あのころの、 (実業之日本社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408550725

感想・レビュー・書評

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  • 期待していた以上。好きな作家さんが多かったので手にとったんですが、わたしが好きな作家さんたちの作品はいまいちで、初めて読んだ作家さん二名の出来が素晴らしかった。
    瀧羽麻子さんと、吉野万理子さん。
    とくに吉野さんの作品は胸が熱くなるのにざーっと鳥肌がたった。私小説なのかな。
    あのころの、わたしが、このアンソロジーのどこかにいるはず。

  • 「女子高生」をテーマにした女性作家によるアンソロジーだ。
    さまざまな作家が参加しているが、どこか似通ったシチュエーションの物語が多いのはやはりテーマのせいだろうか。同性への憧憬や思慕が繰り返し語られる。
    その中で異色だったのは、自身の女子高時代を振り返った吉野万理子の作品だ。何冊も著作を読んだことのある作家だけど、こんなことを考え、物書きに憧れて今があるのか、というのが興味深かった。
    面白い、うまい、と思える作品もあればどうにも中途半端な印象を受ける作品もあり、けっこう粒のばらつきを感じた。

  • 瀧羽麻子めあてで、他の作家さんも最近読み始めたところだったので購入。

    期待以上に良かった!
    女子高生に焦点を絞った短編集。

    まさに、「あのころの、」苦みや甘みが詰まっていた。

    お目当てだった瀧羽さんのがやっぱり一番好きだったかな。

  • 6人の女性作家が書く6人の女子高生の短編集。

  •  選択美術で、ともに作品を担当教師にほめられた「ことから、急速に親しくなっていった透子とハルカ。幼い頃に実の母親を亡くしていることや、今の母親が後妻で、彼女を学校に通わせるためにパートを掛け持ちしていることなど、家の事情を包み隠さず話してくれるハルカに対して、打ち明けられない思いを抱えている透子の心は苦しく……。( 『リーメンビューゲル』 窪美澄ほか5編)

    女子高校生の傷つきやすい日常を描いた女性作家による短編集です。 偶然にも柚木さんがカブってしまいましたが、こちらも女子高生(しかも、女子高、私立中高一貫、進学校という設定が多い)の物語です。
     短編なので、キラキラも、痛みもぎゅっと濃縮した感じなのだけど、吉野万里子さんの『約束は今も届かなくて』にすっかり心を持っていかれてしまいました。主人公が同名なので、私小説なのかなぁ。進学校ゆえの悩みの描き方とかも、手に取るように理解できて痛々しかった。

  • 懐かしい気持ちになった。

  • 6人の女性作家による青春を描いたアンソロジー。窪美澄さんや柚木麻子さんの本は今まで読んでいたし、短篇もいいと確信。アンソロは新しい作家さんに出会えるのもいい…そして、どの作品もいい。ドラマにしてもいいのでは。母校の女子は優秀なのも確信。
    瀧羽麻子さんの「ぱりぱり」のラストがむちゃ素晴らしい…あの言葉がひらがなである事で本当に優しい気持ちになる。そして、日本語の奥深さを感じた。

  • こんなだったかも、確かにこんなだったかもなぁ。何か切ない。

  • センチメンタル、だけじゃない。全体をまとうトホホ感。これが実物大の「あのころ」だったのだなあと思う。どうしたいわけでもないどうにもならない、あのラストの感じ。柚木麻子さんの「終わりを待つ季節」は収録されているそれまでの作品の皮肉のようで、だけどもラストを飾るにぴったりだと思った。

  • 6人の女性作家が描く、女子高生たちの心の痛み。
    それぞれの中に、あのころの自分がいて。懐かしさとともにざわざわとあふれる何かに包まれる。
    巻頭、窪美澄著『リーメンビューゲル』はリアル女子高生がオトナになる前に絶対に読んで欲しい。

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著者プロフィール

1965年東京生まれ。2009年『ミクマリ』で、「女による女のためのR-18文学賞大賞」を受賞。11年、受賞作を収録した『ふがいない僕は空を見た』が、「本の雑誌が選ぶ2010年度ベスト10」第1位、「本屋大賞」第2位に選ばれる。12年『晴天の迷いクジラ』で「山田風太郎賞」を受賞。19年『トリニティ』で「織田作之助賞」、22年『夜に星を放つ』で「直木賞」を受賞する。その他著書に、『アニバーサリー』『よるのふくらみ』『水やりはいつも深夜だけど』『やめるときも、すこやかなるときも』『じっと手を見る』『夜空に浮かぶ欠けた月たち』『私は女になりたい』『ははのれんあい』『朔が満ちる』等がある。

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