コーヒーとサンドイッチの法則

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  • 東洋経済新報社
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  • Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784492556252

作品紹介・あらすじ

忙しい毎日を送りつつも、もっとビジネスを成長させたいと望む経営者や、大きな利益を生み出すことに強い関心のある向上心の強いビジネスパーソンが、スムーズにビジネスの真の姿を見通すことができるようになる上で重要な「利益のポイント」を紹介。

感想・レビュー・書評

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  • 「損する」顧客を「儲かる」顧客へと変えることだ。(p32 5行目~)
     ・プロセスを改善させる
     ・利益が出るように顧客との関係性を変える
     ・価格を変更する
    3つのプロセスで顧客に対し負担を強いない様にいろいろな工夫を考えるべきだ。
    「買う側」の立場になると、その物、サービスが受けられない場合のデメリットが見えてくる。
    顧客からの視点からニーズを考え取り入れていけるようにしていきたい。

    満足している顧客の4つの特徴(p47 8行目~)
     ・満足している顧客は、何度も購入してくれる
     ・満足している顧客は、そうでない顧客よりも購入額が高くなる
     ・満足している顧客は、時間の経過とともにかかるコストが低下する
     ・満足している顧客は、その企業を他の潜在顧客に紹介してくれる
    「顧客主体」の満足度を高める事で引き出せると考えられる。
    目先の利益を優先するよりも、先々へとつながる信用、安心を売っていける事を目指したい。

    製品ラインを構築する4つのステップ(p93 11行目~)
     ・顧客のニーズを分析する
     ・産業全体の製品ライン戦略を分析する
     ・経営戦略とのフィットを考える
     ・収益シュミレーションをする
    事業を進めていく上ではもっとも重要な事だが、トライ&エラーばかり重ねると戦略が進まなくなる。
    長期的に見ることも経営には必要だ。

    内向きの資源(p116 1行目~)
    自分の持っている物を多角的に見ることで新たな発見がある。
    2次的、3次的な活用が大きな利益(win-win)となるニーズを掘り起こしたい。

    外向きの資源(p126 4行目~)
    自分の立地、インフラを最大限に利用する。
    「商品A」を求める顧客に対し、「商品B、C」もサービスとして認めてもらえる様に戦略を立てよう。

    コーヒーと砂糖とミルクの法則(p129 10行目)
    独りよがりになりがちな事業計画に待ったをかけてくれた。
    確かにのの通りである。
    顧客のニーズを掘り起こし、付加価値を高めたサービスの提供が必要に思われる。

    シンプロットの第一法則(p176 5行目~)
    他社の強みを利用する事で自社の利浮きにつなげ、共存共栄をはかる。
    全てを自分で行う事は不可能だ。

    適切な戦略的パートナーを選ぶことで、実績となり、信頼性を獲得することができる。(p199 3行目)
    適切な戦略的パートナーを見つける事は、自分だけでなく相手を共に成長できる可能性がある。

  • ■顧客の収益性にまつわる3つの法則
    ・20%の顧客が150~300%の利益を生み出している
    ・70%の顧客は、ブレークイーブン(収支トントン)
    ・10%の利益を生まない顧客で50~200%の利益を「失っている」

    ■顧客の収益性が議論されない理由
    ・「お客様は神様」だとされているから
    ・企業が個別の顧客の収益性についてほとんど把握できていないから

    ■満足している顧客の4つの特徴
    ①満足している顧客は、何度も購入してくれる
    ②満足している顧客は、そうでない顧客よりも購入額が高くなる
    ③満足している顧客は、時間の経過とともにかかるコストが低下する
    ④満足している顧客は、その企業を他の潜在顧客に紹介してくれる

    ■顧客維持率を高める4つの方法
    ①顧客満足
    ②ロイヤリティ・プログラム/特別なサービス、プロモーション
    ③スイッチングコスト
    ④失った顧客を取り戻す

  • 会社の利益の出し方(儲け方)について書いてある本です。

    知識系の本なので知っている内容は(ふーん)って感じです。

    ただ後半の章は知らないことが多く載っていて、

    ・自動車ディーラー (自動車売ることではあまり儲からない)
    ・ホテル (宿泊ではあまり儲からない)
    ・保険会社 (保険ではあまり儲からない)
    ・マック (ハンバーガーはあまり儲からない)
    ・ソフトウェア会社 (ソフトではあまり儲からない)

    といった会社の仕組みを知ることができたのはとても勉強になりました。

  • 少し古い本だけどビジネスの基本を学ぶということで読んでみた。

    まぁ、基本だからそのとおりだねという内容で特に目新しい内容はなかったかな。

    あらためてキャッシュフローと戦略的な提携の大切さを感じた。コーヒーとサンドイッチは、まぁそうだろうな、という程度。

    本著のいいところは要所でどうぶつなどを出してわかりやすい比喩で表現してくれているところかな。

  • 新規顧客の獲得コストはリピート顧客の維持コストの5倍がかかるといった話、「範囲の経済」を活かし、コーヒーを買いに来た客にサンドイッチも売るという話(本書のタイトルになっている)は、経営戦略論としては当たり前の話で、その点は特筆すべきものはない。本書の優れている点は、身近な事例(スターバックスやホテルなど)を豊富に取り揃えているところである。

    一つ一つの事例は、本書に寄らなくとも聞きかじったことのあるものが多い。しかし、定量的な分析を行い、裏づけを簡潔に立証しているわけではなかった(恐らく、証券アナリストたちが幾度となく既に分析済みであろう)。

    本書の優れている点は、財務諸表や有価証券報告書などのIR情報を読み解いて定量的に分析した上で、それを分かりやすく物語に綴っていることである。

    まだ社会に出て幾年も経っていない27歳の若者が本書を書き上げていることに驚嘆する。

    かのドラッカー氏の処女作が29歳の時であったことを考えると、後に大成する人は、20代のうちに頭角を現すのだろうか。

    <hr>
    目次
    第一章 忙しいのに、儲からないのはなぜか?顧客収益性戦略
    第二章 仕事をしなくても、儲ける人がいるのはなぜか?顧客維持戦略
    第三章 同じく車なのに、グレードが複数あるのはなぜか?製品ライン戦略
    第四章 喫茶店でサンドイッチを売っているのはなぜか? 範囲の経済戦略
    第五章 保険引受で赤字の保健会社が利益を出すのはなぜか?
    第六章 なぜ、多くの会社が、よく提携をするのか?

    読書メモ
    第一章
    39 最後にすべきことー「顧客をクビ」にする

    第二章
    47 満足している顧客の4つの特徴
      ?何度も購入してくれる
      ?そうでない顧客よりも購入額が高くなる
      ?時間の経過とともにかかるコストが低下する
      ?その企業を他の潜在顧客に紹介してくれる
    57 顧客の平均継続期間を5年から6年へと1年延ばすと、顧客の生涯価値は25〜85%増加
    62 フィリップ・コトラーによれば、企業のマーケティング予算の70%が、新規顧客の獲得に向けられている。
    63 顧客維持を高める4つの方法
      ?顧客満足
      ?ロイヤルティ・プログラム
      ?スイッチングコスト
      ?失った顧客を取り戻す

    第三章
    80 両極回避:選択肢が3つあれば、真ん中が一番安全そうに見える

    第四章
    108 範囲の経済:既存の資源を活用することで費用を節約しつつ売上を増加させること。相乗効果とも呼ばれる。

    121 ホテルの運営方式
     賃貸借契約 例:ザ・リッツ・カールトン東京
      オーナー :不動産
      ホテル会社:損益の帰属、従業員、人事・運営権、ブランド
     マネジメント契約 例:パークハイアット東京
      オーナー :不動産、損益の帰属、従業員
      ホテル会社:人事・運営権、ブランド
     フランチャイズ 例:フォーシーズン椿山荘
      オーナー :不動産、損益の帰属、従業員、人事・運営権
      ホテル会社:ブランド
     所有直営    例:帝国ホテル
      オーナー :すべて
    122 ヒルトン・ホテル:所有直営60、リース203、運営委託343、フランチャイズ2242(2006年)

    125 藤沢薬品工業のプログラフの売上
     適応:肝移植>骨髄移植>腎移植>重症筋無力症>心移値>肺移値>関節リウマチ>膵移値>ループス腎炎
     発売国:国内のみ>世界80カ国

    128 日本マクドナルド:サンドイッチ41.3%、ポテトを含むデザート:29%、ドリンク:21%、
       ブレックファースト:3.9%、ブレックファーストデザート:2.7%
    131 コーヒーと砂糖とミルクの第一法則
      自分の考えていることと顧客の考えていることは必ずしも一致しない。
      コーヒーと砂糖とミルクの第二法則
      顧客は、自分のその製品だけが欲しいとはかぎらない。

    133 クレジットカード業界(2006年)
      加盟店手数料27.5%、年会費7.9%、会員からの手数料8.7%、金利56%
    134 自動車ディーラー
      新車・中古車部門の売上高営業利益率:10%前後
      サービス業務の売上高営業利益率:38.1%
      1社平均(百万円、平成18年度、社団法人日本自動車販売協会連合会)
      売上:   新車6574、中古車1403、サービス・部品1951、その他142、合計10072
      売上総利益:新車582、中古車195、サービス・部品744、その他17、合計1539
      収入手数料:559
    137 オリエンタルランド
      客単価:チケット4226円、商品販売3096円、飲食販売2048円、合計9370円

    第五章
    158 フロート:ほぼ無コストで資金調達を行う方法
      保険会社:保険料を徴収>運用して利益を得る。
      ウォルマートのビジネス・タイムライン:
       仕入〜配送トラックが店舗に到着
       〜店舗の棚に置かれる:4時間
       〜販売・現金化:28時間
       〜仕入代金を支払う:約8日間
      デルのキャッシュ・コンバージョン・サイクル(2008年2月1日)
       A.売掛金回転期間 :36日
       B.在庫回転期間  :8日
       C.買掛金回転期間 :80日
       D.現金回転期間  :36日(D=C-A-B)
      スポーツクラブなど:年間一括払い

  • 様々な業界・企業の収益について紹介した本。

  • 損する顧客を儲かる顧客に転換させる方法として、
    1.プロセスを改善させる
    2.利益が出るように顧客との関係性を変える
    3.価格を変更する

  • それなりです。

  • 前回見た」年収3000万を実現した…」もそうだけど、統計を元にした検証結果を反映させるビジネスの読み解き方は、目を見張る物がある。

    ・同じ車なのにグレードが複数あるのはなぜか?

    ・喫茶店でサンドウィッチを売っているのはなぜか?

    ・保険引き受けで赤字の保険会社が利益を出すのはなぜか?

    ・なぜ多くの会社がよく提携するのか?

    について主に言及している。

  • タイトルの軽さとは裏腹にビジネスにおいて必要だとされる事(顧客選別、価格設定、プロセス改善等)が寓話を交えて書かれています。基本を再確認させられます。

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著者プロフィール

1963年愛知県生まれ。文筆家、歴史探訪家。
地図や鉄道、近現代史をライフワークに取材・執筆を行う。
著書に『妙な線路大研究 東京篇』(実業之日本社)、『鉄道歴史散歩』(宝島社)、『ふしぎな鉄道路線』(NHK出版)、『地図と愉しむ東京歴史散歩』シリーズ(中央公論新社)など多数。

「2021年 『妙な線路大研究 首都圏篇』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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