職業としての学問 (岩波文庫 白 209-5)

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  • Amazon.co.jp ・本 (92ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003420959

感想・レビュー・書評

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  • 学問についての情熱的講義録邦訳。第一次世界大戦後にドイツで行われた講義だそうだが、ここで指摘される問題点はこんにちの日本に至ってもまるで改善されていない。一般に「世間に甚大な影響を与えた書物」を名著と呼ぶそうだが、それではこの本は名著とは呼べないのだろうか。そんな暗澹たる気持ちにすらなる。しかし私も、教師というより指導者を求めて大学の講堂に入り込んでいたきらいがあるので、あまり大きなことは言えない……。
    大学生になったら、いな大学を志したらとっとと読むといいと思う。時折感情的で、概ね装飾された回りくどい物言いなので、言ってる内容は単純なのになかなかわかりにくいけれど。面白い人だなヴェーバー。

  • 語り口からM.ウェーバーという人間に親しみを感じられた。こんなに熱い人だったのか!と。
    翻訳者は読みやすさをかなり考えたというからその努力のたまものだろうか。本当に大学で彼の講義を受けてるみたいな気分になった。
    ☆学問は工場で何かを作るときみたいにただ決められた製法にしたがって進められるものではないよ。作業と情熱が合体した時に生まれる。でも、その思い付きが降ってくるのは予期しないときだったりもする。
    ☆政治家の街宣は批判を受けるけど大学の講義室は基本的に傾聴者のみが集まるし力関係もあるからなおのこと教師は自分を律しなければならない。
    ☆教師の一番大事な仕事は生徒に「都合の悪いこと」を認めさせることを覚えさせること。
    ★いたずらに待ち焦がれているだけでは何事もなされない。

  • 請求記号:A/002/W51
    選書コメント:
    これは1919年にウェーバーがミュンヘンで行った講演の翻訳で、原書は1922年に『科学論論集』に所収。講演内容だけであれば、60頁強の短い物。教師でなく指導者を求め、認識の代わりに体験を、事実の代わりに世界観を求めがちであった当時の若者たちに対して、学問と政策の峻別を説き、学問が「職業」として成り立っているのは、あくまでも事実的関連の自覚・認識を役目としているからであって、救いや啓示をもたらす役割はないことを述べている。そして徒に希望を待っているのではなく、日々の仕事、要求に無私の精神で臨むことが実は自我を生かすことになることも書かれており、大学で学ぶことの意味を根源的に考えさせられる名著である。
    (環境創造学部環境創造学科 大杉由香 教授)

  • 入門書を読んでぜひ原書を読みたいと思った本。やはりびびっと来た。ウェーバーさんとハーバマスさんは社会の視点として個人側に対比させて読んでいきたい。

  • 20世紀初めのドイツ、戦争や不況もあって、若者たちはざわついていた。彼らは学問にすがろうとし、稀代の学者ヴェーバーに講演を依頼するが、ウェーバーはトルストイを引用しこう答える。「それは無意味なものである。」…えっマジで!?
    学問とは何か、研究者はどうあるべきか、我々はどうすべきか-学問に触れる(触れた)すべての人に突き刺さる、ヴェーバーの学問論。
    (DUB.SAR)

  • 甘かった認識...

  • ザッヘ(日々の仕事)に帰れとのこと。学問を何かの為に用いようとするものに進歩はない。現在でも通ずる普遍性をこの文章は持っている。

  • 昭和初期くらいに翻訳されており、分かりにくい日本語が多く、理解できない部分もあった。しかし、内容は普遍的な内容で、今読んでも不足のない、ためになる内容だった。学校の先生といわれる人や大学で教鞭をふるっている人たちにはぜひとも読んで貰いたい内容だった。

  • 主な論点・フレーズ:

    ①「大学に職を奉ずるものの生活は すべて僥倖の支配下にある」(才能の支配下ではない、ということ。使命は学者+教師という二重性に満ちている。適任者とコンクラーベ…)
    ②「心構え(専心の必要性)」(情熱なしになし得る全ては無価値である。情熱による「霊感」は学者にとって決定的。作業と情熱とによって思いつきを誘い出す)
    ③「学者の仕事はつねに"進歩"すべく運命づけられている」(学問上の"達成"は、つねに新しい"問題提出"を意味する)
    ④「知るに値するかどうかは、学問みずからが論証しうべき事柄ではない」(事実の確定と「べき論」は全く別だと認識せよ。教壇上から自らの政治的見解を押し付けるな。「気をつけろ、悪魔は年取っている、だから悪魔を理解するにはお前も年取っていなくてはならぬ」(ゲーテ))

    ④に関してだけ一応反論を試みると、結局、
    (1)教員がアカハラをせず(単位とかを盾にせず)、かつ、(2)学生側が一人一人の教員の見解を相対化できればよし、ということにはなるまいか?

  • この本を知らなかったことをちょっと恥じた。けれどなんべん読もうと思っても読み進めることができないほど何を言いたいのかがわからないので読み終わったことにしてしまう。

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著者プロフィール

1864-1920年。西洋近代について考察したドイツの法学者・経済学者・社会学者。代表作は、本書に収められた講演(1919年公刊)のほか、『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』(1920年)など。

「2018年 『仕事としての学問 仕事としての政治』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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