いつもが消えた日 (お蔦さんの神楽坂日記)

著者 :
  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (316ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488027278

感想・レビュー・書評

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  • お蔦さん#2。元芸者のお蔦さんと神楽坂で2人暮らし孫、中3にして料理番の滝本望。3学期が始まったある日サッカー部の彰彦と後輩の有斗、幼馴染の洋平が滝本家で夕飯を食べて有斗を家まで送った直後、血相を変えた有斗が「部屋が血まみれで家族が誰もいない!」

    ◆こういう人も実際いるんだろうから「中学生にはヘビーすぎるだろ」って流せないけど「元芸者の謎解き」くらいのお話のつもりでいたら毎回重すぎる…(^^;;

  • 今回は長編。
    読みやすいしミステリーもよかった。

  • 孫の友人とはいえ赤の他人を預かることになったお蔦さん、本人を前に「迷惑だけどね。」と言い切った後に「迷惑をかけてかけられて、人ってのはそれがあたりまえなんだ」と諭す。
    格好いい!
    このシリーズは、がっつりミステリーよりも、人情メインで、前作の様な短編の方がいいな。

  • お蔦さんの神楽坂日記、第2弾。
    一作目は短編連作だったが、今度はぐいぐい読める長編だ。
    森くんのサッカー部の後輩・金森有斗が、森くん共々、主人公・滝本望のところにご飯を食べに来た。
    楽しい食事会の後、一転して…
    中一の有斗には重すぎる事件。
    その有斗を、ご飯と精神面で支え続けた、二つ年上の望。
    (あれっ?望って、オカン体質?)

    ご近所に聞き込みをしたり、警察に掛け合ったり(ゴリ押しという)、精力的に行動し、もちろん頭もフル回転のお蔦さん。
    何より、情けをかけるべきところと、感情を優先させてはならないところの線引きを誤らないところが素晴らしい。

  • もと芸者でいまでも粋なお蔦さんはご近所の人気者だ。滝本望はそんな祖母と神楽坂でふたり暮らしをしている。三学期がはじまって間もないある日、同じ中学に通うサッカー部の彰彦とその後輩・有斗、幼なじみの洋平が滝本家を訪れていた。望手製の夕飯をお腹いっぱい食べ、サッカー談義に花を咲かせた、にぎやかな夜。しかし望と彰彦が有斗を自宅に送り届けた直後、有斗が血相を変えて飛び出してきた「部屋が血だらけで!家ん中に、誰もいないんだ!」消えた有斗の家族の行方、そして家族が抱える秘密とは―。

  • 先日読んだ「無花果の実のなるころに」が面白かったので、即、続編を借りてきた。
    そもそも「秋葉原先留交番ゆうれい付き」がから著者のシリーズに入ってるのだけど、今回は

    むっちゃくちゃ重たかった・・・!

    相変わらず望がかわいいとか、ちゅうかもう、アキ先輩と有斗は仲が良すぎやろとか、男子同士のイチャイチャには(BLに変換しなくても)ほほえましいんやけど、それを上回るほどのテーマの重さ・・・。

    まあよく見たらタイトルも重かったな。
    つい。さくっと読めるのかと。

    先日の「高校入試」が、シナリオ仕立てやったせいか
    「きっとこれはすごいダメージを受けるやろな」
    と、構えて読んだわりには

    「あれっ? これだけ??」

    と、思ったののまるっきり逆。

    途中はどうしようかなと思うくらい、容赦がなかったわ。
    死人はでたけれども(言い方・・・)、これだけ丸くオチがついたのはすごいと思う。

    もしかして著者って、途中の展開には容赦がないけどオチはハッピーエンドなんかな。
    途中の容赦のなさから考えると果たしてハッピーエンドって何だとは思うけど、「無花果」も「秋葉原先留交番」も、そんな感じやな・・・!

    もちろん著者の別タイトルもリクエスト済みです。
    この先(の未読本)は時代小説(?)に、なっていきそうなので、これまたどうなるか・・・。

    内容ももちろんええけど、キャラがすごいイキイキしてるからなー・・・。

    ひつこいようやけど、男子のイチャイチャ具合が可愛いわ。
    でもああ、アキ先輩と有斗の関係なんか、私にも覚えがあるくらい体育会系にはよくある話。

    ちなみに私はアキ先輩の立場でした。
    でもって、有斗の立場の後輩はオリンピックにではりました・・・。ひー<


    そのせいか、彰彦の吐露は重かったな~。
    家庭における子どもの役割とか、親として去勢を張りたいとか、そういうのもわからなくもないけど、それより、太刀打ちできないほどの有斗の才能の前に、逃げ出そうとしている彰彦にジーンとしてしまったわ。

    嫉妬する相手に認めてもらえるって、うれしいんだけど、複雑やんね。
    抜けるに抜け出せない深みが見える。
    もう自分には叶わないのだと、さっさと諦めてしまえれば楽なのに、自分を諦めさせた当の本人が、
    「あなたがいい」
    と、求めてくるというこのループ。

    わかるわー。
    なんやろ、わかるわー。

    私は逃げ出したほうの人なんやけれどもね(笑)、じつはまた違う場面で、違う相手に似たような猛アタックを受けている。
    今度は逃げ出さないで立ち向かってみようかなあ、と、思っている矢先やったので、なんだかどんときたわ。

    ちなみにその立ち向かう日は、6月19日。おっともうすぐやん!

    ごもっともすぎる・・・。

    なんやろう、著者はチョイチョイオタクについて言及してくるけど・・・(笑)。
    いいんやけど、こっち方向に振り切れた話も面白そう(あ、それが「秋葉原」か)。


    そして、いつものあれやけれども、作中で登場する料理がおいしそう~!!
    すごいぞ、望。
    普段は優しくて、おっとりしてるのにキレると怖いとか・・・。

    そういう子に育てたい(誰を?)。

    でも、いちいち可愛いアイテムを放り込んでくるよ?
    ファッと家で羽織るパーカーが「もこもこ」である必要はないでしょうよ、望!! 可愛いわ!!

    そういう王道「可愛いアイテム」が似合う子も、嫌いではないです。(何の宣言)

    それにしても、朝ごはんかあ~。
    もれなく私も、起き抜けすぐには食べれないし、朝の用事で一番あとまわしにするのが自分の朝食なんやけれども、たまに外泊して豪華な朝ごはんが待ってるときは、めっちゃ嬉しいよなあ。
    朝からおいしいものが食べられるって、いいよなあ・・・。

    (2016.06.11)

  • 読んだことないと思うのだけれど、なぜか読んだことがあるような気がする…

    神楽坂人情物語。
    料理を作ることを楽しみにできる人を尊敬します。
    ここ1年以上まともに包丁握ったことないや。

    非日常に叩き込まれた友人を救う日常を描くとともに、メディア(ネット含む)の無神経さも描いているわけですけど、ここに関しては全くもって変化ないなあと思う次第。
    特にネットは、なんていうか。
    もうダメじゃね、この世の中。

  • うーん?・・・

  • 西條奈加氏の小説は、市井モノを中心にファンタジーやSFなどその分野は多岐にわたるのだけど、これは氏の中では珍しい現代モノ。

    とは言っても神楽坂を舞台とした市井モノに近いテイストのお話で、「無花果の実のなるころに お蔦さんの神楽坂日記」の続編。

    前作は「人が死なない」軽い連作ミステリーだったけど、本作はキチンと死人の出る本格?長編ミステリー。

    でもミステリーというより、やはりお蔦さんを中心とした人と人との繋がりが読みどころになってしまう.....という意味では前作の方が、西條奈加らしい作品なのだろう。

    それにしても氏の作品は安心して読める......心が疲れている時に読むべきなのは、こういう小説なのだろう。

  • 第2弾がいつの間にか出ていた。
    今回は大量の血痕と消えた家族、というぞくぞくする冒頭からの見事な長編であった。

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著者プロフィール

1964年北海道生まれ。2005年『金春屋ゴメス』で第17回日本ファンタジーノベル大賞を受賞し、デビュー。12年『涅槃の雪』で第18回中山義秀文学賞、15年『まるまるの毬』で第36回吉川英治文学新人賞、21年『心淋し川』で第164回直木賞を受賞。著書に『九十九藤』『ごんたくれ』『猫の傀儡』『銀杏手ならい』『無暁の鈴』『曲亭の家』『秋葉原先留交番ゆうれい付き』『隠居すごろく』など多数。

「2023年 『隠居おてだま』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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