世界から猫が消えたなら

著者 :
  • マガジンハウス
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  • Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784838725021

感想・レビュー・書評

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  • 猫が好きな人にとっては堪らない一冊。

    逆に言えば、それ以外の人が本書を読むと“どうして猫を消すかどうか問われるまで世界から諸々を消してしまったの?”と首を傾げてしまうストーリー展開だったなぁと思った。

    物語の根底に流れるのは“家族愛”ですが、長年確執のあったお父さんと、自分の病の発覚から一週間も経たないうちにそんな簡単に会いに行こうと思えるのかな?と少々疑問に感じた。

    泣ける系に分類される一冊なんだろうけど、共感できない部分が多くて感情を揺さぶられることはありませんでした。

  • 映画化されたことは知っていたので、何気なく手に取ってみた。パラパラとめくった時に読みやすそうだなと思ったし、実際読みやすかった。
    その代わり、それほどの感動も驚きも新鮮さもなく読み終えてしまった。
    猫は飼った事がないのでどんな存在かはよくわからない。飼っている人にとっては、より身近で親しみやすいストーリーになっているのかもしれない。
    死の宣告を受けた主人公のもとに現れたのは、アロハシャツを着た悪魔。この悪魔は、何かを消すことで寿命を1日伸ばすと告げる。
    ひとつひとつ消えていくものと伸ばされる寿命。作者はなぜ、数ある中から電話と映画と時計と猫を消すことにしたのだろう。猫は一番近い存在だったからかもしれない。そして、主人公にとってかけがいのないものだったからかもしれない。
    もしかしたら、一番近くにある大事な存在に気付いて欲しいと。それが永遠ではないことに気付いて欲しいという思いからだったのかもしれない。
    人の寿命は明日、明後日どうなるかすら誰にもわからない。平凡な日常だからこそ、今の時間を大切に、今側にいる人を大切にしたいと改めて感じた。

  • 読みやすい文章で週末にさらっと読めました。
    そこそこ売れる映画作るならこれくらいの内容がちょうどいいかも。映画にしたときの映像が想像しやくて、自分が映画のプロデューサーになった気分にもなりました。男前さんの俳優起用して、可愛い猫二匹と用意して、ここで観客泣かせて、BGMは平井堅でとか。

    家族愛に持っていったのがよかったですし、お母さんの手紙にホロリときましたが、そもそもお父さんをそこまで嫌う必要があったのかなぁとも思います。

    元カノはなんであそこまでサバサバできるのかな?こちらは死ぬっていうのに。

  • 30歳で、悪魔が、やってきてもうすぐ人生終わりと告げられる。

    世界から時計や時間をなくすことで1日生きながらえることができる。

    人生には限りがあるし、リミットがあることでいまを大事に生きなきゃと思わせてくれる仏教的な小説だった。

  • 世界から猫がきえたら、
    日常の中の他愛もないものが消えた時に、自分はどうするのか
    今まであって当然だったものがなくなることで、大切な人との繋がりが消えていき、またその人の大切さを改めて感じさせてくれる作品

  • 結構テーマは重いけど軽いタッチの文章。
    我が家は去年黒猫を19歳で亡くし次の猫はまだ考えられないが、主人公の家は猫を亡くして意気消沈のお母さんに新しい猫を飼って立ち直らせるがその母を亡くし父とは不仲になる。
    主人公の命が限られる中で物語は進行するが
    人は何かを得るためには何かを失わななくては
    ならない。なのに人は何も失わずに何かを得ようとする。それはおかしいのだよと読者に伝えている。特に日本人は宗教観がないから永遠に命も体もある様に執着しているのだが全て終わりはあるしそれを考えながら自分の人生や人との関わりを持ちなさいと伝えている気がした。

  • この本が人気だったのは知っていた。
    映画になっていたことも知っていた。
    でも私は読まなかったし観なかった。
    それは何故か?
    猫に興味がないからだ。
    だから、題名に猫が入っている、それだけの理由で、猫の話だと思って見向きもしなかった。
    (今これを書いていて思い出した。イッパイアッテナシリーズは何故か読んだし感動していたという矛盾)

    今回、飛行機内で他に観たいものが無かったからこの映画を観た。
    結果、暗い機内でダラダラと涙と鼻水を流していた。
    旅行から帰ってきて即、本書を読み始めた。
    良かった。

    (私としては珍しく、原作より映画の方が良かったと思う。濱田岳に泣かされた。親の気持ちも原作より映画の方が良かった。)

    追記 飛行機内映像→原作読了→アマプラで映像 なので、「映像→読了」と「読了→映像」の両方のタグをつけてある。

  • 泣ける!!と噂の本。

    「私も猫が消えたら泣いちゃうかも(´;ω;`)」と覚悟していたのに、泣けなかったし、猫は消えないし、主人公の寿命も日数が合わない。何かねこれは。

    生と死、親と子のテーマは日常ではあまり向き合わないからこそ感動する。が、既に出尽くした感は否めない。

    故に、私が読みたかったのは猫が消えた世界であり、猫が消えなかった世界ではないのでござる。

  • 図書館で。死をテーマにしている本=悲しい気持ちになるかな?って敬遠していたけど、読んで良かった。今読み終わってすごく温かくて心が穏やかです。覚えていたい言葉がたくさん有ってメモしながら読みました。「神様に問われていたのは、世界から消えるモノの価値ではなく、僕の人間としての価値だったのだ。」”気づき”をくれる本でした。

  • するすると読んでしまえるけれど、情景や空気感がすぅっと入ってくる感じでした。
    そして電車で読んでうっかり泣いてしまいました。

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著者プロフィール

かわむら・げんき
1979年、横浜生まれ。
上智大学新聞学科卒業後、『電車男』『告白』『悪人』『モテキ』『おおかみこどもの雨と雪』『寄生獣』『君の名は。』などの映画を製作。2010年、米The Hollywood Reporter誌の「Next Generation Asia」に選出され、’11年には優れた映画製作者に贈られる「藤本賞」を史上最年少で受賞。’12年に初の小説『世界から猫が消えたなら』を発表。同書は本屋大賞にノミネートされ、佐藤健主演で映画化、小野大輔主演でオーディオブック化された。2作目の小説にあたる本作品『億男』も本屋対象にノミネートされ、佐藤健、高橋一生出演で映画化、’18年10月公開予定。他の作品にアートディレクター・佐野研二郎との共著の絵本『ティニー ふうせんいぬものがたり』、イラストレーター・益子悠紀と共著の絵本『ムーム』、イラストレーター・サカモトリョウと共著の絵本『パティシエのモンスター』、対談集『仕事。』『理系に学ぶ。』『超企画会議』。最新小説は『四月になれば彼女は』。


「2018年 『億男 オーディオブック付き スペシャル・エディション』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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