- Amazon.co.jp ・電子書籍 (382ページ)
感想・レビュー・書評
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世に「親ガチャ」という言葉が広まったとき、自分はこの言葉をひどく嫌った。他責の極みみたいな言葉だなと思った。でも、そう思えた時点でこの作品の主題とされる人々とは既に目線が、土俵が違っていた。貧富の差だけが「親ガチャ」ではない。もっと根源的な、「無償の愛」を媒介とする関係性が欠如している人々を、そうでない我々がどうやって理解できるのだろうか。被害者たちが死をもって権利を手に入れたという文言が頭から離れなかった。記者目線というのが客観性を担保するが人物の掘り下げはもっとできたのではないかとも思った。
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人をカテゴライズすると分断を生みかねない、小説のストーリーよりも結末よりも何よりも面白いフレーズだった。イヤミスではない、割と展開は想像がつきやすい。
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貧困環境をリアルに隠すことなく表現し、貧困の現実を突きつけられる。
物語はさまざまな登場人物視点で物事が語られる。事件が角度を変えて語られる毎に違った事件像とそれに関わる人々の人物像が乱反射。良い側面が他の人からは悪となりまた逆も…
最終的にはタイトル通り、蟻の棲家、蟻の環境で育った人はそこから抜けられない。本質は蟻でしかないという結末。
社会の貧困の本質を描くサスペンスで、とても面白かった。 -
工場の権力闘争の話がいかにもありそうで面白かった。独特な比喩表現が気にならないとは言えない。
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貧しさで犯罪をするしかなかった若者たちの悲哀。
読んでいて気分が悪くなるくらい悲惨な家庭環境。しかし途中で止めるのも後味が悪いので最後までページをめくる。
そこのハッピーエンドもカタルシスも無い。
おススメはしない