「超」入門 失敗の本質 日本軍と現代日本に共通する23の組織的ジレンマ

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  • / ISBN・EAN: 9784478016879

感想・レビュー・書評

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  • 本家「失敗の本質」を読みたかったが、難解の口コミを見て、読み切れる自信がなくこちらを読みました。確かに「超入門」です。間違ってないです。
    簡単に一文で戦争の事象が書かれてあり、そこからビジネスでどう生かしていくか。
    歴史好きの者としては、もう少し突っ込んだ戦争の話を期待していましたが、それは本家を読めということでしょう。
    さらっと簡単に読めました。代わりに響かないというか、後に残らないと言うか、物足りなさはあります。でも最後の「空気の話」はやはり面白い。
    結局日本は、今このコロナという有事のときでも、戦争をしてた頃と大して変わってないなぁと。
    そりゃ、経済では米国に敵わないし、コロナ対応も日本らしさが出ているわけだと。
    欠点も長所も裏返しとよく言ったもので、鍛錬の文化、私は嫌いじゃないです。それが米国にはものすごい脅威だったはず。じゃなきゃ原爆落とすなんてことにはならなかったわけだし。
    これは1人でも多くの管理職や経営者、政治家に読まれてほしいし、言わずともそのレベルの人は、本家「失敗の本質」を読んでほしい。
    最後に、著者が「終戦」ではなく、とことん「敗戦」と表現していることにあっぱれ。まずは、そういうところから、日本が正すべき姿勢があるような気がする。

  • 原書は途中で挫折したが、一気に読めた。
    いわゆる官僚組織の問題点を明文化している。

  • 大丈夫だろうか?
    今の日本。私もその国の1人であるが、、
    先の失敗がちゃんと生かされる未来であって欲しい。

  • YouTuberサラタメさん、オススメ本。これは買いだ。すごい刺激を受けた。1984年に発行された別著者の「失敗の本質」を現代日本に当てはめて解説したのが本書。大東亜戦争時の日本軍に習い、1章「曖昧な戦略」、2章「日本的思考」、3章「イノベーション 」、4章「型の伝承に固執」、5章「現場の活用」、6章「リーダーシップ」、7章「集団の空気」に分け、日本軍が陥った23のジレンマと失敗をわかりやすく説明。一点突破全面展開、空気を読んで決断、権威主義や同調圧力とか、まさに日本人あるある。今の閉塞感は先の大戦に学んでいない結果とも言える。一人でも多くの人に読んでほしいな。

    • workmaさん
      なるほど!分かりやすい要約&簡潔な解説をありがとうございました。読んでみたくなりました!
      なるほど!分かりやすい要約&簡潔な解説をありがとうございました。読んでみたくなりました!
      2021/04/20
    • カマボコさん
      workmaさん、コメントありがとうございます。とても刺激のある面白い本でしたよー!仕事の目線で考えることがいろいろ整理できた気がします。Y...
      workmaさん、コメントありがとうございます。とても刺激のある面白い本でしたよー!仕事の目線で考えることがいろいろ整理できた気がします。YouTuberサラタメの要約解説もオススメです(*´꒳`*)。
      2021/04/20
    • workmaさん
      カマボコさん、いろいろ教えていただきありがとうございました
      カマボコさん、いろいろ教えていただきありがとうございました
      2021/04/20
  • 「失敗の本質」の概要を解説した本。太平洋戦争における日本軍の失敗を分析することによって、組織や日本人の考え方や行動を論じ、現代のビジネスなどの組織分析も行っている。何よりも、ポイントをまとめる形で読みやすいのがありがたい。

    経験則による成功法則では、適用すべき範囲を判断することが難しく、結果として過去の成功事例の教条主義に陥りやすい。

    マイクロソフトは、ソフトの互換性とネットワーク効果(同じソフトを使用しているパソコンが多いほど、そのソフトの価値が増していく)の指標を発見し、使いこなしたことが最大の成功要因。

    日本人は、型を反復練習することによって技能を獲得する「練磨」の文化と精神を持ち、大きなブレイク・スルーを生みだすことよりも、ひとつのアイデアの洗練に適している。そのため、日本企業は製品サイクルの成長後期以後で強みを発揮する。

    プロセス改善はスタートラインとなる思想や手法を同じままに、過程を最大限改善することで、努力至上主義や精神論と大変結びつきやすい。

    組織が勝利の本質ではなく「型」を伝承している場合、型を伝承している大多数は、新戦略やイノベーションを発見した少数派を排除しようとする意識を持つ。

    日本人は、同じことを繰り返してそれを洗練させることに長けている。それは日本人が誇ることができる点であり、「日本すごい」と酔心させる面でもある。しかし、型を重視する態度は、前例や過去の成功体験を踏襲し続け、状況の変化に迅速に対応できないばかりか、内部の変革の動きに対して強い反発を示すことがある。日本人はこうした特性を持っていることを自覚しなければ、状況の変化への対応は常に後塵を拝することになってしまう。

  • お薦め!!
    その通りなんだよね。。。

  • 日本軍の失敗の本質=戦略性のなさ、思考法、イノベーションがない、型を伝承するくせ、組織運営の問題、リーダーが行うべきこと、日本的メンタリティ

    一点突破全面展開を行いやすい(成功体験があるから)。
    ゲームのルール変化に弱い。改良には強いがルールが変わるとダメになる。
    イノベーションを組織が潰す。過去に要らなかったという理由だけでレーダーを使わなかった。よく知らないことは避けるくせがある。
    成功を虎の巻にして、神格化してしまう。海軍の海戦要務令の例。
    リーダーが組織の限界をつくる。自分の信じたいことを補強する事実だけを見る。他者からの批判を受け入れない。直面する問題の捉え方を変えない。
    空気を読むことにたけている=自分の意見より場の意見を尊重する。サンクコストを避けて撤退できない。ノモンハン事件、コンコルドの例。

    リスクを隠す=リスクをヘッジするのではなく、見なかったことにする。何回も成功しない。

  • 大学の講義用に再々読 読むほどに深い

    0.失敗の本質「6つの作戦」 ノモンハン・ミッドウェー・ガダルカナル・インパール・レイテ・沖縄
    ダーウィンの進化論 変化に対応できる者が生き残る 最も強い者でも、最も賢い者でもない
    日本の組織の脆弱さ 想定外の変化・突然の危機的状況への対応
     最前線の問題の深刻さを中央本部が正しく認識できない
     「上から」の権威を振りかざし最善策を検討しない
     部門間の利害関係や責任回避が優先され、変革のリーダーが不在
    なぜ日本人は転換点に弱いのか?
    (1)戦略性の弱さ 戦術・主義を超える     ←日本人は大きく考えるのが苦手
    (2)思考法     錬磨・改善から脱却     ←日本人は革新が苦手で、錬磨が得意
    (3)イノベーション 「新しい指標」を発見する  ←既存のルールを習熟、ルールの創造はできない
    (4)型の伝承    創造的な組織文化     ←創造ではなく方法に依存 イノベーションの芽を潰す
    (5)組織運営    勝利につながる現場活用 ←現場活用が下手
    (6)リーダーシップ 環境変化に対応するリーダーの役割
    (7)メンタリティ   「空気」への対応とリスク管理←リスク管理の誤解

    1.戦略不存在 
    (1)「戦略」とは「目標達成につながる勝利を選ぶこと」
    つながらない勝利を峻別して、排除する
    選択と集中で効率を3倍にできる パレートの法則も同じ
    「戦術」戦略を実現する方法 戦術を洗練させても戦略をカバーできない
    日本人は戦略と戦術を混同しやすい 戦術を戦略視する
    (2)戦略とは「追いかける指標」 
    有効な指標を見抜く「指標の設定力」が最大のポイント
    「〇〇主義」 指標を絶対視し固定化する 艦隊決戦主義 白兵銃剣主義
    (3)日本は「体験的学習」 帰納法的アプローチ 戦略の自覚がない
    思考停止 経験の絶対視
    「成功要因」を把握できていないので、成功が持続しない
    (4)米軍は目標達成につながる勝利が多かった「戦略的アプローチ」
    戦略分析を行い、組織内に徹底し、効率を上げた ⇒現在の生産性格差問題につながる
    (5)偶々の勝利に安住し、「同じ指標」を追うと敗北する

    2.変化への対応不全
    (1)個人芸を磨き抜く 超人的な猛訓練・錬磨 →組織的アプローチではない
    日本のもの作りも「職人芸」 
    (2)アメリカはシステムで対応 個人芸はなるべく押さえる
      練度の低いパイロットでも勝てる戦闘機
      命中精度が低くても当たる砲弾VT信管
      夜間視力が高くなくても敵を捕らえるレーダー
    (3)ゲームのルールを変えた者だけが勝つ(技術力で勝る日本が、なぜ事業で負けるのか?)
    (4)プロセス改善の限界点
      努力至上主義や精神論と結びつきやすい
    (5)ダブル・ループ学習で、個別努力に加え、構造の改革を

    3.イノベーション 新しい指標
    (1)イノベーションの3ステップ
      ①「既存の指標」の発見
      ②敵の指標の「無効化」
      ③「新指標」で戦う
    (2)ダブルループによる新指標の創造
    (3)指標には賞味期限がある
    (4)コダックと富士フィルム
    (5)性能の高度化か、イノベーションか

    4.「型の伝承」を優先 権威と盲信を生み出す組織文化
    (1)日本軍は「型の伝承」を重視する余り、前例踏襲の時代遅れ
      内向き志向、外の変化に鈍感
      「勝利の本質」が大事なはずが、「主義」の墨守へ
    (2)しがらみを排し、「ゼロベース」で考える
      exインテルがDRAM撤退するとき 新事業を始めるとしたら
    (3)日本でもレーダーを開発されていた
      技術者の努力を軍人が受け入れ拒否
      ドイツで最新のレーダー研究を視察・報告していたのに
      負けると軍人は「レーダーのせいで負けたと」
    (4)組織がイノベーションを潰す
      本質ではない「型の伝承」にこだわる余り
      組織はイノベーションを敵対視する集団に「劣化する」
      組織の進化より、自己保身を優先


    5.現場を活用できない 優秀な人材まで殺す 硬直組織
    (1)「現場を殺す」ラバウル-ガダルカナル往復2000㎞攻撃 大罪15分
      権威主義・現場への無理解 
    (2)米軍は現場の自主性・独立性を認める 現場の力を最大化
      現場との人事交流により 現場感覚を共有化
    (3)新戦略を生み出すのは「現場」
      日本は現場のイノベーション力を圧殺する
    (4)人事評価制度
      日本はプロセス重視 保身と無責任が蔓延
      米軍は責任の所在を明確化 

    6.真のリーダーシップが存在しない 司令部の大罪
    (1)珊瑚礁海戦のあと 米軍はパイロットからヒアリング グラマン社現地調査
      cfハロルドジェーン「トップ機能しない」 ①縦割り②新たなアイデア拒否③フィルター情報
    (2)リーダーとは「新たな指標」を見抜く リーダーの器が組織の限界
    (3)指標を誤ると組織は存亡の危機に exコンチネンタル航空
      「コスト削減を最優先」して現場は疲弊 →成功の鍵ではなかった
       ①機内の清潔さ ②到着時刻を正確に
    (4)優れたリーダーは「勝利の条件」に最大の注意を払う
      間違えた指標の下で、現場は疲弊、やる気を喪失
    (5)組織の安定を突き崩す 変化を受け入れる 

    7.「集団の空気」がつくる不可思議な非合理性
    (1)合理的議論を拒絶 権威主義 経験主義 「空気」
    (2)方向転換を妨げる4つの要素
      ①サンクコスト(満洲・中国)
      ②蒸し返すな
      ③忖度を人事評価 米軍は実力主義
      ④楽観的期待を共有
    (3)コンテンジェンシープランがない 
      運頼み いつかは破綻する
      exクルマの運転 慎重な運転と自動車保険を掛けないは異なる
    (4)耳に痛い情報を持ってくる人物を絶対に遠ざけない
    (5)リスクはオープンに周知させる 具体的に管理される

  • 第二次世界大戦における6つの作戦(ノモンハン事件、ミッドウェー作戦、ガダルカナル作戦、インパール作戦、レイテ海戦、沖縄戦)についてなぜ日本軍は破れたのかを分析した名著「失敗の本質」。この本のエッセンス版になります。

    6つの作戦での敗因となった組織的な問題を改めて提示し、現代にも通じる現代も抱えている課題であることを解説しています。

    「失敗の本質」から学び組織作り・運営をしている会社は多く存在していると思います。ただ、逆に何も学ばず同じミスを犯し続けている会社も多く存在していると思います。

    また、戦時中の失敗の原因でもあった「空気」に支配され誤った方向に集団として向かってしまう傾向も今なお多くの組織が抱えている問題だと思います。

    第二次世界大戦時の軍隊と同様の組織になっているのであれば、同様の失敗の結果に繋がっていきます。

    改めて、結果を出す組織にするにはどうしたら良いか、どんな組織的な課題があったか勉強するのに良本だと思います。

    また、組織論だけでなくリーダーとしてのあるべき姿について本著では言及しています。ここら辺の説明も大変分かりやすかったです。リーダーとしてのあるべき姿も本著を通してイメージするのも良いと思います。


    すでに「失敗の本質」を読んだ方だけでなく、読んでない方にもオススメの本です。

    是非、読んでみて下さい❗

  • デジャヴ感があってもしや…とは思っていたけど、いつだかに読んだことありました。笑
    でも一応最後まで読了。
    第二次世界大戦での日本軍の問題点をズバッと斬り込んでいるのが失敗の本質という本ですが、この本はそれをビジネスの中で活かせるようにわかりやすく、つながりのある説明を加えてあります。
    そろそろ失敗の本質を読んでみる時が来たかしら。笑

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著者プロフィール

MPS Consulting代表
慶應義塾大学総合政策学部卒業後、商社にて資源輸入業務に従事。その後、コンサルティング会社に勤務し、独立。現在は、コンサルティング業務のほか、戦略論に関する著作も執筆。

「2022年 『戦略は歴史から学べ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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