- Amazon.co.jp ・本 (339ページ)
- / ISBN・EAN: 9784560070512
感想・レビュー・書評
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マイニューヨークダイアリーという映画を見た。
その映画の中で主人公は、ライ麦畑でつかまえての著者、サリンジャー宛に届いたさまざまなファンレターを読む。鑑賞し終わったあとに、本屋に向かって、早速、本棚からライ麦畑でつかまえてを手に取り、レジへ向かった。
ライ麦畑でつかまえて
知ってはいたけど、内容までは知らなくて、イメージ的にライ麦畑で少年時代に遊んだりした話かなと思ってたが、全然違った。
けっこう読みやすくて、あっという間に読み終わった。
最初は主人公はちょっとひねくれてて斜めから物事を見ているように受け取ったけど、純粋だから大人の汚さや、同級生の残酷さ、世の中の理不尽さに傷ついて、嫌気がさしたんだと思った。
自分より格上と思った人には愛想を振り撒き、格下と思った人には冷たい態度をとる先生。
不正なことで金儲けをしているのに、学校に寄付したというだけで、講演を依頼された人。
いろんな人がいる。そんな中で生きていかなきゃいけない。
それでも、いい人はいる。そう信じて。
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高校時代、受験勉強に突入する前に
授業をサボって帰ったりしていた頃に読んだ本。
それなりにいろいろ悩みがあり
尾崎豊なぞ聞いている高校生だった。
学校を退学になって
家に帰るか家出するかで悩む道すがら
主人公ホールデンは大人の矛盾や汚さを見る。
純粋無垢なままで
大人になることはできないのかもしれないが
ホールデンは純粋な不器用な大人になることを
選んだのだろう。
挫折とかモラトリアムとか
自分にとってのそういう時期に
この本と出会えてよかった。
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名作だと聞いて一回は読んでおこうと思い、購入。
とにかく文字数が多くて段落が少ないから、びっしり並んだ文字をひたすら読んでいく感じ。英語を和訳した小説なので途中で知らない表現や、聞き馴染みのない喋り方に「ん?」とつまずくところもあった。
大きな展開はなく淡々と進んでいくので途中でダレてちょっと読み飛ばしてみたりするもなんとか読了。
結果的には特に心を大きく動かされた感覚はないが、何かしら心に与えてくれたという感想である。
とにかく世の中の理不尽や納得できないことに不平不満を垂れながらも必死に生きる主人公。それは主人公の先天的な障害もあるのだがこんな世の中は間違っている、と噛みつきまくる。最後には1人で生きていくことを決意するも、最愛の妹がメリーゴーランドで遊ぶ様子に心を打たれ、決意を改める。
解釈は難しいが、その広義的なテーマや共感できるポイントが多いからこそこの本は今でも残り続けているんだなぁと勝手に納得。これの令和版が「推し、燃ゆ」と言われているのも主人公が世の中に馴染めない点で頷ける。
なんとなく皆の心にはあるものだけどちょっとやそっとの言葉では全てを表しにくく共感されないと認識しているものを、物語を通して再認識できるのがこのライ麦畑で捕まえてなのだー。 -
表現の仕方が面白いなあ、ひねくり回してるなあ、と思いながら読んでました。そしてフィービー可愛い。
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初めて読んだ高校生の時、この本がなぜこんなに評価されているのか全然わからなかった。
歳をとって、立場も変わって改めて読んだ時、
こんな人の繊細な部分、わざわざ言葉にしようとした感性、切り抜くセンスにため息しか出なかった、脱帽。
単純に物語として読むと意味がわからないと思う、その奥にある文字にならない空気を読む。
なので、読み手の経験やそのタイミングによって感想もまた違ってくるのかなと思う。
訳者が私にはイマイチだったので、星は少な目で。
サリンジャーは言葉遊びのセンス秀逸なので、是非英語で読んでみて欲しいです。 -
村上版しか読んでないので本家の野崎版も。
誤訳と言われようが超訳と言われようが、なんといっても素晴らしいこの邦題。 -
永遠の青春小説として有名な本。
ずっと読みたくて、でもどこにも
置いておらず半分諦めていましたが、
ようやく手に入れられました。
主人公のホールデンが誰かに対して
ずっと自分の話を語り続ける文章。
その誰かはおそらく読者である
私たちなのかな、と思います。
まだ未熟な10代の若者である主人公の
社会の生きづらさや怒りを描いています。
ホールデンは世の中にいる
だいたいの人間を見下しています。
人が死んだりするミステリーでもなければ
大恋愛をするわけでもない。
ホールデンが読者に社会への反感や
クリスマス周辺に起こった出来事を
つらつらを語るだけの物語です。
なのに読みふけってしまいました。
読む年齢によって
感想は変わるだろうなと思いました。
もっと若い年齢で読んでいたら、
もっと歳をとって人生経験を積んだ上で
読んだら、全く違う感想を持つのかも。 -
この翻訳の方が、全然、村上春樹より良いですね。
自分の中学校・高校時代の、全てが嫌味と偽善に見えたあの青い時代を痛烈に思い出し、懐かしくなった。