影との戦い: ゲド戦記 1 (岩波少年文庫 588 ゲド戦記 1)
- 岩波書店 (2009年1月16日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (318ページ)
- / ISBN・EAN: 9784001145885
感想・レビュー・書評
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It is over.ここで、ここでゲドが笑うときに、私の目からは涙がポロリ〜と必ずこぼれるのですよ。初めて、英語版で読んでみました。I am whole, I am free 感動は同じだ。
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アニメより、よっぽど面白い。
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ずっとずっと、その存在は気にしていたがこれまで手に取ることのなかった本。アメリカで刊行された1968年当時は、きっと現在のハリーポッターのような衝撃を読者は、覚えたのではなかろうか。
最近、小説においても児童書においても現代文学しか読んでいなかったので、数十年前に描かれたこの本を読み始めた当初はなかなかページが進まなかった。しかし、物語に吸い寄せられるうちに少し古くなってしまったその文体にも慣れ、ドンドンと読み進めていった。
光と影の関係は、現在様々な比喩に使われる。どんなにすばらしいものにも闇はあり、ときに人間はそれに脅かされる。たとえば、現在の原発問題がそうだ。安全に使えば低コストで多量の発電ができる便利な道具だが、一度問題が起きるとなかなか収束しない。地球の脅威にもなりかねない。読んでいる最中は、「まるで、ドラゴンボールに出てくるピッコロ大魔王と神様の関係のようだな」と思ってしまった。あるいは、ある魔法使いのエピソードは「山月記」の様でもあると思った。
先述したハリーポッターシリーズも含めて、その他多くのSF物語に影響を与えたであろうこの作品。続きを読むのが楽しみである。 -
魔法の修業を積む孤高の少年ゲドは、同級生の挑発にのり、恐ろしい影を呼び出してしまう。アースシーという他島海を舞台に、影からの逃避行そして追跡が始まる。影を制するには、その名を知らなければならない。その名とは…。
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2006.7.11
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「自分でまいた種は自分で刈り取る」、自分との戦い。さらりと口に出来るが、実際そういう生き方をしている人は、少ない。迷いながら、矛盾しながらも、最期には勝利を手にする。自分を、追え。
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かつて、「竜王」と「大賢人」の二つの称号を手にし、その偉業は今日まで歌い継がれている「ハイタカ」と呼ばれた魔法使いがいた。これは、その大賢人が、己の才能に目覚めた少年期から、青年期にいたる成長の過程を描いたもの。魔法使いは、心の底から信頼できる者にしか本名を明かさない。「ハイタカ」の本名は「ゲド」。思春期特有の傲慢さから、彼は、黄泉の世界から「影」を呼び出してしまう。ジャンルとしてはファンタジーものだが、文学的酩酊を伴う傑作。(高橋節子先生)