- Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784575241068
感想・レビュー・書評
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面白かった。
2018年を生きる人の働くことがマイノリティになった世界の話。
それでも働くとはやはり出会える人の幅が広がるのだと思った。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
あと何十年か未来の話。すでに予想されているようにAIの発達により人間の職業が極端に減り、働かない「消費者」と働く「生産者」の二種類にはっきりわかれている社会。働かなくても(贅沢三昧ではないが)生活できる世界の職安は、仕事といえないようなものばかり。その職業紹介も面白いが、機械オンチな所員が、操作に困ったらいちいち主電源を切って対処するのに共感…。未来の子供たちは、ネットがなかった(いわゆる昭和)時代にテレビや家電が動いていたことが理解しにくいそうで、なるほどなーと興味深く読んだ。
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ベーシックインカムが実現した世界での転職エージェントの話。1%の人しか働かない、平成生まれが老人になっている未来。
消費者は文字通り消費のみをして、生産者が生産をする。
今の社会で働くのが大変っていう人も多いと思いますが、生産者兼労働者でいられる世界って結構良いなと改めて思いました。
生産者を[職業として何かの役割を世の中に提供している人]とすると、私は生産者として生きていたい。
未来職安の世界の消費者は、何を目標に生きているのだろう。
自動運転や無人店舗(アマゾンGOなど)が実現しそうな、大きな時代の転換期にいる今、どんな未来を作っていくかを考えさせられる小説でした。 -
人の勤労について考えてしまうfiction。
【書誌情報】
『未来職安』
著者:柞刈湯葉 [http://yubais.net]
装丁:川名 潤 [http://kawanajun.com]
装画:北澤平祐 [http://www.hypehopewonderland.com]
発売日:2018年07月20日
定価:本体1,400円 + 税
判型:四六判
ISBN 978-4-575-24106-8
[http://www.futabasha.co.jp/booksdb/book/bookview/978-4-575-24106-8.html]
【目次】
目次 [005]
一章 未来職安 007
二章 未来就活 053
三章 未来家族 073
四章 未来作家 119
五章 未来医療 163
六章 未来雇用 211
あとがき(平成最後の夏の宵、自宅にて 柞刈湯葉) [266-268]
【余談】
大型本屋の巡礼中、①湯葉様の『横浜』が面白かったこと、②新刊出てるかも、の二点セットを思い出し、そのまま購入しました。
買う前に一波乱ありました。店舗の検索機には位置情報が示されず、流しの店員もおらず、「店員を探すより本を探す方が早いはずだ」と見込んだ私は、疲れた足で『未来職安』を探し始めてしまったのです!
該当しそうなジャンルは「ライトノベル」か「職」か。大きくは〈小説〉で括られているはず。――と思案しつつ、「将棋・囲碁」棚から出発し、私が普段あまり近寄らない怪しいフロアー(この表現を疑う方は、面陳されそうな新刊のタイトルを参照して下さい)に着くと、小説や出版点数に圧倒されました。棋書の生産数は棋士数(所詮150程度)に左右されるため仕方のないことですが、数量的な彼我の差に悲しくなりました。
それはともかく肝心の『未来職安』が見つからない。あらかじめ版元の内容説明を読んでないことが仇になりました。いやそれでも『横浜』を探すのに比べたらマシなはず……。
重いカバンをしょうのに疲れたので、とうとうレジで捜索依頼を出しました(場所を聞いただけのはずが、そういう半端なサービスでは済まさないようで、現物を持ってきてくださるようで恐縮)。自分との勝負に負けた気分です。
比較的新人らしき店員さんが「お待ちください」と告げ、比較的ベテランそうな店員さんが「どうぞ」と手渡してくださるまで約7分。新刊捜索は大変なのでしょう。
ちなみに、分類は「日本SF」でした。そんな分類と専用の棚が複数あるようです。
去り際、ベテラン店員さんから慇懃繊細な嫌味――大雑把に云うと「ここ(検索機で印刷した紙)分類が書いてるんですけど……」のようなこと――を言われたので、お返しに
「あなたも見られるじゃないすか」とか
「ここの分類がNDCなら簡単だったよ!」
と心中で叫びました。ただし後者の真偽、よくわかりません。