誰がアパレルを殺すのか

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  • Amazon.co.jp ・本 (252ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784822236915

感想・レビュー・書評

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  • 大量に作って、大量に売れ残り、大量にセールに出すというルーティンで、日本の大手アパレルは死に体になった。
    解決策かもしれないもの
    中古販売
    レンタル
    カスタマイズ
    定番高級品(セールをしない)
    新規事業に多角化

  • 2017年の本なのでいろいろ変わっている部分もあるが、TOKYO BASE、スタートトゥデイあたりがヒーロー扱い。エバーレーン、メルカリ、桃太郎ジーンズ、hotel koe tokyo、ミナペルホネンあたりも成功例として。

  • 大手百貨店の閉店のニュースを見ても、ああ不景気もあって高い服は売れなくなってきてるんだなあ、と思うくらいだったけど、この本で、アパレル業界の根深い構造上の問題があるのだと、その歴史も含めて知ることができ、面白かった。

    最近買い物に行っても同じようなオーバーサイズやロング丈の服ばかりで、ブランドの違いも感じにくく、結局スタンダードに少し流行も意識した服の買えるユニクロなどのファーストリテイリング系のショップに行くことが多いのも、この本を読んで納得。

    各ブランドが限られたOEMメーカーにデザインを依頼して中国などで安い人件費で大量生産、大量の在庫を抱える依存状態は、下請けに丸投げが常態化している多業界にも共通しそう。自社で一気通貫のSPA(製造小売業)の形態がファーストリテイリングなどの生き残ってる会社の戦略のようだけど、ZOZOTOWNのスタートトゥデイは自社ブランドは不調でその部分はうまく行っていないから、いろんな可能性がありそう。デザインなど洋服のプロではないテクノロジーの企業が洋服を売るのには限界があるのかも。

    カスタマイズがこれからの時代に価値が出てきそうだが、ファッションにおけるそうしたオーダメードサービスやハンドメイド売買のプラットフォームの話にも触れてておもしろかった。個人的にはパーソナルスタイリストのサービスの可能性にも触れて欲しかった。

    タイトルの重さの割に、問題点のみ指摘するのではなく、既存のアパレル企業の未来への展望や可能性を示す構成になっているのも良かった。

    ひとつひとつの事例は知っていることもあったのに、一冊の本でその事例が生まれた背景や、今後の展望などをしっかりと深く関連づけており、著者の考えも交えながら、体系的に知り、自分も時には批判的に考えを深める時間が作れるが、他のメディアと違う読書の醍醐味だなあ、と改めて感じた。

    趣味であるファッションを、もっと多角的、俯瞰的な視点から捉えて楽しめる一冊だった。

  • ●アパレル企業がいかなる原因で衰退したかを探り、アパレル企業のこれからをまとめた本。消費者のニーズを考えない大量生産方式により衰退をたどり、インターネットを駆使した後発企業が業界全体の盛り返しを図る。

  • 2019/02/20
    アパレル業界の慣習、状態が良く分かる。
    消費者マインドもまさにと行ったところ。
    業界は良くなるだろうか。

  • 誰がアパレルを殺すのか 杉原淳一他

    everlane
    mm lafleur
    zozo ナノユニバース、zozoused
    aircloset
    ミナペルホネン プロダクトアウト

  • アパレル業界の状況が分かった。

  • めっちゃおもしろかった。百貨店や実店舗からZOZO愛用者になっていて、なんとなく感じていたアパレル、百貨店の洋服販売の窮地。そうなるまでの社会の変換、製造・企画・販売の工程をふまえて知ることができた。
    業界は違えども自分の会社はどうか?と考えてしまう。過去の慣習にとらわれて、「無自覚の自殺」をしていないか。既存の大企業の悪習と不合理、それに対峙する新規企業の考え方、やり方は違う業界でも参考になりそう。

  • 2018/12/25 詳細は、こちらをご覧ください。
    『あとりえ「パ・そ・ぼ」の本棚とノート』 → http://pasobo2010.blog.fc2.com/blog-entry-1163.html
     
    洋服(衣料品)を買うのって、楽しみでもあり 自己主張でもありますね。

    以前は、無理してでもおしゃれな服を買う人が多かったようですが、
    最近はどうでしょう? 
    衣類にそれほどお金をかけなくなったのは、出かける機会も減り、おしゃれ熱も下火。
    もっと別なことにお金を使いたいというのもありますね。
    社会全体が、カジュアルな装いでも通用するようになったことも大きな要因です。
    本書によれば、衣料品の価格に消費者が疑問を持つようになり、財布のひもがきつくなったとのこと。

  • アパレル業界の不振の原因を探った取材をまとめた本です。
    名著「イノベーションのジレンマ」や「失敗の本質」とよく似ています。
    過去の成功体験に縛られている、目先の売り上げだけみて業界全体の長期的成長を誰も考えていない、ゲームチェンジに気づかない、などを実際の取材やインタビューから明らかにしてます。
    本書の最後は、今はこれまでの悪しき習慣を一掃する絶好のチャンスとまとめています。

    本書から得られた3つの教訓は、自分自信にもよく当てはめて考えるべきだと思いました。

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著者プロフィール

日本経済新聞記者
1981年生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。2005年日本経済新聞社に入社し、
大阪経済部でアパレル・スポーツ用品業界などを取材。
2009年に東京に異動し、経済部で金融機関や日本郵政などを担当。
2015年、日経BPに出向し、『日経ビジネス』記者。
2016年秋からアパレル業界を中心に取材。
2018年より日本経済新聞経済部で国土交通省、経済産業省を担当。

「2020年 『誰がアパレルを殺すのか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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