- Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
- / ISBN・EAN: 9784838725021
感想・レビュー・書評
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映画のほうがよかったって言う人もいるかもしれませんが。やはり私は文章のほうがいいかな。
1日寿命伸ばす代わりに、自分にとって大切な思い出や大切な人とのつながりが消えていく。
自分とどうやって向き合うかって言うことを考えますが。
ただまぁちょっとこのテーマ的に泣かせられるので、泣きたいときにはいいかもしれませんね。
とはいえ、
泣かせる作品が嫌な人、すかっと爽やかになりたい方はまた別の作品を。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
タイトルだけは聞いたことがあったけど、やっと読んだ。な〜るほど こんなに深イイ本でしたか(笑) 余命少ない僕だけど何かを捨てたら1日生き延びることができると悪魔クンと約してから毎日1ケずつ消しながら1週間生きたけど遂に何を消したら良いのかが解る!と言う物語。作者33歳の作品だけど大したものです♪
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水嶋ヒロのKAGEROUかと思った。なんだろう、似てる。
内容はそこまでひどくないけど。
レビューで泣いたって人が結構いるけど涙腺のツボが分からないまま終わってしまった。
我が家にも猫が2匹いるけど、いなくなったらどうなっちゃんだろう。
人生の大半には猫がいるからな。
やっぱりNo cat no life! だよね。 -
2013年本屋大賞にノミネートされた本です。
面白かったけれど・・・
不思議な本でした。
30歳の郵便配達員の主人公は突然、余命あとわずかと宣告される。
その彼の前に現れた悪魔。
悪魔の提案は寿命を1日延ばすためにこの世界からひとつ存在を消すこと。
消すことと引き換えの寿命。
彼の選択は・・・
何でもあって、便利な世の中。
そこからひとつずつ「物」を消していくとどうなるのか・・・
最初に消された電話。
「携帯に自分の絆と記憶を完全に任せている」と言う彼。
私もまさにその通りだ。
私の記憶にはなく、携帯だけが記憶している番号。
今、突然、私の携帯が消えてしまったら、それは私の絆が消えることに等しいかも・・・
恐ろしい・・・。 -
余命を伸ばすためにひとつずつなにかを消す。
ひとつ消せば一日のびる。
余命云々は別にして、消すものを考えてみた。
携帯とチョコならどっちでもいいなと思う。
携帯はなくなったらもちろん不便だろうけれど
それなりにやっていくだろうし
なんとなくいまよりみんな穏やかになるような気がしないでもない。
チョコは大好きだけど
ないならないで過ごしていける(と思う)。
食べ物でなくなったら困るものってなんだろう。
お米とかパンとか・・・
パンがなくなるってことは粉の類もなくなるってこと?
そりゃそうか。
そうしたら自分で作ることも無理。
お菓子が一気に消えるんじゃなくて
チョコに限定できるってことは
お米じゃなくて、ピラフとかそういうふうに調理方法で決まるのかな。
パンだってたとえばメロンパンとかそういうふうかな。
でも問題はそれを自分で決められないってこと。
「それはだめ」とも言えない。
生死に関わってくるようなもの以外は
なくなってもそれなりに過ごしていくのだろうなと思いながら
本当に大切なものについて考えた。
そうしたら生活はもっとシンプルにできるはずなのに
ものも心もそうならない。(苦笑) -
本当に死んじゃうの?
こんなに人生振り返って悟ったんだから、もう少し長い人生にしてあげてほしい。
人は死期を知った時、走馬灯のように、とは言われるけど、こんなに冷静に受け止められるのか。最後に大事なものに気づいて、晴れ晴れとした気持ちになれた。誰かから何かを奪って生き延びるよりも死を受け入れた方が幸せな生き方。人はどう生きるか問いかけている作品。 -
ある日突然、余命があとわずかだと知った郵便配達員の僕。
彼の目の前にアロハを着た悪魔が現われて、明日亡くなる運命にあることを告げた。何かをこの世から消すことと交換に、寿命を1日伸ばすことを提案するのだが・・・。
彼の前から火曜日には電話が消え、水曜日には映画が消え、木曜日には時計が消えた。
電話で恋人と他愛のない会話をして、時間を過ごしていたことを思い出す。実際会って話すには取るに足らないもののように思われ、一緒にいても言葉を交わす時間は少なかった。相手の顔色を窺ったり、心の中を推し量ることをおろそかにしていた彼は、恋人とは数年前に別れていた。
電話がなくなってもさほど大きな影響があるわけでもなく、むしろ電話に頼り切り、そこに当たり前のようにあると錯覚していたことに気付く。
映画は大好きだったが、この世から消される前、最後に観たいと思う究極の1本がなかなか決まらない。ようやく借りた1本も結局見られず、白いスクリーンを観ながら来し方を想い、今までの人生を振り返る。
自然の中に存在するあいまいな朝・昼・夜、季節といったものを目に見える形で時間として表す時計。
時間の他にも色、孤独、愛など人間だけが独自に持つことができたと思っているものは、生存に関わるようなものではない。けれど、それらのものによって人間特有の豊かな感情や生活がもたらされ、人は形作られるている。そのことに主人公は失ってようやく思い至るのだった。
彼は次に消されるのは、猫なのではないかと思い、それを実行すべきか深く悩む。家族とともに暮らしてきた猫のキャベツ。家族がばらばらになる前からずっと一緒だった。
『何かを失って初めて、それがかけがえのないものだったと気づく』ということを思い知った彼は、『何かを得るためには、何かを手放さなくてはならない』ものだとしても、決して手放すことのできないものが存在することを知る。
そうやって、彼は自らの死を受け入れていくのだった。
人はいずれ死ぬ。それは『いずれ』であって、決して近い未来ではないと思って生きている。命に期限があるということが現実になったとき、ひとは何を想い、何をなすのか?
自分の中にある根源的な、ただひたすら削って削ってそれでも残る芯のような気持ちに気付くのであろうか?
チャップリンは晩年に言った。
「私には傑作は残せなかった。だが人を笑わせた。悪くないだろ」(P111)
キャベツ。君にもう会えないのか。
君のあのフーカフーカした温もりも、ゆれるシッポも、肉厚の肉球も、トクトクという鼓動も。もう触れることはできないのだろうか。(P179)
最期に自分の信じた、生きてきた道はまんざらでもなかったと、ふっと笑えるか?
別れを惜しみつつも、いかに大切なものであったかといとおしい気持ちでいっぱいになれるのか?
ちょっと考えてみては、先送りする。
また、時間を置いて読んでみたら、感じることは変わるかも・・・。
それぞれの立場で、いろいろと考えられるストーリーだと思います。 -
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そういえば、世界にはいつの間にか(モノ)が増えましたね。
以前は無くても普通に生活を営めていたのだから、何かひとつくらい無くなっても…。
...そういえば、世界にはいつの間にか(モノ)が増えましたね。
以前は無くても普通に生活を営めていたのだから、何かひとつくらい無くなっても…。
と、考えてしまいました。
この本の主人公、何を消してくれたんだろう?
それは、最初から無かったもの、として処理されて行くのかな?
(戦争)はダメかな。モノじゃないからダメか~
(原発)は、どうかな?
(悪魔から、ダメ出しくらいそう…っ^^;)
チョコレートや時計、可愛らしいアイテムが登場している所をみると、そんな感じじゃなさそうですね。
あ、でもすっごく気になる本です!表紙の猫ちゃんが、何か言いたげなのも気になります。2013/03/19 -
MOTOさん、コメントありがとうございます!
要らないモノってたくさんあるような気がしますよね。
しかも自分の寿命が1日延びるという甘い...MOTOさん、コメントありがとうございます!
要らないモノってたくさんあるような気がしますよね。
しかも自分の寿命が1日延びるという甘い罠まであって…まさに悪魔の囁きです。
「表紙の猫ちゃんが、何か言いたげなのも気になります。」
本編にも可愛い猫(キャベツ)が登場しますので是非!
いつもMOTOさんのレビュに新しい世界を見せて頂いているので、MOTOさんにはこの物語がどんなふうに映るのかとても知りたいです。
2013/03/19
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