- Amazon.co.jp ・本 (430ページ)
- / ISBN・EAN: 9784566024113
感想・レビュー・書評
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先輩司書から勧められた本。装丁も気になっていた。6000年前の北ヨーロッパが舞台。人も動物も同等の地上の生きもの。森はどこまでも続く。その中で人間はどのように生きていたのか。著者は考古学や民俗学に造詣が深く、その時代の様子がリアルに再現されている。12歳の少年がそれまでに親から生きる術を伝授されていることに驚くし、狩猟や採集によって、たくましく生きる姿に胸を打たれる。それにしても、主人公の父が襲われたクマは、つい先ごろ、北海道で捕獲されたoso18を想起させる。oso18は牛を65頭も襲い、襲っても食べず。1巻に登場する悪霊に取り憑かれたクマと似ている。6000年前から人間にとってクマは恐ろしい生きものだったのだろう。オオカミとの絆がいい。次巻も読みたい。
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こういう話、好き。
もっと読みたい。 -
オオカミ語を操る少年の「天地万物の精霊の山」への旅
「おまえに……誓ってほしいことがある」父さんが言った。「山を見つけるんだ……〈天地万物の精霊〉が宿る山だ」。
舞台は六千年前。多くの氏族が狩猟や採集をして暮らす時代。そして、現実と幻想が交錯する時代。
悪霊に取り憑かれたクマから森や氏族たちを守るため、父さんとの誓いを守るため、オオカミ族の少年トラクは、天地万物の精霊の山への困難な旅に出かけるーー。
旅を共にするオオカミの子ウルフや、ワタリガラス族の少女レンとの間に深まっていく絆に胸が熱くなり、「予言」の謎が深まり、解き明かされていく旅に同行するのはスリリングで面白かった。
不気味な森や恐ろしい氷河の中で、知恵を働かせながら懸命に生きていくトラクたちを抑えた筆致で描いていて、静かだが激しい彼らの旅に、心を寄せながら読むことができる。
オオカミ語で会話するトラクとラルフの様子は魅力的で、時折ラルフの視点から語られるのも興味深かった。また、ワタリガラス族の族長フィン=ケディンの言葉一つ一つに重みがあり、かっこよかった。
作者は、考古学から太古の昔の氏族たちの知恵を学び、最近の狩猟採集民の暮らしから氏族たちの誕生や死についての信仰について考えを巡らせ、アイスランドやノルウェーなどに旅をしながら物語の構想を練っていったという。その話にたがわず、骨太の作品だった。 -
酒井駒子さんの装画に惹かれて手にとった。そして一晩でイッキ読み。わたくし好物の、人類学や民族学、歴史学などをふまえた冒険ファンタジーで、出鼻に起こる事件で大興奮、もうこれはページを繰る手が止まらないー‼️
ーーてヤツやってんけど、中盤からアララ残念〜チーン。。指輪物語の焼き直しジャン??
ま、でも結末がきになるから読むのやめなかったけどね。
得体の知れない邪悪なものから世界を守るため、選ばれた少年が、小さく弱い子どもながら、敵を倒すために必要とされるモノを探し集める冒険を経て、ことを成就させる。まあ、まあいいよ、その筋書きはさ、二番煎じでもさ。しかーし、そのアイテム探しの段がなんか、単純すぎたかなあ。あまりにもたやすくいきすぎて、いや、危険を犯して命をかけてやってたから、たやすくとはいえないかもやけどもやね、偶然陥ったピンチの時に、なぜかそこにアイテムがあって、手に入れちゃうんだよね。
そのアイテムなどを示す、謎のような言葉も、それが見つかってから『じつは、これだったのだ!!』みたいな。。
トールキンと比べすぎてはイカンかね!
ちょいと残念感はあったけど、ドキドキ感、疾走感、愛を感じる心のあったかさは十分にあり、ツマンナイとは言いません。面白かったです❤️しかし続編は読まないわ、終了。 -
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https://mlib3.nit.ac.jp/webopac/BB00559906 -
良質な古代ファンタジー。飛びすぎていない設定でその時代の自然や生活の様子が丁寧に描かれている。自然や動物と共存していた時代。本当にこんなことがあったんじゃないかと思わせる説得力。ウルフがいいな。ウルフが健気で切ない。続きが気になる。
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ブックオフで見つけた。おもしろかった。続きが気になるくらい、終わりはさっぱりしてたから、もっと読みたい。続きさがそうかな。
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ものすごく面白かった。
部族の暮らし振りや動植物、人物の姿まで目に浮かぶほどよく作り込まれていた。
ウルフとの信頼関係が少しずつ作られて行く様を見てきただけに最後はトラクと同じ気持ちになって胸がぎゅっとした。
日本が舞台のファンタジーだと男女の縁などが多少描かれるが、これは全くその要素がなく純粋に壮大な冒険を味わえて大満足した。
続きもすぐに読みたい。