文庫 銃・病原菌・鉄 (上) 1万3000年にわたる人類史の謎 (草思社文庫 ダ 1-1)

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  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794218780

感想・レビュー・書評

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  • ヨーロッパ人が人類を支配していく歴史を説明する本
    ヨーロッパが持っていた優位性などについて語る

    人類の移動により大型動物のほとんどが絶滅した
    ポリネシアでも島ごとに多様な政治が行われていた。政治形態は政治体の人の数、人口密度によった
    馬により戦争が変わり奇襲撤退などが容易重要になった
    天然痘などの伝染病により多くの先住民が亡くなった
    文字によりスペイン人は先住民への対処法を知っていた
    武器、馬などの軍事技術、伝染病への免疫、航海技術、政治機構、文字に優位性があった

    家畜により、移動手段、荷台、栄養、農地開拓、衣服を得た、病原菌とその抗体も
    人間による選抜、栽培によりリンゴ、エンドウなど栽培種として巨大化した。
    野生種では毒があるが栽培種には毒がない。アーモンド、ジャガイモ、キャベツ
    1番知られてる変種を選び、それより少しでも良い変種が生まれたら選び、淘汰となる

  • シンプルかつ深淵で壮大な問いに対し、適切にスコープを設定し、側枝となる問いに答え続けるという、非常に美しい研究であるというのが一番の感想。一つ一つの答えも実にシンプルだが、人類史の真理そのものを導いている。たまたま遭遇した環境が未来を大きく左右するのだから、適切な環境選びって大事だなあと。

  • なぜ人類はそれぞれ違う道を辿ったのかと言うことが書かれている。面白かった。
    今まで何となく想像していたけれども、わからなかったことだったので、なるほどと納得がいった。
    特に病原菌に関しては驚きだった。今のご時世もまさに当てはまっているし、医療環境や生活環境などが整っていなければ、おそらく歴史にあったものと同じ疫病になっていたのかもしれない。
    家畜、農耕という面から考えると必然的に文化の過程は成り立っていったということがわかった。

  • 人種的に優れていたとか文字があったから強かったからとか、色々な優位性を言う人がいるけど、結局は大陸が東西に長かったことが優位性になったんだよという話。
    東西に長かったことから他の大陸の先住民を支配した直接的な原因に繋がることについて書いてあり面白かったです。
    下巻も頑張って読むぞー!

  • 「なぜメソポタミアや中国で最初の文明が起きたのか」や「先進国と後進国を分ける要因」などを、「環境的要因」から説明した本である。
    多角的な視点から説明される事実から、歴史に対する考え方に対して何度も再考させられた。
    特にこの本を読んだあと『歴史的に大国となった国は緯度がほぼ同じである』ということに気づき、『正にその緯度の極東が日本である』という事実に日本の発展の経緯も垣間見ることができた瞬間はある種の感動すら覚えた。

    また内容はあくまで過去の話だが、「人種的優位性」などではなく「環境的要因」に理由をもとめる視点は現代にも通じることがあるだろう。
    例えば「シリコンバレーの成功の要因」について、「アメリカ人が頭が良かった」ではなくその環境要因に見ることができれば、日本でも再現性が取れるかもしれない。

    知識として実生活ですぐに役に立つというものではないが、視点を広げる意味で良い示唆を与えてくれる本だった。

  • ユーラシア大陸の地理的、生物学的特性が、この大陸発の民族を覇者にしたという話。特に重要なのは、同緯度方向に伸びていることと、栽培可能な作物、家畜化可能な大型動物がたくさんいた、ということと理解。

    学術的な検証、考察がしっかりと書かれている分、非常に長いので星-1。各節の最初と最後の段落を読むだけでも内容は理解できる。

  • おもしろい!ただ…長い!前置き長すぎてなかなか結論に辿り着けないのがもどかしかった。

  • 面白い作品として有名だが、読んでみると確かに面白い。人類はもともと同じ地で生まれたはずなのに、なぜ現代でこんなにも格差が広がったのか。壮大なスケールすぎてピンとこない部分もあるが、人類史の面白い部分が詰められた名作。下も楽しみ

  • 上巻は、主に農耕や牧畜の起こり方をつぶさに見ていく部分に力のある読みものになっている。なぜ、世界は不均衡なのか。ヨーロッパやアメリカの白人、日本人などのように、富める国を築き上げ、豊かに暮す民族がいる一方で、オーストラリアのアボリジニやニューギニアの人びとのように、古来からの狩猟採集生活から発展していなかったり、ごく初歩的な農業を営むくらいで、社会が大きく進化しない民族がいるのか。そのことについて人類1万3000年の歴史を振り返り、答えを探る本です。

  • 文明と歴史について新しい視点を投げかけてくれて、何となく知っている流れを、とても論理的に証拠を示しながら説明してくれる。ものすごくかいつまんで言うと、「どうして文明には発達の違いが生じたの?」に対していろいろな角度から説明してくれている。

    歴史は結果で、原因とその説明は地理って感じかな。どうして南米の文明はことごとくヨーロッパからの進出(侵略)の前に敗れ去ったのか、みたいなことに答えを示してくれる。それがいちいち、「なるほど!」と膝を打つ感じにつながっており、言われてみればその通りかもしれないんだけれども、それをここまできっちりと説明してくれれば納得感しか残らない。そんな感じの1冊。

    ただ、そういう本だから記述がしつこい、くどい。そして翻訳物の常として、記述がしつこい、くどい。という二重の読みにくさがあるので、その点は覚悟が必要。もっとスッキリ説明できそうだけど…と思いながら読み進めました。なので、時間は思ってよりもかかったです。

    でも、その点をさっ引いても新しい視点のいろいろは新鮮です。読んでよかった。

    ただし、1個だけ訳にはケチを付けたい。「栽培化」はないと思う。動物だったら「家畜化」(これは本書でも使われている)であって「飼育化」じゃないよね。だったら、「栽培化」ではなく「作物化」だと思うのです。この章は読みにくかったなー。

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著者プロフィール

1937年生まれ。カリフォルニア大学ロサンゼルス校。専門は進化生物学、生理学、生物地理学。1961年にケンブリッジ大学でPh.D.取得。著書に『銃・病原菌・鉄:一万三〇〇〇年にわたる人類史の謎』でピュリッツァー賞。『文明崩壊:滅亡と存続の命運をわけるもの』(以上、草思社)など著書多数。

「2018年 『歴史は実験できるのか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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