co.jp ・本 (302ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396636180

感想・レビュー・書評

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  • 図書館で予約待ちして貸し出してもらい、読んでいる1冊。個人的に、小野寺さんの本は重くない人間愛を表現していると思う。

    押し付けがましくないのが素敵だなぁ(^^)今も昔も対人関係は、相手を観察することが、現状把握がファーストステップだと思わされました。

    次の人の予約が入っているので読み終わらずに返却、残念だけど熱が冷めた頃に再読するぞー。

  • 総武線の駅 のある河沿いの街。
    そこに住む面々はちょっとお馴染み。
    妹が事故で足を引きずる様になる。
    運転していたのは妹の彼氏で、友達。
    家族それぞれの思いがすれ違う。
    職場も面倒臭い。
    そんな時、ふと河に足を運んでみる。
    もがきながら前に進む。
    頑張れ!と思い読了。

  • まち、から続けて「いえ」まで一気に読んでしまった。我慢できなくて。
    このタイミングで読めてよかった。
    まち、の瞬一くんにまた会えます。
    筧アパートにも。おかずの田野倉にも。

    今作の主人公は、三上傑。
    彼の家族、妹の若菜との物語。

    この時代には珍しいような、
    実直でまじめな主人公が続いてきたけれど、
    傑はまたちょっと違った、現代の若者のイメージ。
    それでも、いろんな人との出会いで、
    やっぱり少しずつ、悩みながら、成長していく。

    それと同時に、
    なんかいろいろ、考えてしまった。
    もし、私の子供が、怪我をしたら。
    もし、私の子供が、誰を怪我させてしまったら。
    交通事故にあったら。
    どうするだろう。

    もう安心と安全の小野寺さん。
    つぎは郵便屋さんを読もうかなー。

  • ゾンビが店に来たら、まずは、お客様。
    次に、従業員を守る…。
    彼ならきっとそうするだろう。 
    兄として、
    男として、
    社会人として時に悩み、
    時にぶつかるが
    背伸びしないのがイイ。
    キチンと謝れるのも好感が持てる。
    素直さは
    何にもまして大切だと教えられた。
    「そのまま、進め!」…と、
    エールを贈りたくなった。
    読後の温もりが何とも心地良く、
    ジワッ~と沁みてくる、
    まさに傑作青春小説…。

  • 主人公は家族想いで、家族にも周りの人にも気を使う性格。気の使い方や思考回路が私と似ていると思った。心にモヤモヤが残っていた人との事を勢いに乗って次々に謝っていき心を軽くしていくところは、読んでいて私も一緒にスッキリした。自分軸で決着をつけていくことで前に進める。同じような負の感情を持ちがちだから共感できたのかもしれない。
    田野倉の名前が出てくるとなんだか懐かしい気持ちになる。

  • 「ひと」「まち」とおなじ装丁の今作は
    やはり同じ地域を舞台としている
    「まち」で出てきたアパートの近くに建つ一軒家
    そこに住む4人家族の兄が主人公

    ちなみに前作の「まち」の主人公江藤くんも度々登場する
    (主に江戸川ランニング、お散歩仲間として)

    両親、妹と一軒家で暮らす三上傑
    スーパーに就職して3年目
    パート従業員とうまくいかず悩み中

    そして傑の大学生の妹、若緒は就職活動中の大学生
    恋人の大河とドライブデート中の事故で怪我し、足を引きずるようになってしまった
    大河は傑の古くからの友人であり、家族ぐるみの付き合いがあった好青年
    その大河への対応を巡って三上家はぎくしゃくしていた

    事故を起こした大河に対して、どう接したらいいか悩み、迷う傑
    一度犯した過ちは、決して消えないものなのか、

    傑は仕事ではパート従業員のおばちゃんたちに嫌われて、
    でもだからといって、媚びるのも嫌だったり、
    日常のちょっとした小さな不満を正当化して他人を批判したり、評価したりしていたが

    ある時、事故後の大河の苦悩を知り、
    憎むこと、許すこと、後悔、そんなモヤモヤした気持ちの末に
    今までの小さなもめ事に対して、自分の気持ちを正直に語ったり、謝ることでスッキリとしていく

    「ひと」「まち」の主人公と比べるとちょっと器の狭い感じのする傑
    独りよがりだったり、お酒に飲まれて失敗したり…

    でも、いい人ばかりではないのが世の中なのでそんな主人公もいいなと思う

  • 『まち』『ひと』からちょっと間あけて『いえ』を読みました。世界線が一緒なので、ちょっと忘れてる部分もあるけど楽しい。

    彼氏とドライブ中に事故に遭い、足を引きずりながら歩くようになってしまった妹の若緒。彼氏は親友だった大河。大河を恨む母と大河は悪くないと言う父。前半の家族や周りとの関係を読者に理解させる構成がうまい。

    家族はバラバラに、仕事も上手くいかないし、学生時代の劣等感。そんなぐだぐだした主人公を見ていてくれる彼女。そして気合いの入った妹に影響を受けて、最後の巻き返しが清々しかったです。

    ダラダラした会話とか説明部分は読み飛ばしちゃったけど、淡々と読める良い小説でした。

  • 「ひと」シリーズの中では
    全体的に薄曇りのイメージ。
    どの作品も日常を丁寧に描いていて好きだけれど、「いえ」は家族の形態をとったお話なので、あまりにも身近すぎるのかも。
    「ひと」「まち」を読んでから読むことをおすすめします。

  • 家族の物語でした
    妹さんが強いな~と思いました
    でも、人として気持ちいい強さだと思いました
    お兄さんはちょっと頼りなく感じましたが
    でも、わかる気がします
    優しいんだと思いました
    個人的な感想ですが
    今回も読んでよかったです

  • ひと、まち、に続いて3冊目。
    先のふたりの主人公達より今回のお兄ちゃんは人間臭くて親しみを持った。前のふたりは優踏生過ぎて気後れした。そのひとり江藤くんも登場。ご近所さんや、喫茶店の羽鳥さんなんかも相変わらずないい雰囲気でほっこり。
    ホケツをちゃっかりアピールしてたから今度読んでみるか。すっかり思う壺(笑)

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著者プロフィール

一九六八年千葉県生まれ。二〇〇八年『ROCKER』で第三回ポプラ社小説大賞優秀賞を受賞し同作で単行本デビュー。著書に「みつばの郵便屋さん」シリーズ、『ひと』『ミニシアターの六人』『レジデンス』『タクジョ!』『銀座に住むのはまだ早い』『君に光射す』などがある。

「2023年 『片見里荒川コネクション』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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