誰かが足りない (双葉文庫)

著者 :
  • 双葉社
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575517170

感想・レビュー・書評

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  • 10月31日ハライに訪れた6組の客の物語。6組の客、みんなそれぞれ事情を抱えている。どのお話もなんだか暗く寂しく感じた。救いは「予約6」くらいかな。肝心の店「ハライ」は料理が美味しく感じがいい店、と毎話語られるけど、実際のお店は最初と最後で数ページ語られるのみだったので想像が膨らむばかりでした。

  • レストラン「ハライ」に予約するまでのそれぞれのお話。
    困難にみまわれ立ち向かうご褒美にハライへ行くような、前を向いた先にハライがある。
    ハライに行ってみたくなった。
    誰かが足りない…って淋しげに感じるけど、
    そうじゃなかった。なるほどな。

  • 【いちぶん】
    誰かが足りない。
    そう感じるときの、さびしさも、怖れも、悲しみも、痛みも、かすかな郷愁の中にある。いつか共にいた人と、いつか共にいるはずの人と、その瞬間を共有している。(中略)
    誰かが足りない。
    そう思えるのは、もしかしたらしあわせなことではないだろうか。足りない誰かを待つことができるから。満たされる日を夢見ることができるのだから。

  • 10月31日のレストラン「ハライ」6時予約のお客さん達、それぞれのエピソード。

  • 胸をぎゅっと締め付けられながら、楽しく読んだが・・・

    なんと2013年5月に1回読んでいた笑
    その時の感想が
    「なかなか素敵な文章で楽しめた。
    が、記憶には残らなさそうだな〜」

    うん。まったく記憶になかったね笑
    時々、あれこの設定、どっかで。。。ってところはあったけど。

    ここまで見事に忘れるとはな。。。

    今回も楽しく読めました。

  • 生きていればいろいろ失敗もあるだろう。いろんなつらい事もあるだろう。でもきっとそういう事もきっと時間が経ったり周りに助けられたりしながらちょっとずつ
    乗り越えていけるんだってこと。空けない夜はないんだよ、笑っていればきっとうまくいくんだよ。

    そんな心温まるメッセージにほっこりする人はきっと今までいろんな問題にもなんとか乗り越えてきた人なんだろ?え?おまえらきっと本当のどん底がどんなもんか知らないんだぜ?おまえら全然甘ちゃんだよ、スイーツ男子だよ。

    とか思うかもしれない。

    まぁかく言う自分も、ええわー、こういう話で涙がちょちょぎれるわーってなるんだけど、でも待って欲しい、しょせんそれは自己満足なのではないか、と思わなくもない。まぁそんなこと思ってたら本なんて読んでられないよね。

    まぁ何を言っているのかよく分からんが、結論としては美味い飯さえ食えれば大概の事はどうにかなるって事でファイナルアンサー。
    たまには奮発して予約でもして美味い飯を食いに行ってみるかな、って気持ちになる。

  • 美味しいオムレツやコンソメなど、何気ないけれど心温まる、誰かといきたくなる、赤い庇のレストラン「ハライ」。その「ハライ」に予約をいれた6組の客それぞれのエピソードが描かれている。みんな、誰かを待ち、誰かに会いたくて、あるいはいるべき人がいなくて、「誰かが足りない」人たちばかり。

    それぞれのエピソードはしっとりと沁みてきて、この先に「ハライ」の明るい灯や心温まる料理があるからきっと大丈夫だよ、という気持ちになるけれど、「誰かが足りない」というフレーズそのものがなかなかしっくりこなくて、わたしの中では「来る人も来ない人も待っている」というニュアンスで置き換えていた。足りない、というマイナス感よりは、たとえ来ない人を待っていても、このレストランはきっと居心地よく心もお腹も満たしてくれると思うプラス感の方がしっくりするから。

  • 忘れていて二度読み。

  • 「誰かが足りないとそう思えるのは~(途中略)満たされる日を夢見ることが出来るのだから。」本文のこの言葉にタイトルに込められた意味が集約されていると思う。それを考えると、この作者は言葉の使い方が本当に巧い人だなと読んでいて感心させられた。私的には予約5の調理師志望の男性の話が、「これから始まる良い何か」を予感させる点で読んでいてこちらもウキウキとしてくる。その点がよかった。あと中江有里さんの解説も、この作品を分かりやすく解説していて、作品を振り返る上でいいなと思った。感想はこんなところです。

  • (ღˇ◡ˇ)人(ˇ◡ˇღ)

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著者プロフィール

1967年、福井県生まれ。上智大学文学部哲学科卒業。2004年、第3子妊娠中に書いた初めての小説『静かな雨』が、文學界新人賞佳作に入選。07年、長編小説『スコーレNo.4』がロングセラーに。13年4月から1年間、北海道トムラウシに家族で移住し、その体験を『神さまたちの遊ぶ庭』に綴る。16年、『羊と鋼の森』が本屋大賞を受賞。ほかに『太陽のパスタ、豆のスープ』『誰かが足りない』『つぼみ』など。

「2018年 『とりあえずウミガメのスープを仕込もう。   』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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