なぜ投資のプロはサルに負けるのか?― あるいは、お金持ちになれるたったひとつのクールなやり方
- ダイヤモンド社 (2006年12月8日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (217ページ)
- / ISBN・EAN: 9784478600535
感想・レビュー・書評
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ひとりよがりすぎ。
文章がだめ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
これは数ある株本の中でも最高峰の一冊のうちのひとつと言ってもいいでしょう。
殿堂入りの一冊ですね。
じつは自分にとって本を通じて新しい何かを学んだというのはそれほどなくて実際は前からある理論を書いてあるだけでした。その部分は著者も認めています。
それなのにこれほど素晴らしく思うのは著者の藤沢さんの書き方が面白おかしくて内容につい引き込まれるからに他ならないからである。
そうして難しい理論も誰にでも理解できるように易しく説明されるのだ。
個人的にDCFモデルや有効フロンティアあたりの説明で「モデル自体は完全に正しい」のくだりで「実用上使い者にならない机上の空論」とバッサリ切り捨てるのは痛快です。
そして190Pにも及ぶ正しい真実を教えながら最後に「一生懸命働くのが一番」のオチは面白すぎです。
まぁそれでも投資をしたければとインデックスファンドを薦めてはいるけれど…
もし株式投資を始めたい人が最初にこの本に巡り合えたらその人はある意味、宝くじに当たったようなモノですね。
だから入門としては最高の一冊であり、上級者には物足りない部分もあるだろうけれど
それがこの本の批判になることはあり得ない話でこれほど理解しやすく説明された本は稀である。
世の中、易しい話を易しく、難しい話を難しく、易しい話を難しく話すのは簡単だけれども
難しい話を易しく話すのは難しいのである。 -
なんだかんだいって誰も教えてくれないお金の仕組み、のみならず、投資のプロがサルに負ける理由、それでも投資のプロが存在し続ける理由、マネーインテリジェンスのない人が経済を面白くしているという事実、などをわかりやすく、藤沢氏独自の鮮やかな切り口で説いてくれて、結局サラリーマンやってるのが一番というオチも含めて、投資には今は興味ないけどクソ面白かった。
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結局素人は投資するなと
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これほど合理的な本も珍しい。語り方がきらいな人は多いだろうけど、素晴らしい内容だった。だいたい初学者用の体系的なファイナンス基本書。
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2011/11/20 No.28
基本的なお金の仕組みを、分かりやすく書いてある。現代に生きる我々は最低限のファイナンシャル・リテラシーを持つ必要がある。 -
新刊への布石として読んだ。平易な文章で書かれているので理解した気になったものの、簡単に理解できる内容ではないらしいので、そういった意味ではまだ甘いのか。
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金融日記の藤沢氏の本。物理か何かで博士号を取得して,のちに金融の世界に転身した人で,読みやすく分かりやすい文章には定評がある。毒舌も多々。最近は原発を擁護していろいろ批判もされているが,そんなにおかしなことは言っていないと思う。
本書は,2006年に書かれたもので,ファイナンス・インテリジェンスを養おうという趣旨。経済や投資に関する本は,かなりトンデモな内容のものが堂々と書店で売られている特異な分野だそうで,そういうのに騙されることのない基本的な素養が大事。結局のところ,「うまい儲け話などない」ということなのだが,そのことがかなり説得力をもって書かれている。
「効率的市場仮説」というのが一つのキーワードになっている。自由な市場の価格決定メカニズムと,超優秀な金融のプロの競争によって,株価は適正な価格に保たれているという仮説。そのために,逆説的だが実力より運が支配的になって,誰が投資をしても半々の割合で損したり得したりする。本書のタイトルにあるように,ノーベル賞受賞者の設立したヘッジファンド,LTCMでさえ大失敗をした。サルに任せておいた方がましだった。
皆が効率的市場仮説を信じてしまうと,適正な株価を模索するコストを誰も払わなくなるので,市場は効率的でなくなってしまう。効率的市場仮説を信じない人々が,相手を出し抜こうと熱心な分析を行なうことで,効率的市場仮説が正しくなっていく。
文章表現が上手で,「適切な金利を決めることにより、お金は自由に時空を飛び交うことができるようになる」(p.95)とか,うまいこと言うなという感じ。別に詩的な表現というわけじゃなく,ホントに時空を行き交うし。もっとも,人を食った言い方も目立つので,好き嫌いは分かれそう。シグナリング効果について,「高い年会費を払う経済合理的な理由はありませんが、ゴージャスな色のクレジットカードを持っていれば、女性にモテるというのであれば話は変わってきます。」(p.29)とか,よく女性とか恋愛を引き合いに出して茶化したりしてる。「競馬や宝くじは期待値の意味が理解できないひとたちからお金をむしり取ることで運営されています」(p.85)って真実かもしれないけど身も蓋もない。「競馬というのは愚か者が払うテラ銭によって運営されてはいても、やはりすばらしい文化だと思うのです」(p.70)と一応フォローも忘れない。