ヘミングウェイの代名詞のように紹介されることが多い作品。カジキマグロと小舟に乗った老人が海上で格闘をしているだけの作品とサクッとまとめられる内容だが、簡潔ながら心に染み入る表現が多く、深く考えさせられるものがあった。

2024年4月17日

読書状況 読み終わった [2024年4月17日]
カテゴリ 猫町

著者は文化史家・評論家。本書は「一般教養としてキリスト教を学ぶ」というコンセプトのようだ。本書の半分近くが「聖書概説」となっているが、中途半端な各文書のあらすじ紹介でしかなく、消化不良な内容である。後半部分は誤解を受けやすい様々な事象について、いくつかキーワードを挙げて解説しているが、そこもところどころさらなる誤解や偏見を助長しかねない表現が散見されるのも残念なところ。

2024年4月14日

読書状況 読み終わった [2024年4月14日]
カテゴリ キリスト教

著者は中世哲学を専門とする東大教授である。本書はカトリック入門または中世哲学入門としても読める良書だった。キリスト教は「隣人愛の宗教」であるが、それは「自己愛否定」で「自己犠牲を推奨している」と思われやすい。しかしそれがいかに一面的な偏見であるかを、本書は丁寧に解き明かしてくれている。意外と類書の少ないテーマであり、キリスト教ひいてはカトリックに関心をお持ちの人にお勧めできる一冊となっている。

2024年3月26日

読書状況 読み終わった [2024年3月26日]
カテゴリ キリスト教

ホメロスによる叙事詩。タイトルは知ってるが読んだことないという方は多いのではないか?3000年前に書かれたのが信じられないほど面白い。祖国への苦難に満ちた旅路を描いたのが上巻。下巻は帰国後の物語となっている。

2024年3月6日

読書状況 読み終わった [2024年3月6日]
カテゴリ 猫町

古本屋で衝動買い。トンデモ本の誹りを受けても仕方ない著書の多い著者だが、本書はかなりまともな真宗学論であった。「歎異抄」が西洋近代哲学の影響を受けて、いかに歪んだ解釈をされてきたかを論じている。内容に共感できるところが多く、改めて気付かされた点も多かった。

2024年2月23日

読書状況 読み終わった [2024年2月23日]
カテゴリ 仏教

著者の本業は小説家で最近カトリックの洗礼を受けた人。「どろどろシリーズ」と言って良いだろうか?著者によるキリスト教を紹介する新書は、本書で3冊目になる。カトリック教会で聖人に認定された人たちを時代順に軽く紹介する内容。一人当たり2・3p程度なのでサクサク読めるのも良い。キリスト教への悪意ある質問の一部への返答となっている「あとがき」も読み応えがあった。

2024年2月21日

読書状況 読み終わった [2024年2月21日]
カテゴリ キリスト教

図書館で衝動的に借りた。「無政府主義=アナーキスト」を自称するマルクス主義者による一遍上人評伝。同じ言葉なのに漢字表記だったりひらがな表記だったりと、表記が不統一で非常に読みづらかった。踊り念仏を実施するシーンで「フォー」などの根拠不明で意味のわからない擬態語がやたらに出てくるのも不快だった。一遍上人による仏教的な清貧思想と自身のマルクス主義的な私有財産権否定とを強引に重ね合わせただけの内容で、教義についての説明も一面的かつ中途半端なのもいただけない。

2024年2月21日

読書状況 読み終わった [2024年2月21日]
カテゴリ 仏教

読書会課題本。「あれこれ語られているようで、実は何も語られていない」そんな印象だけが残った。読み終わった後に何も残らない空虚な本だ。こんなのが一昔前に日本の哲学界を席巻していたのかと思うと暗い気持ちになる。特に、最終章での音楽についての議論はまさに噴飯物。

2024年2月8日

読書状況 読み終わった [2024年2月8日]
カテゴリ 猫町
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著者は20世紀の中頃に活躍した児童文学作家。舞台はティーネージャーの通うドイツの架空の寄宿学校。「飛ぶ教室」はその学校のクリスマス会に上演された架空の演劇のタイトルである。”クリスマス”にふさわしい心温まるエピソードの詰まった一冊だった。これがナチスが台頭しつつある時代に書かれたことを思うと、とても心に染み入るものがある。

2024年1月31日

読書状況 読み終わった [2024年1月31日]

「観応の擾乱」とは南北朝時代にあった足利尊氏・直義の兄弟間にあった権力争いである。本書ではこれを多彩な一次資料を引用しながら簡潔にまとめられていて、とても読みやすかった。著者はこれまでにあった「足利尊氏は朝敵」という歴史観に異を唱えており、そこにも共感ができた。

2024年1月31日

読書状況 読み終わった [2024年1月31日]
カテゴリ 歴史・時代小説

複数回のドラマ化もある人気シリーズ一作目。トリックなどに強引さは多少感じるけど、シリーズ化も納得の面白さであった。テレビドラマ版と違うところが多く「原作ではこうなってたのか」という発見があったのも面白かった。

2024年1月16日

読書状況 読み終わった [2024年1月16日]

読書会課題本。著者は本書で昨年「読売文学賞」を受賞。ヤンとヤネケの関係性は、多くのキリスト教に対してネガティブなイメージを持つ日本人にはわかりづらいのではないか?と思ったので、本書が文学賞を受賞したのは意外であった。

2023年12月31日

読書状況 読み終わった [2023年12月31日]
カテゴリ 猫町
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著者は経済学者でコロナ禍の時に「分科会」にも所属していた人。行動経済学の基礎を初学者向けに書いた本で、読んでいて大学一年生向けの基礎講座を受講したような気分になった。巻末に詳細な参考文献一覧があるのも嬉しい。行動経済学について学ぶ時のとっかかりとして、最適となる一冊であるように思う。

2023年12月30日

読書状況 読み終わった [2023年12月30日]
カテゴリ 猫町
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読書会課題本。著者は母国の米国内に世界文化遺産と後になる住宅を7つ残した20世紀を代表する建築家で、東京の帝国ホテルの設計に携わるなど日本とも縁が深い。そんな彼が理想的な建築や住宅について持論を述べている感じの一冊。あまり近代建築への知識がないのもあって、読むのに苦労したし、それほど楽しめなかった。

2023年11月22日

読書状況 読み終わった [2023年11月22日]
カテゴリ 猫町
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読書会の課題本。経営者向けの自己啓発本。原題をそのまま訳すと「優秀な経営者」となるだろうか?会社経営者など、知的労働向けの本ではあるが、そうでない人にも参考となる記述は多い。またこういうテーマの本は、過去の成功体験をダラダラと述べているだけの本も多いが、本書はそうなっていないところも好感が持てる。

2023年10月30日

読書状況 読み終わった [2023年10月30日]
カテゴリ 猫町
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映画レビューのYouTuberとしても著名な著者のデビュー作。「このミステリーがすごい大賞」の最終選考に残ったことで話題になった。文体が今風な感じで読みやすい。”本格ミステリ”を期待するとがっかりするだろうが、そういうタイプの読者はタイトルを見ただけでスルーするだろう。期待以上に楽しめた。一部で批判の多いオチも素直にクスリとさせられた。続編も読んでみようと思う。

2023年10月4日

読書状況 読み終わった [2023年10月4日]

同著者の他の作品が面白かったので購入。映画化もされたベストセラー。しかし、犯人が結構早い段階でわかってしまい、ミステリーとして中途半端な印象だけが残った。読み終えた後も人気のある理由がよくわからなかった。また一部倫理観を疑う記述が散見されたのも残念だった。

2023年9月30日

読書状況 読み終わった [2023年9月30日]

三部作に及ぶ本シリーズを一言で言えば「米国人から見た太平洋戦争」である。第二部上巻にあたる本書では「ガダルカナルの戦い」から「山本五十六の戦死」までを描いている。特に米軍側から描かれたガダルカナルの戦いは読んだことがなかったので、本書では米軍側の兵士の疲弊ぶりや具体的な被害状況などがわかり、とても新鮮に映った。

2023年9月23日

読書状況 読み終わった [2023年9月23日]

読書会の課題本。言うまでもなく、日本最古の歴史書の一つ。約5回目の再読になる。純粋に物語として面白い部分はあるし、なんだかんだで本書に登場する神々に由来する神社は多いので、寺社仏閣巡りに興味ある人は一読しておいて損はないと断言できる。ちなみに本書には『現代語訳』は付いていないが、あれこれ言うほど難しい印象はない。

2023年9月14日

読書状況 読み終わった [2023年9月14日]
カテゴリ 猫町
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友人が、本書を読んだことをきっかけにカトリックの洗礼を受けたという話を聞いて読んでみた。聖書学者である友人とイスラエルを旅する「私」の旅日記風の物語と、福音書をいくつかの人物の視点からリライトしたような物語が交互に出てくる構成になっている。巻末の解説が著者と親交の深かった井上神父によるものであり、これも必読と言えると思う。

2023年8月21日

読書状況 読み終わった [2023年8月21日]
カテゴリ キリスト教

著者はキリシタン研究で著名な牧師。キリシタン遺跡に特化した観光案内という感じの一冊。京都におけるキリスト教史にも触れることができて、色々と勉強になった。

2023年7月10日

読書状況 読み終わった [2023年7月10日]
カテゴリ キリスト教

過去課題本。ストーリーは全くのフィクションだが、日本社会に今も厳然として存在する排他的な村社会の縮図がリアルに描かれていて、これが著者が20代の時に書かれた作品なのに驚く。タイトルの意味は最後まで普通に読めばわかる。

2023年6月7日

読書状況 読み終わった [2023年6月7日]
カテゴリ 猫町
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著者はカトリックの司祭。人生に関する諸問題について、キリスト教徒がどう考えているかについて書かれた本。世間一般では誤解されやすい聖句についての解説もあるのが良い。著者自身の宣教活動での実体験がベースなので、かなりの読みごたえがあった。

2023年5月31日

読書状況 読み終わった [2023年5月31日]
カテゴリ キリスト教

複数回の映像化もある人気作品。最終巻である本書では、連載末期の短編を6本収録。そして、連載末期なのも納得の内容だった。日本の昔話などが主題で、無理矢理感がある。さすがの手塚治虫も「ネタ切れ」を起こしていたのではないかと思われる。

2023年5月30日

読書状況 読み終わった [2023年5月30日]
カテゴリ 漫画
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