「超」入門 失敗の本質 日本軍と現代日本に共通する23の組織的ジレンマ
- ダイヤモンド社 (2012年4月6日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
- / ISBN・EAN: 9784478016879
感想・レビュー・書評
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最近、「組織を動かすというのはどういうことなのだろうか?」という疑問について勉強しようと、関係する書籍を呼んでいます。
この本は、第二次世界大戦の日本軍の敗戦を分析した著作『失敗の本質』(1984年出版)をベースとし、その内容から、現代の日本企業の問題点を指摘した一冊です。
まず、日本人の組織は、戦略というものを立てずに推し進めてしまうという問題点について、説明しています。
そのベースとして、過去の成功事例を「型」として踏襲し、その繰り返しによって成功を得ようとする、日本人の行動パターンを挙げています。
そして、現場からのフィードバックを重視せず、上層部の「空気」で議題を決めてしまうという、日本組織の危うさを指摘しています。
現代の企業運営の問題点にそって原著をひもといているということもあり、「あてはまるなあ」と思うことばかりの内容でした。
特に僕が注目したのは、「戦略とは、適切な指標を設定し、それを追及していくこと」という部分。
そして、戦争(企業の場合は市場競争)の中で、「既存の指標を無力化する指標を新たに設定し、新しい土俵で戦う」ことがイノベーションであるという説明は、これまで自分の中であいまいだったものに焦点を与えてもらえたように感じました。
経営者や企業家向けに書かれた作品だと思いますが、組織というものの中で生活する日本人全般に、参考になる内容ではないかと思います。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
読み始めて2日間で読み終えてしまった。
全ての内容が、日々の仕事、部で取り組んでいるプロジェクト、会社の戦略、さらには日本全体の政治・経済・外交等々でうまくいっていない、失敗してしまった点において反省となるものだった。
・追いかける指標を正しく持ち、その指標も常に点検して、古くなっていれば取り替える(イノベーション)。
・耳に痛いことがあってもそれを絶対に聞き入れる。
この他にも多くのことを学んだ。
日常の思索や行動にぜひ活かしていきたい。 -
名著といわれる「失敗の本質」が、実際にビジネスにどう生きるかを筆者のフィルターを通して平易にまとめた作品。日本型組織の良い面と不適応な面が第二次世界大戦中の重要な戦を通して解説されている。
失敗の本質にいきなり手を出すことをためらっていただけに、筆者によるバイアスがあるものの本著を読んでみて良かった。原著を読もうとするよいきっかけである。 -
書店で手に取った所、面白そうだったので衝動買い。元ネタの本は知らなかったがそれを抜きにしても有益だった。
何となく漠然と感じられている、日本人が大戦から無意識的文化的に継承している組織に於いての「昭和ドグマ」の失敗に通ずる問題点を意識化、説明化。
冒頭から詳細に解説されている、戦略とは何か?戦略と戦術の違い。をメインとして、その気合、根性、頑固、傲慢的思想思考から一歩離れての、客観的な問題の考え方、解決の仕方。相手のやり方との比較。
五輪やスポーツの世界等で日本が圧倒的な技術で勝利すると、そのルールを変えてくるような「白人のやり方」が理解できた。
その日本人の個人的圧倒的練磨による技術や(偶然による)体験的成功や精神性に固執する事が、「根本的」にそれらに勝てないという理屈やその他諸々。
閉塞感を打開するヒント。
個人的には、後半に進むにつれ当たり前のことかな…と
感じられてきたが、この自分に染み付いている日本人的考えを超え、他の思考を押し広げるにはもってこいの一冊であった。
読書の目的そのものに合致。(自分以外の思考を取り入れる) -
軍国主義時代の日本軍の失敗を元に、現代の日本に共通する組織的な問題点を解説した「失敗の本質」を、初心者にも分かりやすくまとめた本。「もしドラ→マネジメント」と同様に「超入門→失敗の本質」と読むべき。
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あらゆる現実に応用できると感じました。特に、直前に読んだ『イノベーションのDNA』の内容と関連づけると大変興味深い、イノベーションの本質が見えてくるような気がしました。
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原書を読むのが話が早いかと。で、それを読んで、ビジネス等に応用が利かないなら、そこまでです。個人的意見ですが、兵学校、海大の一本道な採用人事が諸悪の根源かと。
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・リスクとは「目を背けるもの」でも「隠す」ものでもなく、周知させることで具体的に管理されるもの。ビジネスでは、リスクを「かわす」のではなく、徹底して管理しなければ、存続していくこと自体が難しくなる。
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「失敗の本質」を読み解き、第二次世界大戦での日本軍の失敗の原因と、現在の日本/日本企業の衰退の原因を重ねて考察した本。
自分の会社、仕事に置き換えてみると、ナルホドと納得できることが多く、今年読んだ本では1番腑に落ちた。