夜行観覧車

著者 :
  • 双葉社
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本棚登録 : 7781
感想 : 1169
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575236941

感想・レビュー・書評

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  • 人が観覧車に乗りたいと思う理由は様々ある。が、大体は、普段見ることはできない高い視点から美しい景色を眺めたいというのが大半だろう。陳腐な音をたてて回り続ける日々を人が生きる理由もきっと同じように単純なものだ。幸福になりたい、ただそれだけ。これは誰しもが持つ、普遍的である意味生々しい狂気じみた感情の渦の中で生きる人々の物語だ。

  • 連続ドラマが始まる前に読んでおかなくてはと手に取り一気に読んでしまった。
    湊かなえの書く、人間ドラマはいつもゾクゾクと背筋が凍る。
    人間の本質を書くのが非常に上手すぎるよ、この人は・・・。

    なんだかんだで、最後のページが1番恐怖に駆られた。

  • 家族でも本当のことは口に出さなきゃわからない。
    湊かなえは、登場人物の思ったことを、そのままの口語体で文章にしていることが多いけど、それでもミスリードされちゃう。あとになって、あ、本当はそういう気持ちだったのね、なるほど。そこがとても面白いし、すごい作家さんだと思う。

  • それぞれに関わる人間達の動向を、一人一人時間に沿っての表し方が、面白い。
    湊かなえっぽくって 先を知りたくなる。

    隣のおばさんが。。。。終始うざかったなぁ(さみしんぼうおばさんだけど)

  • 父親が被害者で母親が加害者―。高級住宅地に住むエリート一家で起きたセンセーショナルな事件。遺されたこどもたちは、どのように生きていくのか。その家族と、向かいに住む家族の視点から、事件の動機と真相が明らかになる。
    ________

    それぞれの家庭の子供と母親、父親の目線から描かれた現代家庭の問題。
    家を建てて我が子のためにとすすめた私立受験が裏目に出た母親。
    家を建てれば妻が満足すると思った父親。
    高級住宅地に家なんが欲しくなかった娘。
    それぞれの思いが行き違い家庭内暴力に。
    もともと高級住宅地に住む家族にもそれぞれの思いがあって。
    印象的だったのは、めちゃくちゃになった家庭だけど、それでもその家族でやっていかなければならないということ。ハッピーエンドは描かれてなくて、救いのないままの家族だけど、現実ってそうだようなぁ…と納得。
    やっていくしかないんだもん。
    告白のような衝撃はなかったけれど、これはこれで考えさせられる一冊でした。

  • 結局真相はなんだったんだろう。
    母親としては、子どもに接する在り方を考えさせられたけど。
    良かれと思って追い詰めないようにしなきゃね。

  • コンプレックスから癇癪を起こし、暴れ回る娘 彩花に対してなす術もなく、ただひばりヶ丘に家を持てたこととアイドル俊介だけを心の拠り所にしている主婦 真弓。真弓たちの住む家の向かいには大学病院で医師として勤務している主人、美しく品の良い妻、医学部に通う長男、有名進学校に通う次男と、彩花が落ちた有名女子校に通う長女 という「絵に描いたように理想的な」一家が住んでいる。

    しかしそのお向かいの家で主人が殺されるという大事件が発生する。下手人は妻ということだが…

    それぞれの視点から語られる構成で、「藪の中」の如く複雑化していく真相は…。

    つくづく気の毒なのは殺されてしまった父親。

  • すごく面白かった!!特に反抗期で癇癪ばかり起こす娘とそれに悩む母親そして極力巻き込まれないように逃げてる父親の3人家族の話めっちゃリアルで鳥肌が立ちました。
    またこの馬鹿娘が可愛くないし馬鹿だからむかつくんんだよね〜wそこがリアル。

    • cecilさん
      >nyancomaruさん

      告白、贖罪、夜行観覧車の3作だと夜行観覧車が一番明るい話だと思いますw
      私はその中だと「贖罪」が一番好きでした...
      >nyancomaruさん

      告白、贖罪、夜行観覧車の3作だと夜行観覧車が一番明るい話だと思いますw
      私はその中だと「贖罪」が一番好きでした。
      湊さんのお話は芥川龍之介の「藪の中」みたいな独特なリレー形式のお話が多くて面白いです!

      実は夜行観覧車を読んだのがだいぶ前なので記憶が曖昧な状態で、今期のドラマを見たんですけど物語の印象が全然変わって感じてこれはこれで面白いなって思いました。
      2013/02/04
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「物語の印象が全然変わって感じて」
      別物として楽しめるんだ、、、まぁ、違う!と言って怒られる方も居るかもしれませんが。
      (読みたい本が増え過...
      「物語の印象が全然変わって感じて」
      別物として楽しめるんだ、、、まぁ、違う!と言って怒られる方も居るかもしれませんが。
      (読みたい本が増え過ぎて、積読が減らなず、湊かなえは未だどれも読み始めていません)
      2013/03/18
    • cecilさん
      nyancomaruさん>
      私も積読が減らなくて困ってます;どんどん面白そうな新刊が出てきちゃうので焦ります。
      湊かなえの小説は舞台向きなの...
      nyancomaruさん>
      私も積読が減らなくて困ってます;どんどん面白そうな新刊が出てきちゃうので焦ります。
      湊かなえの小説は舞台向きなのかもしれないですね。だからドラマも面白いです。
      2013/03/21
  • 過保護の家庭の話。

    読んでて、イライラしてしまった。
    親はやっぱり、しっかり、躾をして育てて欲しい。

    私は、今のこの家庭に育って嬉しく思う。

    ありえへんて思う内容が多すぎて、ツッコミドコロ満載。

  • 家族、夫婦、親子、生活、全て理想と現実に振り回されて、でも、それでも暮らして行く人たち。

    ここが良かった!とか、ハラハラドキドキはないんだけど、さーっと一気に読みたい感じ。

    結局、人は責任転嫁をして楽になりたいものなのかな。

    なんだか、読後感はすっきりしないけど、面白かった。

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著者プロフィール

1973年広島県生まれ。2007年『聖職者』で「小説推理新人賞」を受賞。翌年、同作を収録した『告白』でデビューする。2012年『望郷、海の星』(『望郷』に収録)で、「日本推理作家協会賞」短編部門を受賞する。主な著書は、『ユートピア』『贖罪』『Nのために』『母性』『落日』『カケラ』等。23年、デビュー15周年書き下ろし作『人間標本』を発表する。

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