働かないアリに意義がある (メディアファクトリー新書 15)

著者 :
  • メディアファクトリー
3.53
  • (115)
  • (296)
  • (282)
  • (66)
  • (22)
本棚登録 : 2403
感想 : 405
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (189ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784840136617

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 私も働きたくないでござる(・ω・)

  • タイトルに惹かれた

  • そうか意味があるのか・・。そう思った。
    そのまま人間の組織に当てはめるのは難しいけど、閾値という考え方(?)は妙に納得した。

  • 何故だろう、ものすごく分かりやすく書かれているはずなのに、一向に何かが「残る」という気がしない。変に可愛らしいイラストでではなく、もっとシンプルな文章で説明してもらったほうが、自分には合っているのかも。

  • 一生懸命に働くアリたちを飽きることなく眺めていることがある。しかし、実際には同じ巣に住むアリ皆が働いているわけではない。ふつう7割は休んでいるという。ただし、緊急時(たとえば、アリが働く様子を眺めていた子どもが、いたずら心で、巣に砂を流し込む)には休んでいたアリも働いて、危機を乗り越えていくのだそうだ。フル回転の自転車操業では、非常時に社会は立ち行かなくなる。さて、ではどのアリがよく働くかというと、感度の高いアリ。人間でも、散らかっているのが気になってすぐ片付ける人と、あまり気にならないから自ら片付けようとはしない人がいる。それでもいろんなタイプの人がいると、世の中は何とか成り立っていく。同じ種類の人ばかりだと、散らかり放題。それでは困る。だから遺伝子もシャッフルしないといけない。人の世もアリの社会も同じようなことが言えるというわけ。おもしろい。

  • ちょっと学生気分を思い出した。
    ところどころのツッコミがいいです。
    あきずに、読める。

  • 生物学者の著者が、社会性昆虫のシステムを紹介する本。
    反応閾値が違う個体が混在することで、組織としてうまくいっているなどとても分かり易いです。

  • 働かないアリにも、存在意義がある。衝撃的な命題のような気もするが、研究者の長谷川英祐さんによれば事実。アリのコロニーのエコシステムは、何か異常が発生しても対応できるようになっている。アリの進化もそれなりの意味がある。働かないアリが、存在しているコロニーは長く繁栄し、逆の場合は繁栄しないそうだ。


    無駄なようでムダではない。効率ばかり追い求めると、組織は疲弊する。人間社会にも当てはまるアリの研究に、あるいみ敬意を持った。

  •  ハチやアリのような、繁殖をする個体と労働をする個体で集団(コロニー)を構成する「真社会性生物」についての研究成果を紹介するもの。さらには、生物学を例に、大学や学者の社会貢献について述べたもので、学問を目指す高校生、大学生も読むと良いと思う。タイトルからすると、さらにサブタイトルには「社会性昆虫の最新知見に学ぶ、集団と個の快適な関係」とも書いてあり、ひょっとするとアリに人間を見立てて、社会学、というか組織について論じる本じゃないかと思ってしまうが、そうではなくて、進化生物学者の著者が書いた生物学の本、だと思った。
     (ここからはネタバレになってしまうので、自分で読みたいと言う人は読まないで下さい)「好んで働かないのではなく、働きたいけど鈍すぎて仕事にありつけない個体」(p.60)が存在し、そういった個体の存在によってコロニーは長く持続する、という進化の結果であるというのがポイントであるようだ。反応閾値という考え方や、個を優先する「完全な群体(=超個体)」よりは「不完全な群体」が好まれる、という「コロニ―レベルの効率と持続性のあいだに綱引き」(p.167)があることなど、納得できた。また、「社会寄生」と呼ばれる種がいるのも面白い。そしてや「説明できないという誠実さ」(P.180)や、「短期的な効率のみを追求するような世界にはなってほしくない」(p.188)という説明に、著者の研究者としての姿勢が表れているように思う。さらに、「美しい理論のワナ」(p.93)や、「研究という活動は理論と一致した結果だと公表されやすく、理論と一致しない結果は公表されずに終わる可能性が高いもの」(p.177)などの学者ならではの知見、予測不可能な世界では何が役に立つか分からないので、「シードバンク」として大学は存在するのだという考え方を学ぶことができ充実している。大学を目指す高校生には読んで欲しいと思う本の1冊だった。(14/10/18)

  • 巣で生活するアリの世界ではそのうちの2割が全く働かないらしい。しかし、その働かないアリだけで生活させると、その中の8割は働き出す。つまり、働かないアリは働きたくないアリではなく、働けないアリでもない。アリたちにとって、働きたい、働きたくないという個の意思より、集団における協調、効率が重視されるのだ。

    では、なぜ巣に働かないアリが必要なのか。アリの巣が維持されるためには、常に活動し続ける必要がある。エサの調達、タマゴと幼虫の管理、外敵からの防衛と、年中無休の仕事は多い。しかし、アリだって働けば疲れるし、過労で動けなくなることもある。だから、予備要員は絶対に必要なのだ。

    生物学者の本なんだけど、なぜかサラリーマン社会学を説いているようだ。アリもいろいろと大変なんだと思いつつ、予備要員を用意している点では、人間社会より優れているのかも。

全405件中 91 - 100件を表示

著者プロフィール

進化生物学者、北海道大学大学院准教授

「2022年 『面白くて眠れなくなる進化論』 で使われていた紹介文から引用しています。」

長谷川英祐の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
マルコム・グラッ...
シーナ・アイエン...
ジャレド・ダイア...
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×