働かないアリに意義がある (メディアファクトリー新書 15)

著者 : 長谷川英祐

• メディアファクトリー (2010年12月31日発売)

感想・レビュー・書評

[sou (08thse)さんの感想 · 2016年10月5日]

生物学の本としては面白い。ビジネス書としては微妙。

[daydさんの感想 · 2016年9月25日]

生物学の本は読んだことがなかったので有名どころを試しに読んだ。すっごいおもしろかった。自分たちはこうあるべき、という価値観が社会では作り上げられてしまっているけれど生物学の見地から言えばそんなものくだらない些末なことだ。もっと大きな絵を見なくちゃいけないという気がした。でもこれ読むとアリの理論をいろんなことをさぼるのを正当化するための理由として使ってしまうようになった。

[m0913さんの感想 · 2016年9月24日]

アリとキリギリスのイメージが強く、地面を一生懸命獲物を運んでいる姿を見ると働き者のイメージでしたが、実はアリの生態は様々であるようです。七割が働いてない、しかしそれにも理由がありです。労働に対する感度が個体によって異なる。かつアリといえども疲労する。これにより、働き感度が強いものが初めに働くが疲労してくると忙しくなる。その感度に別の個体が反応してコロニーの労働が長期的にカバーされる。なるほど、要するにアリの世界やハチ世界にも多様性が必要ということですね。面白かった。

[ドラソルさんの感想 · 2016年8月14日]

文字通り、アリの生態について記述した一冊。

人間にあてはめることも可能かもしれないけど、基本的にはアリやハチなどについての生物学。
働かないアリにはそれなりの生物学的な必然性があるという話。

[KO_DAさんの感想 · 2016年7月3日]

本書を読むのは２回目。
遺伝の塩基配列など難解な個所もあるが全体を通して素人にも分かりやすい内容。
巣の中の７割の働きアリは何もしていない、階層的伝達システムではなく局所的に処理する齢間分業を行っている、反応閾値の違いによるシステムなど、とても興味深い部分が多い。
自分の利益の最大化を求める進化の法則の中でも利他行動をとる生物が存在するなど、社会性生物の生態には人間社会と共通する部分もあることに驚かされた。
もっともそれは長い目でみれば進化の法則に則ったものかもしれないと著者も言っているがそれはいつ証明されるか分からない。。。

[sorairokujiraさんの感想 · 2016年5月27日]

人はいろいろ考えて出来るだけよい状況を作るよう努力しているが、アリや蜂など自然にまるで計算されているかのように完璧な状況になっている。
おもしろかった。

[isaohasegawaさんの感想 · 2016年5月16日]

組織論の範囲で紹介があって読んだけど、とても面白かった。平易な言葉で書かれていて全く専門でなくても楽しめます。後半若干難しいけど。
個人的なテーマである世の中の無駄をなくすというのに真っ向から否定されて、悩ましい。。

[のりさんの感想 · 2016年5月1日]

この本は面白過ぎる！人の社会とは真逆の仕組みで成り立っている蟻の社会。真逆ではあるが人も学べることが多くあり、人の社会に鋭い切込みをする著者に思わず頷いてしまう。タイトルにある働かない蟻には理由がある。人にも個性があるように蟻にも個性があり、仕事に対する意識が異なる。異なっているからこそ蟻の巣が長期的に維持することが可能となっている。人の社会も蟻の社会も目先の利益のために100％の労力を注ぎ込んだらいずれ滅ぶとのこと。印象に残った話として普段巣からちょろちょろ出ている蟻は人間で言えばは定年後の蟻らしい。外に出て餌を取りに行くことは危険が多くあり、もしものことがあっても良いように余生の短い年寄りを扱うとのこと。 昆虫が心底嫌いでなければ一度は読んでほしいと思える人に薦めたい本だった。

[hsgcrosさんの感想 · 2016年2月19日]

3

[htaku14さんの感想 · 2015年12月31日]

本書によると、2割程度の働きアリは働かない働きアリ。余力を残した方がコロニー全体の維持には向いている。
余力のない効率だけを求める現代の風潮にも一石を投じている。狂牛病のプリオンを例に挙げ、役に立つことを予測するのは不可能なので、何の役に立つか分からない基礎研究の重要性を訴えていることに共感。

著者プロフィール

進化生物学者、北海道大学大学院准教授

「2022年 『面白くて眠れなくなる進化論』 で使われていた紹介文から引用しています。」