読書の技法

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  • 東洋経済新報社
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  • Amazon.co.jp ・本 (279ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784492044698

感想・レビュー・書評

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  • 多読速読について知りたくて読書。

    読書の目的を明確にすることの重要性をリマインド。情報、知識を得るための読書と娯楽のための読書を明確に分離させる。

    速読の目的は、熟読するべき本を探すための選別作業。

    感想を残すること、まとめることで知識を定着化させる。

    『クレヨンしんちゃん』などを真面目に評論している下りが面白い。

    基本的に著者がしかめっ面で腕組んでいるような表紙の本は手に取らない(もろもろ理由あり)が、著者の本は初めて読ませてもらった。

    率直な感想は、超人過ぎて真似できない。自分にとっては再現性は低いものが多数だったが、著者でも毎日4~6時間も読書へ当てているのがすごいと驚嘆した。

    速読を応用して外国語学習を再開したい。

    読書時間:約45分

  • 最近仕事をしていて、メモをすること、ノートを取ることの重要性をようやく実感として感じられるようになってきた。これまでも様々な方からメモをとることの重要性を教わってきたし、また自分自身でも「メモを取ることは大切だ」と思っていたが、それは偏にそのように指導されてきたからであって、自分の実感に基づくものではなかったように思う。
    社会人になると学生の時ほど時間に余裕がないし、またすぐに頭を(論点などを)切り替えなければならない場面が頻繁に出てくる。そのような経験を積み重ねる中で、自分の思考もある種の非連続的な側面があると感じるようになった。昨日の自分と今の自分は違うものだし、極端なことを言えばさっきの自分と今の自分もやはり完全に同じ存在ではない。であるとすれば、必要なものについては、今と異なる”自分”に対して何かしらの痕跡を残しておかなければならない。
    また最近は、一つ一つのアクションに対して、学生の時とは比較にならないほどコミットしていることに気付く。つまり、意味のないことはしない、それぞれのアクションには、それ相応の覚悟を持っているということだ。
    メモにしても、以前は漫然とメモを取っていたが、今は一つ一つのメモに「なぜその記述をするのか」という自覚を伴っているケースが多くなっている。
    読書も同じようなものかもしれない。これまでは漫然と知的好奇心に基づいて読むことが多かったが、娯楽としての読書は別としても、目的を持った読書であれば、やはりもっとテクニカルに、多量に読みこなしていく必要があると感じた(精読すべき著書とのバランス、見極めも重要)。
    著書を通して感じたことは、速読とは①前提となる基礎的知識を有した上での②高度な情報の取捨選択であるということである。決してごく一部の人間のみが有することのできる特殊な技能ではない(相応の努力は必要だけど)。速読をしている人はそもそも「本を読む」ということに対しての考え方が異なるのだと感じる。自分もこれまでの読書の仕方を少し見直してみたい。

  • 読書の基本を教えてくれる一冊。基礎知識がいかに重要か教えてくれる。基礎知識の重要性はある程度分野について詳しくないと気づけなくて軽視してしまいがちだが、知識の巨人の佐藤さんが語ると説得力が増す。読んで満足せずに、佐藤さんの読書方法を実践していきたい

  • 筆者の本の読み方を具体的に書いてくれている本。
    基礎知識がないと速読はできず、基礎知識は熟読でしか得られないという、至極当たり前のことに改めて気がつかされた。またいきなり難しいことを身につけようと欲張らず、自分の学力を客観的に捉える必要があるという指摘には、耳が痛い。基礎知識は我慢して時間をかけてつけないといけない。
    (やり方は本書を読んでいただくとして、)超速読(1冊5分)で熟読するか、速読(1冊あたり1時間)するか、超速読だけに済ませるかを仕分けする方法を紹介している。
    が、超速読で切り捨てる本をどれだけ持てるかは、それまでの知識量によるのだろうなと思う。速読と熟読の本を仕分けることや、読書ノートをつける(記録をする)ことは真似したい。

  • 著者の読書を含む「時間」に対する考え方に圧倒される
    全ての時間を自分の考え方に当てはめて無駄に過ごさないことを徹底しているように感じた
    最後の部分にそれらに関する著述があり、熟読や速読の方法が書かれた最初の部分より印象に残った

  • 著者でも、熟読できる本には制限があると書いてあってなぞに安心。そりゃそうですよね。

    NEW出口の現代文講義の実況中継が気になりすぎる!

  • 佐藤優の読書法がひたすら書いてある本。第一章の文章がまとまっていた。「基礎知識は熟読によってしか身につけることはできない。しかし、熟読できる本の数は限られている。そのため、熟読する本を絞り込む、時間を確保するための本の精査として、速読が必要になるのである。」

    以下参考になった点
    基本書は奇数。初読はシャーペンで線引き・囲み、結論を自分なりにまとめる(今やってる作業)
    速読は気になる点だけ印。
    高校の基礎知識は超大事!!
    漫画は「代理経験」「人間関係の縮図」

    読書録を付け始めて一冊への向き合い方が真剣になったし、エッセンスも頭の中に残りやすくなった。自分は速読は好きではないが、知識獲得としての手段ならしょうがない(これからそういう場面がでてくる)ので頑張りたい。

    とりあえず受験勉強は知への近道

    2021/12

  • 知識量からくる考察の深さが見れる。読書のまとめ方も方法論だけでなく、例題を多く記載していて良いと思った。ただ、その例題として記載しているまとめの内容が難しすぎるため読み進めていくのがキツイ。
    教養に関する部分は、自分が勉強するタイミングで一つずつ読んでいかないと無理だと思った。

    正しいと思っていることが刷り込みであることもある。基本書は3、5冊読むようにする。
    読書のまとめは、30分や60分など時間を区切って行い、それ以上は時間をかけないようにする。
    自分の意見や感想を追加する。〇〇の言説と対立している、など。
    小説は自分で経験できないことを経験してる人の心理や誘惑を知るための代理体験として読む。
    夜中や疲れているときは、基本書の読み直しや復習のために使う。

  • 基本書を3回、結論3回、3冊読んでベースを作る

    テレビのニュースを見ても、わからないことがある。特に、海外情勢や貿易、為替の話題になるとちんぷん、かんぷん…
    その理由は、高校までの政治経済や歴史の知識が足りなかったからなんだと痛感。あいたたた…今から、基本教科の底上げを図りたいところです。自分の子供には二の舞を踏まぬよう、先を見て道標を作ってあげられるかもと、ちょっぴりワクワクもしています。

    本書は、0からでも世界史の学力を上げる方法が具体的に書いてあり、やる気を起こさせてくれます。

    また、著者の睡眠についての記述を参考にしたところ、睡眠時間が6時間くらいに収まり、高い集中力をキープできています。

    読みたい本ややりたい事が沢山あり、時間が足りないと感じる方は、一読の価値があると思います。

  • タイトルが「速読の技法」ではない点が絶妙である。
    速読は本当に必要で熟読する必要がある本を選ぶためにすることで、本当に必要な熟読は月に3〜4冊、読書ノートをきちんと作りながらするくらいきちんとする、という感じらしい。

    個人的には、基礎知識をつけるための説明に語学がなかったのが残念
    また、読書の技法とあまり関係ない世界史の説明とか日本史の説明とか、民族学の話とかの知識要素はとりあえず読み飛ばしで
    キンドルでの初読書だが、ハイライト付けつつ、この文章を書きながらちょうど1時間という感じで、まあちょうどいいくらいかな?

    【読書メモ】
    ・難しい本には2種類ある。1つはでたらめな本、もう1つは基礎知識がないと理解できない専門書である。
    ・読書には高校教科書レベルの基礎知識をつけておくことが最も確実で効果的である。
    ・例えばロシアで仕事をする場合、ロシア語文法を日本人の先生から200時間くらいきちんと教わり1500語くらいの日常生活に必要な単語を丸暗記すると、日常生活には困らない。仕事では通訳を雇うか、基本的には英語で通じるので高校レベルの英語を復習する。
    ・ざっと目を通するもの、読まないで済ませるもの、熟読するものに仕分ける。
    ・熟読は1月に3〜4冊しかできない。それ以外の本は速読せざるえない。
    ・本には、「カンタンに読むことが出来る本」「そこそこ時間がかかる本」「ものすごく時間がかかる本」の3種類がある。
    ・速読の目的は、読まなくてもより本を弾き出すこと。
    ・熟読の要諦は3回読むこと:1回目線を引きながら通読、2回目ノートに重要箇所の抜書、3回目再度通読。
    ・普通の速読:完璧主義を捨て、目的意識を明確にする。
    ・読書ノート作成で大切なことは、正確な形でデータを引き出せること、積み重ねた知識を定着させること。
    ・歴史小説で歴史を勉強してはいけない
    ・マンガは動機付けには使えるが知識を身につけるものではない。
    ・必要な情報を拾い上げる速読と、楽しんで読む小説とは、基本的に相容れない。

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著者プロフィール

1960年1月18日、東京都生まれ。1985年同志社大学大学院神学研究科修了 (神学修士)。1985年に外務省入省。英国、ロシアなどに勤務。2002年5月に鈴木宗男事件に連座し、2009年6月に執行猶予付き有罪確定。2013年6月に執行猶予期間を満了し、刑の言い渡しが効力を失った。『国家の罠―外務省のラスプーチンと呼ばれて―』(新潮社)、『自壊する帝国』(新潮社)、『交渉術』(文藝春秋)などの作品がある。

「2023年 『三人の女 二〇世紀の春 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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