- Amazon.co.jp ・本 (286ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488490096
感想・レビュー・書評
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ある日、新聞広告に「体験した奇談」を募集する、と広告が出る。不思議な体験をした事のある人がそれに応募すると、Strawberry Hill というBARに呼び出され、奇談蒐集家 恵美酒 一 とその助手 氷坂にその体験を語る。
もしも本当にまか不思議な話しならば謝礼は弾むという話だが、助手の氷坂に次々と謎を解かれてしまう。
そういうお話の短編集。やってくる人々は大学の教授だったり、歌手にサラリーマンや主婦、はては小学生だったりと様々。
この作家さん、20年位前に読んだことあったかな……? 時計の話。ちょっとうろ覚えです。
シュチエーションが面白そうで購入しました。体験したお話はそれぞれ面白いのだけれど、ばっさばっさと氷坂にさばかれてしまって、少し興ざめっぽく感じてしまいました。
確かにそう考えれば謎は解けるけれどね~、なにも確証はないしスッキリしないな……
と、思ったら。
なる程! 最後の一話はそうきましたか!
つまり、その恵美酒の、氷坂の目的はそこにありましたか。。。
目的が違えば見えてくる風景も違うわけで……!
少し意表を突かれましたね!詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
高額報酬を約束する奇談蒐集家の元へ次々と人々が訪れ、それぞれが体験した奇談を語っていく、というスタイルの連作短編集。謎深き話に喜ぶ蒐集家だが、それぞれの短編の終わりには必ず彼のアシスタントが陳腐な謎を解き明かしてしまう。最終話で全てにまとまりが与えられる点が矢張り連作短編集の醍醐味だと思った。ただ、アシスタントによる種明かしが毎度突飛過ぎて面白くなかった。読者も謎解きに参加できるようもう少しヒントとなるものを提示しても良かった気がする。
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見事な構成と仕掛けの連作短編集。
strawberry hillという酒場で不可思議な話を蒐集する恵美酒という怪しい人物とその助手の氷坂。酒場を訪れ不可思議な話を披露する人々。その話が二人の審査を通過すれば、高額報酬が待っている。しかし、どの話も最後には助手の氷坂が看破してしまう。
まるで、アイザック・アシモフの『黒後家蜘蛛の会』のような作品。助手の氷坂が、ヘンリーの役回り。
どの短編もそれぞれが面白いのであるが、最終話で驚愕する。ウイリアム・ヒョーツバーグの『堕ちる天使』を読んだ時のような衝撃が…
やられた! -
連作短編集。
途中で一度読むのを中断した本。
作中で語られる奇談が、最後に氷坂によって現実的解釈を与えられるのですが、その解釈が真実かどうかは定かではない。
エピソードひとつひとつはもうひとつ。
最後の短編で今までの話が集約し、また曖昧になる。これはよかった。
とりあえずは最後まで読むことをおすすめします。
解説を読んでなるほどと思いました。 -
連作短編集 7編収録
『自ら体験した不可思議な話、求む。高額報酬進呈。ただし審査あり。』
自身の体験談を語る彼等の話は奇談なのか、それとも…。
幻想的で不可思議な話のはずが、奇談の裏に隠された謎をことごとく解いていく安楽椅子探偵。探偵が解いた答えは真実なのか。
「不器用な魔術師」「冬薔薇の館」「金眼銀眼邪眼」が好み。予想がつくものもありますが、なかなかやってくれます。謎は謎のまま置いておいても、と思いつつ読んでいて、ラストまで読んで納得。 成程、こう来ましたか。
日常に飽きて、変化を求めるなら是非。 -
【求む奇談!自分が体験した不可思議な話を話してくれた方に高額報酬進呈。ただし審査あり】
そんな広告に惹かれ、自らの不思議な体験を話しにやってくる6人の客を迎えるのは、奇談蒐集家と名乗る男と、性別不詳の美しい助手。果たして彼らが語る体験話は、奇談と認められるのか――。
連作短編集です。タイトル買いでしたが正解でした。シリーズ化したら面白そうだけど、最後を読んだ感じだとないのかな…。「不器用な魔術師」が一番好き。 -
江戸川乱歩臭がよかったこの作品。
結構期待外れとか叩かれているみたいだけど、そもそも
探偵もの、という風に捉えずに雰囲気を味わってみれば
楽しめるんじゃないかな。特に最初の影を恐れる男なんてのは
江戸川乱歩風だよねぇ。 -
うーん、なんかイマイチだった。本来ミステリ系の作家さんのようですが、これは中途半端に幻想系混ぜてあって、しかも幻想ファンからもミステリファンからも文句出るパターンぽい(苦笑)。個人的には幻想系期待して読んだので、ラストのオチはまあまあ良いかと思うんですが、ただそれに至るまでは正直なんじゃこりゃ不満たらたら状態で、あやうく途中で投げ出すとこでした。
奇談を集めるのが趣味の謎の男が出した広告を見た人が、自身の奇談を語りにとあるバーを訪れる、というのが各話の導入なんですが、そもそも語られている奇談の内容がツッコミどころ満載で、案の定語り終わった後に、男の秘書みたいな人物が、その「謎解き」(要は奇談じゃなく現実的な裏づけをする)をして、全然奇談じゃないじゃん、話した方も聞いた方もガッカリ、というオチが来るのがお約束のパターン。だいたいどの話も、この秘書ならずとも簡単に犯人わかる程度の奇談だし、それを暴露することによって誰も幸せになれない(奇談だと信じてるほうが幸せならそれでいいのに)し、秘書の謎解き自体も実際は憶測の域を出ないわけで、それを否定することも逆に可能なレベル。最終エピソードで軽いどんでん返しがあったのでマシでしたが、それがなければ、えんえんこの低レベルの謎解きが続くのかと思って正直うんざりしました。本屋がポップとかつけて推してたので騙されたんだけど、このレベルのもの薦めてるようじゃ書店員も信用できないなあとか余計なとこまで不満でした(苦笑)。 -
奇談を集める不思議な収集家の元に集った人々の話。
奇談収集家と、その付き人のキャラが良い。一つ一つの奇談は、イマイチかなあと思っていたけど、最後の話で、それぞれのエピソードが愛しく思えた。
最後に、井上雅彦さんが納得の解説をされてます。すごくしっくりきて、もう一度読み返したくなった。 -
奇談というほどではない。勝手にもっと幻想的なものだと思っていた。
スラスラ読める。