その女アレックス (文春文庫) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 「その女アレックス」(ピエール・ルメートル : 橘 明美 訳[Kindle版]を読んだ。
    いやーこれはすごい!!
    とにかく読み始めたら止まらない面白さです。
    久しぶりに「あっ!」と言わされる作品に出会いましたね。

  • どこでもかしこでも絶賛されていて、悪い評判をきいたことがなく、ものすごく読まれているみたいなので、逆にわたしは読まなくてもいいか、と思いつつ、やっぱり読んでみた。
    確かに、ものすごく意外性があって驚いたし、こんなタイプのミステリって本当に読んだことなかったし、評判どおり凄いな、とは思った。
    捜査する刑事たちはみな個性的で、好感がもてて、ユーモアもペーソスもあってとてもよかった。この刑事たちでシリーズものがあったら読みたいと思う。

    でも、あくまで個人的な好みの問題でいえば、わたしは嫌い。。。かなり苦手。。。知ってたら読まなかったかも。

    以下、ネタバレ含みます。





    誘拐されてひどい目にあったアレックス、しかも、どうやら孤独で今まで幸せではなかった様子なので、どうにかして助かってほしい、と思いながら読んでいたのに、そのアレックス自身も極悪な犯罪者であった、と。えーそうなんだーとなんだかがっかりして裏切られた気持ちに。で、さらに読んでいくと、まあ、彼女が殺したくなるのもわかる、と思える過去が明らかになるけれども、だからといって殺せばいいのか、復讐すればいいのか、ともやもや。しかも、それでアレックスが復讐を果たして晴れ晴れしたり、逃げおおせるわけでもないのがまたすごく気が滅入る。後味が悪い。そもそもの悪の根源の人間はつかまって正義は果たされたとなるのかもしれないけれど、わたしはすっきりしなかった。
    アレックス自身は結局、全然いいことなかったんじゃ? と思えてならない。。。
    復讐の方法にしても、そもそもの原因の、性的虐待の話にしても、ここまで過激というか猟奇的にしなくてもいいんじゃないか?とも思うんだけど。
    展開の斬新さ、意外性だけで読ませてくれたら、絶賛できたのになあ、とか。

    フランスミステリらしいシニカルさなの??

  • 話としては文句なくおもしろい。まったく予想しない展開で話が進み、個性豊かな登場人物たち。ただし唯一減点する点としてはかなりグロイ内容なので、人によっては読んでいて気持ち悪くなるかもしれない。著者についてまったく知らず、書きっぷりからシリーズ本のようであるが、唯一減点のグロが他シリーズでもきついかもと思って、別シリーズを読まないと決めた。

  • 【作品紹介】
    話題独占、一気読み必至の大逆転サスペンス。貴方の予想はすべて裏切られる――。
    おまえが死ぬのを見たい――男はそう言って女を監禁した。檻に幽閉され、衰弱した女は死を目前に脱出を図るが……。
    ここまでは序章にすぎない。孤独な女の壮絶な秘密が明かされるや、物語は大逆転を繰り返し、慟哭と驚愕へと突進する。
    「この作品を読み終えた人々は、プロットについて語る際に他の作品以上に慎重になる。それはネタバレを恐れてというよりも、自分が何かこれまでとは違う読書体験をしたと感じ、その体験の機会を他の読者から奪ってはならないと思うからのようだ」(「訳者あとがき」より)。

    【感想】
    ここまでは序章にすぎない。孤独な女の壮絶な秘密が明かされるや、物語は大逆転を繰り返し、慟哭と驚愕へと突進する。

    作品紹介に、上記のくだりがあり、本屋大賞など数々の賞も取ったという紹介に惑わされ、期待し過ぎた感あり。
    確かに、予想外の展開だったが最後のオチも予測できてしまったので、評価は★★★★星4つ。

  • 読めば著名人がうなる理由がわかる。幾重にも不運が重なった人の内なる残虐さが感じられた。主人公の気持ちが淡々とした描写の中から浮き上がってくるように見えるのは何故だろう。それが主人公の負の魅力を増してるように思える。久々に一気読みしたサスペンス。

  • フランスの推理小説はもっとかったるいかと思っていた(失礼)のですが、さすが話題作、の面白さでした。逆に言うとフランス色はそんなに感じなかったかな。最近の映画もそうですが、英語圏の影響を感じます。

    第1部が終わった後のアレックスの描き方が絶妙なバランスで、結構グロテスクな描写ながら、ピカレスク的な魅力があるというか、そこで彼女を心底嫌いになりきれないうちに次のどんでん返しが来るので、ラストに納得がいく、と思いました。淡々と「仕事」をこなしつつも、別にそのプロセスを楽しんでいない感じもさらっと描かれるし。
    小児に対する性的虐待が「どんな犯罪よりも最低最悪」という皮膚感覚が、日本より強いんだろうなという感じも改めてうけました。

    映画化も進んでるって話ですが、ゴーン・ガールが先に出たのはちょっと痛かったかもしれないですね。後半はだいぶ違うんだけど、一見似てますし。

    警察の面々もそれぞれに類型的過ぎずに魅力的で、「また会いたい」とも思うので、ぜひシリーズの他の作品も和訳して頂きたいです。

  • 映画はゴーンガールに似た感じになりそう。
    拘束期限の48時間は意味は?鑑定結果出てからの逮捕でもいいのでは。

  • どんなどんでん返しが待ち受けているのか気にしながら読んだ。吐き気がする、救いがない話だがだぜか読後、爽やか。カタルシスを感じた。

  • 「2014年このミステリーがすごい!第1位」の作品。一部・二部・三部とめまぐるしく状況が展開していき、誰が加害者で誰が被害者なのかが最後までわからないためハラハラしながら読んだ。サスペンス小説であり、誘拐事件がテーマかと思いきや、途中で誘拐事件が完結してしまう。良い意味で読者を裏切る小説なのかも。
    ただし結末を迎えるまでにかなりリアルなグロテスクなシーンがあり、読むのに耐えるのが厳しかった。そして、哀しさと虚しさを孕む読後感は、何ともやるせない。
    刑事達の選択など、正義と真実についても考えさせられる。日本じゃなくてフランスであるという前提をどの程度理解できるかが物語へ入り込めるかのキーなのかもしれない。

  • ストーリー展開が早く、どんでん返しを予想出来なかった。おもしろい!

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