- Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784408550725
感想・レビュー・書評
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吉野万里子さん、加藤千恵さんめあてで手に取りましたが、収録されているすべての作家さんは、今をときめく方々ばかりです。
どの物語も女子高生が主人公であり、タイトル同様あのころの、なにかを思い出させてくれます。
どの物語も脆く、こわれてしまいそうなんだけど、あのころの、なにかがたくさん詰まっています。
私も5年前までは高校生だったんだけどな。
どんどん遠のいていく中でも、あのころ特有の感じ方だったり、思いだったりを忘れてしまいたくはないですね。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
六者六様、感想をまとめきれません。 「いまを全力で駆け抜ける現役女子高校生と、かつて女子高生だったすべての大人の女性たちに贈る、珠玉の青春アンソロジー」 公式のこの文章がいいですね。僕には縁のない女子高生の記憶。それを垣間見せてもらった心地です。
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私、この手の本ででいちばん面白かったのって、
江國さんのやつだなぁ、とぼんやり思いながら読んだ。
この本が面白くないというわけでもないけど、
なんか勝手に比べてしまってもよもよした気持ちになった。
でもこれ読んだ年齢も関係してるのかなぁ。
江國さんのを読んだときは高校生だったもの。
たぶんこういう小説のターゲットど真ん中だったもの。
だから感じ方は違っているのかも。
私にとって「あのころ」は「あのころ」という枠に収められいて、
それを今取り出して、あれこんなんだったっけ?となる。 -
短篇集。同じテーマで書かれているので、
テイストが似通っている印象を受けた。(
家庭環境、登場人物の性格など)
彩瀬まるさん、吉野万理子さんの作品が
特に良いと感じた。 -
好きな作家さんだけに、瀧羽さんの『パリパリ』は良かった。
遥か彼方の女子高生達の世界、自分のときはこんなにセンシティブではかったよなぁと苦笑しつつも、新鮮なようないつの時代も変わらないような・・・懐かしさとともに読んだ。
彩瀬まるさんも衝撃的で良かった。
そっと肩を抱いて、大丈夫よ…と言ってあげたくなる1冊。 -
柚木麻子さん、綾瀬まるさんの両名は「文藝あねもね」から気になっていて、本書でもとても良かったです。女子高生ならではの大人、同性、異性への憧れと嫉妬とか擬似恋心とか。自意識とか親子関係とか。二人の作品のどちらとも女子校のお話で本来はあまり好きなジャンルじゃないんですが…。その他の作品はすらっと読んでしまった。
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一番好きだったのは瀧羽麻子さんの『ぱりぱり』。明るい未来を連想させる終わり方が素敵。
加藤千恵さんの『耳の中の水』はもうちょっと続きが読みたかったかなぁ。 -
窪美澄さんの『リーメンビューゲル』を読みたくて購入。他の作家さんは初めて読むが、なかなかの読書体験に。というのは作家さんを開拓するという意味で読む楽しさを感じたため。
一方、昔読んだ小説に出てきた“S”という概念を思い出す(実業之日本社刊行なだけはあるという感じか)。同性同士の交流を描く作品が多くて共感するには難しいものがあったが、自分とは違う高校生活を垣間見れたのは良かった。
お気に入りは瀧羽麻子さんの『ぱりぱり』、文章がつややかで惚れこんだのは彩瀬まるさんの『傘下の花』。この方の作品はもっと読んでみたい。
(彩瀬まるさんの文章に“急に、花をまいたような賑やかさが駅舎に満ちた。 (176頁) ”というのがあり、もうそこでKO負けでした。この艶やかな文章! 花をまいたような賑やかさにはじまる例えのうつくしさ、凛々しさがもう「たまらん!」と言う感じです。) -
あのころの、私とあなたを思い出す話。
不足なくらいが、新しいものを作る力が発揮されるのかもしれない。
だけど、そんなものと闘っていくのは辛過ぎる。