ねにもつタイプ (ちくま文庫)

著者 :
  • 筑摩書房
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本棚登録 : 2915
感想 : 276
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480426734

感想・レビュー・書評

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  • た〜のしかった!私は現実より空想の方が好きだから、現実の続きで空想の世界があるのがとても心地よくておもしろかった。

  • 以前、著者が翻訳された小説を読んだことがあります。
    現代英米文学の中から、
    へんてこな物語を集めた短編集でした。
    著者はその本の編者でもありました。
    アンソロジストも務める翻訳家の日常ってどんなだろう?
    という興味からこのエッセイを読み始めましたが、
    そこに綴られていたのは、
    日々の暮らしの中で著者が思い浮かべる
    妄想、空想、夢想、奇想、幻想などなどでした。
    翻訳家の仕事は家にこもっていることが多いから、
    頭の中がこんなふうになっちゃったんでしょうか?
    とにかく面白かったです。
    身も心も疲れ果て溜息ばかりついてしまうとき、
    忙し過ぎて前後不覚になったときなど、
    気晴らしには最適な読物です。
    心にちょっとゆとりができるかも。


    べそかきアルルカンの詩的日常
    http://blog.goo.ne.jp/b-arlequin/
    べそかきアルルカンの“スケッチブックを小脇に抱え”
    http://blog.goo.ne.jp/besokaki-a
    べそかきアルルカンの“銀幕の向こうがわ”
    http://booklog.jp/users/besokaki-arlequin2

  • 翻訳家、岸本佐知子さんによる第二作エッセイ集。(第一作は白水社出版の『気になる部分』。)

    日常や過去の記憶から現実に対するなんらかの違和感を察知し、つぶさに観察する。
    独特の着眼点を契機として、類いまれな妄想力が描き出した異世界へと読み手を道連れにする。

    寡聞にしてこれほどユニークなエッセイストを知らない。
    そのジャンルの境界すら危うくする、異能によるエッセイ集。

  •  岸本佐知子女史の二冊目になるエッセイ集。
     前作と同じくニヤニヤしながら読み進めた。
     やはり「ニコニコ」ではなくて「ニヤニヤ」が似合う面白さだ。
     虚実入り混じった作品もあれば虚あるいは実だけで押し通した作品もある。
     虚だけで押し通した作品の面白さを考えたら、ちょっとした短編を書いても面白いものが出来るんじゃないかって思えてくる。
     機会があったらぜひ書いて欲しいものだ。

  • 一つ一つに愉快な妄想が詰まった風船の束。そんなエッセイ集。

    岸本さんが訳した本を読んで、気になって手にとってみたら、こんなにも面白い文章を書く方だったとは。
    電車で何度もにやついてしまった。

    ホッホグルグル問題、疑惑の髪型、ピクニックじゃない、マイ富士
    が印象に残っている。強烈に。

    各話についているイラストもまた魅力的。

  • 岸本さんの虚実織り交ぜたエッセイ集です。
    日常生活から、助走もなく、ぐぐんっと妄想の世界に引っ張りこまれている。
    ああ、この感じ、本当に癖になる。
    今回はちょっと虚の割合が多めだと感じたのですが、実は本当のことだったりするんだろうか…?、と妙にどきどき。

    しばし笑いが止まらなくなって困ったのは、「矢吹ジョーの口から飛び出すものを腎臓だと思っていた」というくだりです。(…無論、マウスピースのことですw)
    もうあのシーンを目にするたびに、「あ、腎臓…」と思ってしまうに違いない…。

  • 面白いんだけど、最後の一行でオチをつけるパターンが続くのが気になる。

  • どこかでお勧め本にされていたので手に取ってみた。
    オリンピックが嫌いだという理由は私の考えとタブるものがあって共感できたが、今一つなエッセイ集だったな。

  • 「見えない車軸を飛び越える遊び」
    やりました。小学生時代、アホほどやりました。小学生の妄想は、一切なんらかの有益さも産みださない純度100%の妄想だ。ひとつオトナになる度に妄想は薄ぼんやりした現実へと移行し、気が付けば汚れっちまった悲しみに浸っている。

    しかし稀にこの妄想を「経験と語彙」という武器を携えて、時に白痴めいた、時に狂気を孕む妄想へと昇華させるオトナが現れる。妄想の天才。妄想を描き続けるのもひとつの才能だ。この天賦の才を持つ立派なオトナは、当世みうらじゅんか伊集院光か穂村弘かこの人、な気がする。

    ニタニタニタニタニタニタ。
    ニヤニヤニヤニヤニヤニヤ。
    止まらない。

  • 友達からプレゼントとしていただきました。さらっと読めて、気持ちが軽くなる、ちょっとした旅に出た気分で読めます。

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著者プロフィール

岸本 佐知子(きしもと・さちこ):上智大学文学部英文学科卒業。翻訳家。主な訳書にルシア・ベルリン『掃除婦のための手引き書』、ミランダ・ジュライ『最初の悪い男』、ニコルソン・ベイカー『中二階』、ジャネット・ウィンターソン『灯台守の話』、リディア・デイヴィス『話の終わり』、スティーヴン・ミルハウザー『エドウィン・マルハウス』、ジョージ・ソーンダーズ『十二月の十日』、ショーン・タン『セミ』、アリ・スミス『五月 その他の短篇』。編訳書に『変愛小説集』、『楽しい夜』、『コドモノセカイ』など。著書に『気になる部分』、『ねにもつタイプ』(講談社エッセイ賞)、『なんらかの事情』、『死ぬまでに行きたい海』など。

「2023年 『ひみつのしつもん』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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