眩談 (幽BOOKS)

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  • メディアファクトリー
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感想 : 72
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  • Amazon.co.jp ・本 (285ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784840148917

感想・レビュー・書評

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  •  なんかこのシリーズもかなりワンパターンになったな。いくつ読んでも似たようなものだ。話の作り自体にも無理っぽさがにじみ出ている。内容よりも雰囲気とか語り口が主眼なのかもしれないけれど、さすがにもっと読もうという気にはならない。
     前々から凝っているのは本のつくりで、今回も独特のフォントとセピアぽい色の活字で組まれている。色合いも紙とのコントラストが弱いしクセのある字体でかなり読みにくい。まず「と」が気になって、そのうち「り」も気になって、「え」も変で、眩暈がしてくる。ああ。なるほど眩談か、ってそういうことなのかよマジで。だけど、こういうのは電子書籍にはできないだろうな。フォントが変わったら台無しだし。だいたい文が頁を跨がない京極作品のしきたり自体が電子化とは相容れないものだろうに、なんで京極堂シリーズなどが電子化されているのか不思議ではある。
     それはともかくその京極堂シリーズはどうなっちゃったんだろうか。出る出るといって出ない鵺の碑はどうなってるんだろう。もうそっちのアイディアは枯渇しちゃったんじゃないだろうな。お願いしますよ(笑)。

  • じわーりと嫌な気分にさせられる(褒めてます)怪談短編集。本の造りがとても凝っているのもポイントです。最初は自分の目がおかしいのかと思っちゃったけど。たしかに「眩む」ような造りかも。
    お気に入りは「シリミズさん」。うーむ、怖いような、ユーモラスなような……でもこんな家、住みたいかどうかって聞かれたら。悩んでしまいそうです。

  • 8つのくらくらとするような怪しい物語の短編集。
    その場の臭いやじっとりとした空気が感じられる「便所の神様」でのフォントの選び方や、装丁だけなく中のデザインもくらくらするようなものになっていたのはさすが京極さんーと思いました。
    厭な感じと不思議な感じと奇妙な感じがほどよくまざった読了感が味わえる短編集でした。

  • ホラー小説ではあるのだけど、ところどころ笑えるところがあってそこもまた楽しめた。
    奇妙な読後感もよいが、装丁や髪質、フォントに何よりくらくらする仕掛けがあって京極先生のこだわりを感じる。

  • ホラーなのに愉快な話が多くて、読後感もよし。

    シリミズさん家の話、きっと実際にお化けがいたらこんな感じだろうな、と思わせる説得力があって良かった。

  • 京極さんにしては読みやすいよね。
    お人形に水をあげる話が結構コワかった。

  • もくちゃん、こええ。

  •  タイトルどおりに目眩を起こしそうな不思議話な短編集。
     基本はホラーですけど、全然怖くはなく、しかし気色悪いというか後味の悪い読後感を残すストーリー・テリングはさすが京極夏彦の持ち味であります。

  • 「厭な小説」に通ずるものが…ちょっと関口君になった気分を味わいました。

  • 怪談というほど怖くない、でもどんよりした読後感の奇妙な短編集。
    書体もクラクラするような文字なのが凝っている。
    ひたすら昔の汲取式便所の描写が続く「便所の神様」などなんだこれは、と思うのだが、それでもどんどん読んでしまう。
    ベストは「むかし塚」。

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著者プロフィール

1963年、北海道生まれ。小説家、意匠家。94年、『姑獲鳥の夏』でデビュー。96年『魍魎の匣』で日本推理作家協会賞、97年『嗤う伊右衛門』で泉鏡花文学賞、2003年『覘き小平次』で山本周五郎賞、04年『後巷説百物語』で直木賞、11年『西巷説百物語』で柴田錬三郎賞、22年『遠巷説百物語』で吉川英治文学賞を受賞。著書に『死ねばいいのに』『数えずの井戸』『オジいサン』『ヒトごろし』『書楼弔堂 破暁』『遠野物語Remix』『虚実妖怪百物語 序/破/急』 ほか多数。

「2023年 『遠巷説百物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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