いえ

著者 : 小野寺史宜

• 祥伝社 (2022年2月9日発売)

感想・レビュー・書評

[midoriさんの感想 · 2022年7月3日]

いつもなんだか一言足りな傑くん
若緒ちゃんの事故のことで　友達や家族がギクシャクしてしまい　自分もどう生きていったらいいのかわからなくなってしまい　
周りの人たちが　何事もなくすんなり生活しているように見えたりすることってよくありますね
自分だけいろいろ背負ってしまったような気がして
一緒にモヤモヤしながら読みました
でも　自分なりに考えて　よかったと思います
スッキリの読了感です！

「ライフ」「ひと」「まち」「いえ」のシリーズでわ「まち」が好きです　デカい江藤瞬一くんが好きです

劇団『東京フルボッコ』が出てきてびっくり！

[mame-shibaさんの感想 · 2022年3月23日]

筧ハイツの人の話はどんなんだっけともやもやしながら読んだ。

[おとんさんの感想 · 2022年3月19日]

しみじみ。ただ一人ごと小説は、あまりくどくなると負のスパイラルに入ってしまってしんどいし、一人ツッコミまでしてしまい、自分の狭量さに辟易…それでも読後感悪くないのは、さすが小野寺さん。

[hazel8483さんの感想 · 2022年3月18日]

傑と若緒の兄妹を中心に
その生活圏で紡がれる物語です。

生きていく上で、誰にでも起きる
ちょっと嫌なことなど…家族、友人、仕事
なんか歯車の合わない時
そういうことってあるよねって
思いながら読みました。

妹と自分の友人の恋愛関係のことを
自分の恋愛と切り離せないとか
仕事の責任感について考えるとか
傑の生真面目な姿を追っていくうちに
お願いだから良い方向に向かってくれ！
という気持ちになっていくのです。

兄妹ふたりで飲みたかった
町の商店街の小さな喫茶店のクリームソーダが
はじまりと、おわりをつないで
やさしい味わいを残してくれました。

[ももチョビママさんの感想 · 2024年1月21日]

社会人3年目の三上傑には、大学生の妹若緒がいる
傑の親友であり、若緒の恋人でもある城山大河がドライブデート中に事故を起こし、後遺症で若緒は左足を引きずるようになってしまった

それ以来、何かにつけ妹のことが気になって仕方がない
事故以来一変してしまった親友との関係、家族の中もどこかぎくしゃくしている

妹の事故を通して、自分を見つめ直し、職場や友人との人間関係を立て直していく傑の真摯な態度が素晴らしいと思う

おれはいやなやつだ。人の好き嫌いも多分多い。それはもう認めるしかない。この先もそんなには変わらないだろう。ただ嫌いな人がいやな目に遭えばいいとは思わない。幸い、そう思うようにはできてない。それが救いだ。
人間、ものの感じ方は変えられない。これはちょっといやだな、と感じてしまうのはしかたない。でも、感じたあとの行動を変えることはできる。こうは動くまいと努めることはできる。その意味でのみ、人は変われる。ただし、とても難しい。それは、生きている間ずっと自分を律し続けるということだから。

小野寺作品に出てくる青年は本当に温厚で誠実だ
さらに、その彼女も聡明で明るくて実にさっぱりした女性なのだ

「ひと」「まち」「ライフ」、そして、この「いえ」
江戸川区平井を舞台にした4部作
荒川沿いの高い堤防とその下に広がる河川敷
砂町銀座商店街、惣菜屋の田野倉、
消防士を目指している筧ハイツの江藤瞬一くん
駅向こうの製パン会社に勤めている井川幹太さん
懐かしい風景と人物が次々と出てきて、嬉しくなった

しっかりと人々が日々の暮らしを営んでいる感じが、平凡だけれどこの本の魅力だ
この本を持って、この辺りを歩いてみたいなと思った

[こあらさんの感想 · 2024年1月7日]

兄目線から、家族の様子、友人，彼女、職場、近所、様々なつながりが描かれていて、どんどん読める作品。いいところも悪いところも含めて、人間らしくていいなと思えた。

[nogappd46さんの感想 · 2023年2月23日]

妹想いのお兄ちゃんだな…
私は弟と仲が悪いので、ちょっと羨ましい。
今まで読んだ作品の登場人物がちょこちょこ出てくるので、また読み直したいな。

[ーさんの感想 · 2022年11月6日]

　

[taikoさんの感想 · 2022年10月14日]

妹が交通事故にあい足が不自由になった。その事故をきっかけに、少しだけ変わってしまったと感じる兄傑と家族の再生物語。小野寺節炸裂。登場人物や場所に過去作の心当たりありではあっても、物忘れの酷い私はすっきり思い出せず、また過去作を漁ろうと心に決めた。事故をきっかけにわだかまりが残るという心の機微が、こちらにもしっかり伝わってくる。自分は傑の母以上にわだかまっちゃうだろうなと思う。当の本人の若緒が強い。彼女がそうであったらから、三上家にオムライスの夜が戻った訳で、結果、傑も小さなわだかまりを解決していく。毎度の事ながら読んで良かったと思う。良作。

[kaopinさんの感想 · 2022年8月17日]

傑の気持ちに共感しながら物語にぐいぐい引き込まれていきました。読後感が良い本。ブクログのお薦めで読んで見て良かったです。人の弱いところも許されてるような温かさを感じる本でした。

著者プロフィール

一九六八年千葉県生まれ。二〇〇八年『ROCKER』で第三回ポプラ社小説大賞優秀賞を受賞し同作で単行本デビュー。著書に「みつばの郵便屋さん」シリーズ、『ひと』『ミニシアターの六人』『レジデンス』『タクジョ！』『銀座に住むのはまだ早い』『君に光射す』などがある。

「2023年 『片見里荒川コネクション』 で使われていた紹介文から引用しています。」