ライ麦畑でつかまえて (白水Uブックス 51)

  • 白水社
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  • Amazon.co.jp ・本 (339ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784560070512

感想・レビュー・書評

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  • 捻くれた言葉遣いの奥にはとてもピュアな感情が隠れているホールデン。スカしてイキがってる割には周りの人々に興味津々。これも青春。
    もっと若い頃に読んでおけばよかった。
    大人になってしまった今だからホールデンを愛おしく感じた。

  • 県立図書館 1951年出版
    《きっかけ》
    題名が興味をそそる、詩があるそうだ
    アニメ「サイコパス」を見て

    《内容》
    主人公のコールフィールドホールデン16才
    病院にて
    学校を辞めた時から、恨み辛み、反感、自分のしてきたことを一人称口語的文体で吐露する話

    《感想》
    映画のスタンドバイミーを思わせる哀愁があった
    年齢的に不安定な時期で、そもそも社会に対する不信感がある
    そこへきて人間不信なことに巻き込まれる
    時代背景も少なからずあるのではないかと思った
    妹へは優しい
    これが本当の意思のような気がする

    現代でも語り継がれほど魅力的な作品ではあるものの、共感しがたく、性別の違いもあり途中から流し読みだった
    ただ主人公の心が明るくなるシーンや、ライ麦のシーンとなると、今までの嘘偽りの彼ではなく、ぱっと世界が明るくなり別世界のように詩的で文学的になる
    なんとも二面性をはらんでいるから不思議な作品だ
    ちょっと大人びた話だから、ある程度節度を持って読んでほしい
    高校生以上大人未満の人達に響き、共感するだろう

    最後にサイコパスでは、社会への反感からリスペクトをこめて引用したのではないかと思った

    《ライ麦のシーン抜粋》中略あり
    180子どもが「ライ麦畑でつかまえて」という歌を歌っているのを見ていて胸がはれるような気がしたな
    沈み込んでいた気持ちが明るくなったね
    268 「それはライ麦畑で会うならばって言うのよ」「あれは詩なのよ ロバートバーンズの」妹のフィービー
    「僕にはね、広いライ麦の畑やなんかがあってさ、そこで小さな子供たちが、みんなでなんかのゲームをしているとこが目に見えるんだよ
    何千っていう子供達がいるんだ
    大人は誰もいない、僕の他はね
    僕は危ない崖の淵に立っているんだ
    僕のやる仕事はね、誰でも崖から転がり落ちそうになったら、その子を捕まえることなんだ、つまり子供達は走っている時にどこを通っているかなんて見やしないだろうそんな時に僕は、どっからか、さっと飛び出して行ってその子を捕まえてやらなきゃならないんだ
    一日中それだけをやってればやればいいんだな
    ライ麦畑のつかまえ役、そういったものに僕はなりたいんだよ
    馬鹿げていることは知っているよ
    でも本当になりたいものと言ったらそれしかないね」

  • 『本当に僕が感動するのはだね、全部読み終わったときに、それを書いた作者が親友で、電話をかけたいときにはいつでもかけられるようだったらいいな、と、そんな気持ちを起こさせるような本だ。』

    まさしくそういう小説です。

  • 最後まで読んだら、主人公意外と嫌いじゃない
    胸がギュッとした

  • 6年ぶりの再読。以前は別訳で読んでいる。きっかけは攻殻機動隊視聴による。

    話の筋はほとんど覚えていなかったが、前回よりも内容が理解できた気がする。
    子どもから大人になることの葛藤。正義と不正との葛藤。それが本書の内容と思われる。以下の文章がその象徴であり、また攻殻機動隊とのリンクもあり個人的には非常に鮮烈な印象が残った。

    "未成熟な人間の特徴は、理想のために高貴な死を選ぼうとする点にある。これに反して成熟した人間の特徴は、理想のために卑小な生を選ぼうとする点にある。"p293

    今回、他作品との関連で読んだが、他の作品が互いに内容を深め合い、印象を強めることができるということを実感した。

    • wanpapa2517さん
      I thought what I'd do was, I'd pretend I was one of those deaf-mutes o...
      I thought what I'd do was, I'd pretend I was one of those deaf-mutes or shoud I ?

      「僕は耳と目を閉じ、口を噤んだ人間になろうと考えたんだ」「だがならざるべきか」

      ですね。私もトグサがこの文章を読んでいるシーンでこの本を購入しました。
      今も山寺宏一さんの声が頭の中でリフレインしてますw
      2022/10/02
  • 「子供たちは走ってるときにどこを通ってるかなんて見やしないだろう。そんなときに僕は、どっからか、さっととび出して行って、その子をつかまえてやらなきゃならないんだ。(中略)ライ麦畑のつかまえ役、そういったものに僕はなりたいんだよ。」
    「誰にもなんにも話さないほうがいいぜ。話せば、話に出てきた連中が現に身辺にいないのが、物足りなくなって来るんだから。」

    インチキばかりの大人の世界に絶望し、反抗を試みる思春期の少年の葛藤。どこか惨めで寂しくて、不安定な日々。

    何をやってもうまくいかない。周りは見栄と欺瞞に生きるクソッタレばかり。そんな世界を醒めた目で見つつも、振り切ることのできない優しさや過去の思い出に葛藤し、揺れ動く。

    今はまだ何も決まっていなくても、自分の向かう方向が確かではなかったとしても、その途中で新たな興味が湧いてくることだってある。もっと素敵なモノに出会えることだってある。

    物事はいつも綺麗に単純に進むものじゃない。子供から大人に変化するなかで自分自身をもう一度見直すきっかけになったし、今の心境にも重なって泣いてしまった。

    赤毛のアンのような爽やかな青春モノだと想像していたが、似て非なるテーマだったように思う。

    学生の時期に読めてよかったと思える作品。

  • 読んでてシャワー浴びて欲しくて堪らなかった

  • 思春期に、精神的に大人になったと勘違いし、周りの人たちが皆滑稽に見える男の子の心の声を文面に起こした感じ。

    正論を言われると頭が回らなくなり、気に食わないことをしている奴は全て滑稽に見える。

    私も通った道でした。

  • 自分の世界に嫌気がさした青年は当然そこを飛び出して冒険をせねばならないのだが
    彼は広く世界へ飛び出すわけでもなく、ただ大都市の消費文化の中を漂うばかり
    それもタクシーで
    村上春樹のいう何にもなれない何処へもいけない
    そんな虚無感の漂う繊細な世界観
    これを懐へ入れて街を歩けばナルシスティックな陶酔感に浸れるというのも頷ける

  • 内容に一貫性がないことと、海外文学に慣れていないためか、読むのが大変だった。
    しかし、所々青年期の気持ちに共感できる点はあった。
    これは何回か読まないと解釈するのが難しいように思う。
    最後まで読まずに返却してしまったので、また今度借りて読みたい。
    村上春樹訳のほうも気になる。

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