文庫 銃・病原菌・鉄 (上) 1万3000年にわたる人類史の謎 (草思社文庫 ダ 1-1)

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  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794218780

感想・レビュー・書評

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  • アバタロー氏
    ピュリッツァー賞、国際コスモス賞
    朝日新聞「ゼロ年代の50冊」第1位

    表紙:ピサロとインカ帝国のアタワルパの戦い
    著者:父は小児遺伝病専門の医師、母は教師で言語学者
    医学から生物学へ、生理学で博士号
    分子生理学と進化生物学の専門の研究家
    鳥類研究で様々な国で調査した経歴

    《内容》
    ・1万3000年前 狩猟採取生活
    ・10~11世紀 異なる発展で差がでてきた
    ・15世紀 大航海時代
    コロンブス、コルテス、ピサロら征服者(コンキスタドール)が3G(栄光、宗教的情熱、黄金)を求めて命がけで海を渡り新大陸を目指した
    1492年コロンブス、アメリカに上陸
    1519年コルテス、500人を連れてメキシコに上陸、アステカ征服
    1531年ピサロ、ペルーへ上陸、インカ帝国、病原菌で戦争より多く死亡

    〇なぜ3つの兵器を持っていたのか?
    それはユーラシア大陸という環境に恵まれていたから
    ・家畜となる動物と植物が多かった
    ・発明する人が相対的に多くなった
    ・ユーラシアは横長の大陸で気象は似通っていて、別の地域でもまねでき、食料量生産力が飛躍的に向上した

    137万種類のうち、家畜にできたのが14種類、主要家畜は牛、豚、馬、ひつじ、やぎの5種類
    ユーラシア大陸に13種類
    南北アメリカ大陸に1種類
    アルパカの癒し系動物だけ
    定住、農業することで人の数や密度が増える、病原菌が増える

    ユーラシアは横長の大陸で気象は似ている
    別の地域でもまねできる
    食料量生産力が飛躍的に向上した
    文字が発達
    人口の多さだけでなく拡散力も必要
    どこかの地域社会からのいただきものであるパターンが多い
    例えば車輪もすぐ拡散

    ユーラシア大陸は他の大陸に比べ相対的に人口が多く、発明者が誕生する可能性が高かった
    東西に延びた地形であり拡散がおこりやすい環境であった
    結果として銃や鉄をはじめとする、高度な技術の誕生と発展に大きく寄与することとなった

  • あなたがた白人は、たくさんのものを発達させてニューギニアに持ち込んだが、私たちニューギニア人には自分たちのものといえるものがほとんどない。それはなぜだろうか?

  • 文明の発展と進化が異なったのは、なぜか。
    狩猟社会から、農耕社会へと発展する過程で、より多くの人を育むことができ、リーダを中心に、分業化した社会が生まれ、数の上で、狩猟民を駆逐していく。
    トルコ周辺の肥沃三日月地帯では、農耕に必要な作物の栽培だけでなく、家畜となる牛や豚、馬などに恵まれている。
    普段、口にする作物や肉なども、気が遠くなる長い年月をかけて検分し、先祖が苦労して見つけてきた贈り物だと知る。
    農業などの伝播は、ユーラシア大陸の様なヨコに長いエリアでは、伝わる速度が速いが、アメリカ大陸のように南北に長いのは、速度が遅い。これには、緯度による気候の違いからくる。
    集団で生活し、家畜と触れ合うことで、病原菌が生まれる。更に人が移動し交わることで拡散する。スペインのインカ帝国征服も、現地のひとにこれに対する免疫があれば、歴史は変わっていたかもしれない。

    インカ帝国が、なぜヨーロッパ文明に攻め入らなかったのか。逆に、ヨーロッパにアメリカの病原菌が広まらなかったのかなど、面白い気づきがたくさんありました。

    下巻も楽しみです。

  • さすが名著と言われるだけあり引き込まれる内容だった。新大陸へのスペインの征服の過程と農作物、家畜をキーとした人類の広がりを通じて13,000年をダイナミックに俯瞰している。途中が少し退屈気味に感じるものの、最後の章で全て繋がるところが気持ちいい。下巻も楽しみ。

  • なぜ、旧大陸が新大陸を侵略することになったのか?そして、なぜその逆は起こらなかったのか?の疑問を紐解いていく。
    上巻は原因となる前提知識を書いていて、知識欲が満たされる。
    上巻の前提知識が、結論となる下巻にどう繋がるのかが楽しみ

  • 地理と世界史が同時に学べる本(小並感)

    なぜ狩猟民族は農耕民族のような暮らしにシフトしなかったのか。
    ここは特に地理的要因からしなかったというより出来なかったということが書かれていてなるほどと思った。そもそも濃厚に適した作物がある狩猟民族の暮らしていた地域には生育していなかったとか。
    生まれた環境で全てが決まっていたって感じかやるせない、、

    世の中には動物はたくさんいるのに家畜として飼育されている動物はほんのわずか。
    ゴリラもたくさん肉が取れるが大きくなるまでに何十年とかかる。つまるところコスパが悪い。
    よくよく考えたら確かになって思うことがたくさん書いてて面白かった。

    この銃・病原菌・鉄とは、ヨーロッパ人が他の大陸を征服できた直接の要因を凝縮して表現したものみたいだ。

    種子の子孫の反映方法が動物に食べさせて遠い地で排便させてそこでまた育つといったところに自然のずる賢さを垣間見た気がした。

    病原菌も似たような感じで排泄、咳、血などから人へ人へとうつっていく。

    小さいものほどこの仕組みをうまく利用していて恐ろしくもあり興味深い。

    いろいろ書いたけど小難しい人の名前があんまり出てこないので人の名前を覚えるのが苦手な人が歴史を勉強するのにむいてるかも。(地名はいっぱい出てくる)

  • なぜ西洋で文明が発達し、東南アジアや南米では遅れてしまったのか。
    単純な問いに対して深い考察がなされており、いくつかの偶然が現代に至る格差を生み出していったことがよくわかる。
    特になぜチーターは家畜化されなかったのか、はなるほどそういうことかと思った。

  • 色んな本を読んでると、共通して引用されてる。長いけど、一読の価値あり

  • なぜ人類の歴史はアフリカから始まったのに今ではアフリカよりもヨーロッパなどの方が栄えてしまったのか、ということを様々なデータを基に詳しく説明されている。またその説明の中で世界史や病原菌についてもよく触れられているのでそういった知識もおまけとして身につけることができ、とてもためになった。

  • 大陸間の技術発展の違いを安易に人種ごとの優秀性の違いに帰するのではなく、それ以外の諸条件の違いから科学的に説明しようとする試み。とても面白い。
    それ以外にも、狩猟採取民族が農耕民族へ移行する過程が現代でいう副業的に徐々に進んでいったことは意外な発見だった。
    侵略者が殺した数より持ち込んだ病原菌により原住民が死んだ数の方が多かったことなど。
    これまで疑問にも思っていなかった当たり前の事柄が可能な限り客観的な事実に基づいて記述されていて知的楽しみに富んでいる

    #オーディブル

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著者プロフィール

1937年生まれ。カリフォルニア大学ロサンゼルス校。専門は進化生物学、生理学、生物地理学。1961年にケンブリッジ大学でPh.D.取得。著書に『銃・病原菌・鉄:一万三〇〇〇年にわたる人類史の謎』でピュリッツァー賞。『文明崩壊:滅亡と存続の命運をわけるもの』(以上、草思社)など著書多数。

「2018年 『歴史は実験できるのか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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