世界の経営学者はいま何を考えているのか――知られざるビジネスの知のフロンティア
- 英治出版 (2012年11月13日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
- / ISBN・EAN: 9784862761095
感想・レビュー・書評
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理論があるなら、予想が出来るのではないか。トップジャーナル掲載理論仮説の9%が実証されていないと言うのはやはり本書で言われる科学らしいものに留まってしまうんじゃ
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持続的競争優位 Mポーター
トランザクティブメモリー 組織の記憶 -
経営学を学ぶ前に読みたかった一冊。経営学という学問が「社会科学として、まだ実際のビジネスに役立つ実学としてどうあるべきか」を考える"材料"を提供してくれる。著者がエッセー風と言う分、文章も読みやすい。
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蔵書
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トランザクションメモリは参考になった。
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途中まで読んで積読状態だった。ドラッカーをありがたがっているのは日本ばかりなり。これだけ記憶していた。経営学のスピードの速さや裾野の広がりは学ぶ内容の変遷に繋がる。教育では不易と流行という言葉が多く使われるが,経営においての不易はどんなものなのだろうか。
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やっぱ帰納的アプローチの方がおもしろい
そういえばわたくし、経営学士です。
ということで話題になっていたときから気になっていたこの本を手に取りました。
英治出版というはじめて拝見する出版社さんですね。ちょっと調べたら社長さんの経歴といい、おもしろい会社さんだ。「イシューからはじめよ」とか、結構気になる本を出されているところなのね。
PART1と3が面白かったかな。
経営学には
経済学ディシプリン、認知心理学ディシプリン、社会学ディシプリンの3つの流派に分かれてるよ、という紹介があり、それを自分の学校のこの学科はこれかな、なんて当てはめてみるのは楽しかったです。
PART2に関してはそれぞれのコンテンツが淡々と述べられているのはアメリカチックというか、翻訳された本のようです。
最近読んだ本だと「スタンフォードの自分を変える教室」が近いかなあ。
PART3にも書いてあるけど
経営学では「特殊だからこそ成功している企業」に皆さんの関心があることが多いはずです。
というのが大きいのかな。
読んでみてやっぱり、演繹的アプローチより、帰納的アプローチの方がおもしろいなあと感じてしまいました。
この本の特色として、理論の数式的のものや条件などをとっぱらって文字エッセンスとして広く伝える、というものがあるだけに、その分信憑性、判断をするための情報に欠ける面は否めません。
「海外、特にアメリカの動きはわかった。その上で自分が何を知っていくかを採択していくことができる」というためには有益な本でした。
話が出てきた
「エビデンス・ベースト・マネジメント」ってこれ星野リゾートが導入しているものね。 -
世界のビジネススクールの最前線にいる経営学者が取り組んでいる研究を、エッセイ風にまとめている。
まず、世界の経営学に対して、①アメリカの経営学者は、ドラッガーを読まない、②世界の経営学者は、科学を目指している、③ハーバードビジネスレビューは、学術誌ではない(ので評価されない)といった3つの案外知られていないこと、加えて、④ポーターの戦略だけでは、もう通用せず、競争優位の短期化という外部環境の変化に、迅速に対応していく必要がある、といった点について述べている。
次に、企業が競争優位となるためには、イノベーションが必要で、企業に求められるのは両利き(知の探索と知の深化)の経営である、という点について、主に知という観点で述べている。知は、知と知から生まれるものであり、知の範囲の広さ、深さが重要である。知の探索と知の進化を進めるために、ソーシャルなどにより、知の探索を進め、組織学習などにより知の進化を進める必要がある。アントレプレナーが集積化するのも、直接コミュニケーションして、知の探索を進めるためである。ある経営戦略を導入したから業績があがった、という話をよく聞くが、戦略導入が直接の要因ではなく、その経営戦略を導入できる経営資源があったから業績が上がった、というのが正しい。知という経営資源の重要性がわかる。
また、①不確実性の時代の事業計画の立て方、②買収額の払いすぎの原理(思い上がり、あせり、プライド)、③コーポレートベンチャーキャピタルに求められる信頼性、④リソースベーストビューについての論争、についても、後半で言及している。 -
米国のビジネススクールで助教授として活躍する著者が、世界の経営学の最新の動きをわかりやすく紹介した一冊。「ハイパーコンペティション」といわれる変化の激しい時代には、ドラッカーやポーターといった古典だけでは環境に適応できなくなっていることをふまえ、世界の経営学者が日々、新たな理論を構築・検証する研究を続けており、本書を通じてそのダイナミックな世界の一端に触れることができる。
著者はまず今日の経営学の潮流を大まかに整理した後、個別のテーマに沿って解説しており、それだけで本が一冊書けてしまえるような多岐に渡る内容が盛り込まれているが、それらの中心にあるのは「知」と「組織」(あるいは「社会」(=ソーシャル))との関係性からイノベーションのメカニズムを明らかにしようとする動きであり、世界を視野に戦う日本企業にとっても、多くの示唆が得られる。
著者の意図は、古典的理論に盲目的に執着するのではなく、日々進化し続ける世界レベルの研究に、英語という障壁を超えて我々の目を向けさせることにあるが、同時に帰納的分析による新奇性をもった理論構築ばかりが重視される今日の経営学に対する批判も忘れてはいない。いずれにしても、世界レベルの経営学の「今」を良い意味で薄く、広く、素早く理解するには格好の一冊といえる。 -
国民性の距離を図ることができる研究があるのを初めて知った。実に興味深かった。
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