生きていてもいいかしら日記 (PHP文芸文庫)

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  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (220ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569678405

感想・レビュー・書評

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  • 北大路公子と言っても殆どの人は知らないだろう。

    北海道新聞に連載されていた東直己の報復絶倒コラムを一切カットすることなく書籍化した「ススキノ・ハードボイルド・ナイト」を出版したのが札幌の弱小出版社である寿郎社。その縁なのか北海道新聞の連載が終了したのちは、東は寿郎社WEBサイトでエッセイの連載を始めたのだが、それを読むために寿郎社WEBは定期点検サイトとなった。そこで東と共にエッセイを書いていたのが北大路公子で、そこで初めて北大路の存在を知ったわけだ。

    なんだか良く判らないが、「趣味は昼酒」という飲兵衛かつ怠惰な40代独身負け犬キャラの変なエッセイを書く奴だなと思っていたら、寿郎社からエッセイ集が出るという快挙。と、思ったら何といつの間にか全国区のサンデー毎日にコラム連載決定。流石にこれは毎週読むわけには行かなかったものの、書籍化が適いあれよあれよの大出世。そして今度はPHP出版からの文庫化とはもう行き着くところまで行き着いた感じだが、これがススキノのはずれでクダを巻いていた一人の女の出世物語。

    負け犬・自虐キャラを売りにする女性エッセイストはいろいろいるが、基本的には常にあちこちで何かをやり、それが残念ながら失敗に終わったことを書くのが王道(?)だと思うのだが、北大路の場合は意に反して「動かざること山の如し」だ。なんせ座右の銘は「好奇心は身を滅ぼす」であり、飽くまでも手の届く範囲の出来事だけが題材なのだが、次々と可笑しな出来事を引き付ける能力は感嘆に値する。

    作風は全く持って違っているが身の回りの出来事に限定するエッセイという意味で佐藤正午を何となく思い出してしまったが、これは誉めすぎだな。

  • 同世代の作家が日常をぶっちゃけている。作り話かもしれないけど笑わせる文章の腕はプロ。下品になりそうでならないすんどめな感じ。共感するところが多く、作家の人柄にとっても親近感。笑いのツボはいたるところに散りばめられているので、公共の場で読むのはチューイして。

  • 公子先生!わたしも、ついていきます。
    まだ、途中までですが、もったいないので、大事にゆっくり読みます(一人の時に)。
    どうしてそんな事思いつくのかなぁ、ということがいっぱい。想像力、妄想力、創作力?
    とにかく、公子先生に巡りあえて幸せです。

  • たまりません。キミコさん、ありがとう! と言いたいです。はい。 なんでしょね。この得体の知れない気力、というか元気の種というか。 「生きていてもいいかしら」と問うているキミコさんに、「あなたも生きていていいんだよ」という太鼓判を押されたような。 日常のルーチンワークに忙殺される毎日のなかで、普段気にも留めないようなあれこれにいちいちうなずきながら生きていくのもいいもんだ。 「キミコ的日常生き方指南」 として疲れた顔をしている友達にどんどん勧めていこう。

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著者プロフィール

1960年代、北海道札幌市生まれ。文筆家。2005年、ネットの公開日記をまとめた『枕もとに靴――ああ無情の泥酔日記』で寿郎社からデビュー。著書に『最後のおでん――続・ああ無情の泥酔日記』『ぐうたら旅日記――恐山・知床をゆく』(以上、寿郎社)、『生きていてもいいかしら日記』『頭の中身が漏れ出る日々』『すべて忘れて生きていく』『私のことはほっといてください』(以上、PHP文芸文庫)、『ロスねこ日記』(小学館)、『いやよいやよも旅のうち』『石の裏にも三年』『晴れても雪でも』(以上、集英社文庫)など。

「2020年 『ハッピーライフ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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