そういうものだろ、仕事っていうのは
- 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版 (2011年2月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (318ページ)
- / ISBN・EAN: 9784532171049
感想・レビュー・書評
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仕事とは。人生とは。色々考えさせられた。いちばん面白かったのは、「ホームにて、蕎麦。」(重松清)だか、来春から社会人になるわたしにとってなるほどなあと思えたのは「職場の作法」(津村記久子)だった。
「あの日。この日。そして。」(野中柊)もほわほわした雰囲気が好みだったし、「ハート・オブ・ゴールド」(石田衣良)も深いなあと感じた。タイトルにびびびと来たのは「きみがつらいのは、まだあきらめていないから」(盛田隆二)だった。
盛りだくさん、大満足の一冊だ。
☆お気に入りのフレーズ☆
・どんな扱いを受けても自尊心は失わないこと。またそれを保ってると自分が納得できるように振る舞うこと。
・不誠実さにな適度な不誠実さで応えてもいいけれど、誠実さに対しては全力を尽くすこと。
職場の作法-ブラックボックス-/津村記久子
2013.07.18詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
6人の人気作家が日経Web刊で「働く」をキーワードに競作した短編小説。
重松清さんの「ホームにて、蕎麦。」凄く良かったな~
こういう話は本当に心の奥まで温かい気持ちになります。
これこそタイトル通りの内容だと思います。
最後の「職場の作法」は本当にリアルにあるような事。
どれも些細な事なんだけど、共感得られますね。
あとは好きだった人の会社が倒産して、彼は去っていく話や、
勤続十年で、1人沖縄旅行に出かける話、作家を目指してたものの好きだった熱帯魚の会社に勤め、のちにはちゃんと作家になる話や、銀行員がうつになりかかって、妻との関係を再確認する話。
みんな人生、小説のように波乱万丈に生きてるんですよね。
いろいろ悩み苦しむ事が生きてるって事なんでしょう。 -
休む勇気 大事にしていこう
オンオン じゃ、しんどいで
また蕎麦屋にいこう -
仕事ってのは。
何なんでしょうね(笑)著名な方々の短編小説。興味深いものもあれば、そうでないものもありで、感想がうまくまとまりません。
ホームにて、蕎麦/重松清
定年退職した父親が突然そば屋のチェーン店でバイトをすると言い出す物語。構成が緻密で、人生の栄枯盛衰を考えさせる作品。仕事の失敗をどう昇華していくのか、また、第二の人生を直向きに仕事に取り組む姿には感動を覚えます。
あの日。この日。そして。/野中柊
あまり記憶に残らなかったので、感想はカット(笑)
ハート・オブ・ゴールド/石田衣良
金を持っているだけでは幸せになれない。仕事とは金を稼ぐために理不尽な事にも耐えなければならないが、仕事を通じて誰かと繋がっているというのは、何物にも変えがたいものであると教えてくれる作品。まぁ、それはそうなんだけれども、結局、仕事とプライベートのバランスが悪すぎるんですよね。程々に仕事をして、程々に遊ぶ。これが大事なんだけど……。引きこもりだけどデイトレで巨万の富を得た青年は、『仕事に行って、同僚と飲みに行ったり社内行事に参加したい』と言い、片や主人公はあくせく働いても安月給。そこに多少の不公平さを感じるんですが、仕事って何だろうなぁとやっぱり思っちゃいます。
バルセロナの窓/大崎善生
これもあんまり覚えていないので感想はカット(笑)まぁ何と言うか、『斜陽』という言葉がぴったりな作品だなと思いました。
きみがつらいのは、まだあきらめていないから/盛田隆二
これは怖い!
仕事の重責に必死に耐えようとする主人公。『二千万円返せ!』が頭から離れない…金融マンの苦労をまざまざと見せつけられました。その不安から逃れようと妻にすがろうとするも、うまくいかず…。人生のどん底で苦しみ、自分はうつ病ではないか?と不安感いっぱいのまま、で物語は終わりです。
この歯切れの悪さがまた後味を悪くしています。単純なストーリーで淡々としていますが、このやるせなさを『そういうものだろ、仕事ってのは。』と一言で片付けられる理不尽さは恐ろしいです。
職場の作法/津村記久子
職場での何気ない一小間を描いた何気ない作品。おもてに表れない感情や言葉を表現し、本音と建前を使い分けています。
職場ではよくあることで、それを敢えて小説で表現しているところに作者の力量が窺えます。過小表現もせず過大表現もせず、等身大に映す筆致には刮目しますが、有り体に言えばつまらないです(笑)
面白かった順に言えば、
①ホームにて、蕎麦
②きみがつらいのは、まだあきらめていないから
③ハート・オブ・ゴールド
④職場の作法
⑤バルセロナの窓
⑥あの日。この日。そして。
でしょうか。
読後感がすっきりするわけではないので(タイトルを見れば察しがつきますが…)、爽やかさを求めて本書を手に取ると落胆します。
全体的には面白かったので、僕の評価はA-にします。 -
短編小説集。意外とつまらなかった。考えさせられるところもなく、何というか、サラリーマンならどこかで経験したことがあるような感情や出来事が綴られていて、でもそれが表面的な感じがして、ただの出来事としか読めなかった。
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6人の作者による仕事物語の短編集。
津村記久子さんの書く仕事物が大好物なので読んだ。
民間企業の話ばかりで、新鮮だった。
やはり津村さんのが一番好きだ。とりたてて個性的な登場人物像ではないのに、なんだろうやはり描き方か。いるいるこういうやつー、と同調しやすい。淡々としているのに、ぶふっと吹き出すことも。ううむおもしろい。
うちの職場も、パンデミックで休みにならないかな! -
最後のOL目線作品は感情移入できませんが、他の五作は中年サラリーマンのハートわし掴みって感じでした。
父の苦労を思いながら、同じ経験を重ね。沖縄ビーチのバカンスに憧れ、40過ぎ脱サラの成功者になり、天国の父に報告する。
現実は、成功するわけもなく、真剣ゆえ世情に翻弄され、病んでしまう。
小説の良いところは、妻の支えがあったり、わかりあえたり、家庭に救いがあるところだな。
この本の良いところは、字が大きくて読みやすいところだ。 -
6人の小説家さんの仕事にまつわるお話があつまっています。
「ホームにて、蕎麦」 重松清
なにげないけど、そうか、ホームにある蕎麦屋さん、
サラリーマンさんにとって、ある意味、かけがえのないものだったり、
癒しだったりするのかな・・・
ちょっとしたサービスが心の支えになったりするのね、
お父さんが定年後、蕎麦屋の店員になるってそういうことだったのね、
と、ふと空を見たくなるようなお話でした。
どのお話もそれなりに、よかったです。 -
重松さんはやっぱりよいなあ。