- Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
- / ISBN・EAN: 9784040822402
作品紹介・あらすじ
9.11を予言したと米国で話題になった戦略研究書。米国の軍事戦略に大きな影響を与えたとされる「幻の1冊」が新書にて復刊。
「私たちは予言者になることは望まなかったし、ましてや血なまぐさい現実となる可能性のあるテロ事件を予言する先覚者になろうなどとは思ってもみなかった。しかし、神様は、人々の多くの善良な願いを取り合わないのと同様に、私たちのこうした願いを取り合わなかった。
二〇〇一年九月一一日以後、私たちは数多くの電話を受けたが、一番多かったのは、「不幸にも予言が当たりましたね」という言葉だった。それは、ニューヨークのマンハッタンで起きた正真正銘のアメリカの悲劇を指していた。(「日本語版への序文」より)」
感想・レビュー・書評
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超書 21世紀の「新戦争論」 あらゆるものを組み合わせて、1つの目標を達成するように運用し、その全過程を管理する、それが、あたらしい戦争論である。
超限戦とは、軍事の領域を大きく超えた総合戦のことである
湾岸戦争以後の状況を冷静に分析し、現代に必要な闘いとは、孫子、クラウゼビッツによる、旧来の軍事論に加えて、マキャベリの「君主論」による軍事領域を凌駕した領域での戦いである。
■問題提起
・すべての境界と限度を超えた戦争、それが超限戦である
・あらゆるものが手段となり、あらゆるところに情報が伝わり、あらゆるところが戦場となる。
・すべての兵器と技術が組み合わされ、戦争と非戦争、軍事と非軍事というすべての境界が打ち破られる。
・一つの目標を達成するために動員できる力をすべて協力して投入する。
・戦争の過程すべてにおいて、絶えず情報を収集し、行動を調整し、情勢をコントロールする
■戦争の原則
・戦争の段階区分は簡素化でき、4段階のレベルに分ければ十分である。①大戦ー戦策、②戦争ー戦略、③戦役-戦芸、④戦闘ー戦術
・「彼れを知りて己を知れば、百戦して殆うからず」「其の無備を攻め、其の不意に出ず」、「実を避けて虚を撃つ」などの原則はよく知られ、今日でも戦術家の行動の信条になっている。
・冷戦後、イデオロギーを同盟の基盤とする時代は終わり、利益のために同盟を結ぶやり方が主役になった
■ベトナム戦争の教訓
・ベトナム戦争後、アメリカ軍もアメリカ社会も、軍事行動での人員の死傷については病的なほど敏感になっている
・ステルス機、精確な弾薬、新型戦車、ヘリコプター、さらに超視覚攻撃、絨毯式爆撃が無制限に使用されるようになった
・すなわち、勝利しなければならないが死傷者を出してはならないという目標を同時に担うことになった。
■湾岸戦以後の近代戦
・米軍は、所有している先端技術に比べて、戦術は明らかに贈れているし、新戦術にチャンスを提供するために新技術を補足することにも長けていない
・軍事行動以外のすべての「非軍事の戦争行動」をプラスして初めて、完全な意味での全次元作成を実現することが可能となる。
・軍事革命とはすなわち軍事技術革命である。
・軍事思想の革命とは、つまるところ、作戦の様式と方法の革命である。
・盟主となったアメリカ軍は、「全面的優位性」、「海から陸へ」、「グローバルな関与」の3つを陸海空の3軍の新しい目標として確立、それにもとづいて、デジタル化装備、新型水陸両用攻撃艦、ステルス、遠距離爆撃機を選び新しい世代の兵器とした。
・先見の明のある国は、軍の簡素化の中で、人数の圧縮に主眼を置くのではなく、軍人の資質や兵器・装備におけるハイテクの割合の上昇、軍事思想や作戦理論の更新に力をいれるようになった。
■旧来の戦争の限界
・すべてが変化している。技術が爆発的に進歩し、兵器が更新され、安全観念が広がり、戦略目標が調整され戦場の限界が曖昧になり非軍事的手段と非軍事的要員が戦争に巻き込まれる範囲と規模が拡大する
・一つひとつの変化のためにそれと対応する戦法を求めるのではなく、すべての変化のために、共通の戦法を見つけ出すことが必要である。
・戦争はすべて兵器を動かすものだという時代がまだ過去の歴史となったわけではないが、観念としては明らかに時代遅れになり始めている。
・全体の戦いに勝つための、法則を探し当てることは問題研究の結果であると同時に、問題研究の始まりである。
・ますます多くの国が、政治、経済、国防、安全保障などに関わる重大な問題については、視線を軍事領域以外にも向け、他の手段を用いて補充し、ゆたかにし、ひいては軍事手段にとって変え、武力だけで達成できない目的を達成しようとしている。
・手段の複雑化がもたらしたものは、すべての軍人が思っていもみなかった、戦争の平民化である。
・孫子やクラウゼビッツでさえ、自分を軍事領域の檻の中に閉じ込め、マキャベリだけがその思想の空間いに迫っていた。長い期間にわたり、「君主論」とその作者は、その思想があまりにも時代の先を云っていたので、騎士や君子に歯牙にもかけられなかった。
■超限戦とは
・非軍事の戦争行動とは、軍事行動の包容の能力ははるかに上回るすべての活動領域にまで、拡大した。陸海空のみならず、情報戦、貿易戦、金融戦、生態戦、心理戦、密輸戦、メディア戦、麻薬戦、文化戦、国際法戦などである。
・戦争手段の増加が兵器の役割を縮小すると同時に、現代戦争の概念を拡大した。
・古い秩序がまさに消えていこうとする時代に、先にチャンスを手に入れる人は、往々にして、真っ先にルールを打ち破るか、あるいはこうした趨勢に最も早く適応する人たちだ。
・複数の作戦様式と組み合わせて、全く新しい戦法を作ることができる。意識的にせよ、無意識的にせよ、領域や類型を越えて、異なる作戦様式を集めて組み合わせる戦法は多くの国によって戦争の実戦の中で運用されている。
・勝利の法則を知ったからとて、必ずしも勝利を手中に収めるとは限らない。
・われわれが言う、現代的軍人と伝統的軍人との間に、すでに溝がある。溝を埋めるためには、徹底的な軍事思想の飛躍が必要である。それは、徹底的に軍事上のマキャベリになることだ。目的のために手段を選ばない。これはイタリアの政治思想家が残した最も重要な思想的遺産である。
・万物が相互依存している世界では限界は相対的な意味しか持たない。いわゆる超限とはすべての限界と称される
・360度の観察、設計とあらゆる関連要素の組み合わせを、「全方位度」という。「全方向度」は、超限戦思想の出発点である。
■結論
軍人と非軍人の境界がすでに破られ、戦争と非戦争の間の溝がほとんど埋められ、あらゆる難題がグローバル化の趨勢によって環節が互いにリンクし、かみ合うようになった以上、解決のカギを探すことが必要になる。
このカギは戦策、戦略、戦芸から戦術のすべてのレベルに至る規模に適応し、また政治家、将軍から兵士までの一人ひとりの手に合うものでなければならない。
「超限戦」のほかに、どんな適当なカギがあるのか、われわれには思いつかないのだ。
目次
序文
第Ⅰ部 新戦争論
第1章 いつも先行するのは兵器革命
第2章 戦争の顔がぼやけてしまった
第3章 教典に背く教典
第4章 アメリカ人は象のどこを触ったのか
第Ⅱ部 新戦法論
第5章 戦争ギャンブルの新たな見方
第6章 勝利の法則を見出す
第7章 すべてはただ1つに帰する
第8章 必要な原則
結び
ISBN:9784040822402
出版社:KADOKAWA
判型:新書
ページ数:328ページ
定価:1200円(本体)
発行年月日:2022年06月10日11版詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
この「ハイブリッド戦」の最たるものと言えるコンセプトが、他でもない共産中国から生まれたことが、ある意味当然で、かつ各国軍事当局者にとっては畏怖すべきことで、非常にインパクトのある一冊である。
従来、中国の対外的な軍事行動には、非軍事的な要素も組み合わされてきたことは、日々の報道などでわかっていたが、それらが明確に定義付けされていることは、改めて認識すべきだろう。曰く、
<軍事>核戦争、通常戦、生物化学戦、生態戦、宇宙戦、電子戦、ゲリラ戦、テロ戦
<超軍事>外交戦、インターネット戦、情報戦、心理戦、技術戦、密輸戦、麻薬戦、模擬戦(威嚇戦)
<非軍事>金融戦、貿易戦、資源戦、経済援助戦、法規戦、制裁戦、メディア戦、イデオロギー戦
と、3つの作戦様式の複数を縦横に組み合わせて戦うのだ。例えば、アメリカがビン・ラディンに対して取った[テロ戦]+[情報戦]+[金融戦]+[インターネット戦]+[法規戦]のように・・・。
斯様のごとく、この3つの象限それぞれの戦いから、過去に起きた領土紛争や国際紛争の"仕掛け"が立体的に浮かび上がってくるわけだ。
これらは実際、新たな発明ではなく、既にある様式を分類整理したものであるが、これをドクトリンとしてまとめ上げて国軍の中に取り込んでいることが、やはり恐ろしい。
しかも、それが、シビリアン・コントロール下にある軍隊ではなく、一党独裁である中国共産党の持つ軍隊であるPLA(人民解放軍)が取り込んでいること、即ち、政治の掣肘を一切受けず、超軍事、非軍事の要素も軍事と一体運用(全次元戦役)出来る組織が取り込んでいることの意味を良く認識しておくべきなのだろう。
また、本書は、米軍(自衛隊も)最大の弱点である「死傷者ゼロの追求」について明確に指摘しており、「軍事革命」の名のもとに、とても高価な無人兵器や遠隔操作兵器を惜しげもなく投入する一方、ビン・ラディンが9.11を起こすのに投入した資源の差は一体どうなのか?そして、その効果に差はあったのか?という点を皮相的に喝破している。
そう、マスメディアで噂を流して、資源を浪費させたりするのも「超限戦」の一つになるのだ。
我々は、そんな時代に生きている。 -
第二次大戦の趨勢に関わる時期など細かい間違いは目につくものの、全体としての議論は幅広い教養と調査、そして深い思索に裏付けられている。
戦争が軍事領域に限定されなくなり、あらゆる手段と方法が用いられるようになり、戦争というものが軍人はもとより政治家にすら任せることのできない事象になった。
そのような状況の変化にどう対応すべきかを論じている。
兵器の新概念と新概念の兵器。新旧の戦争状態の分水嶺になる慈悲化兵器。物理空間と技術空間の概念、戦争参加者や戦争そのものの種類の変化。利益に基づいた現代の同盟とゴールドウォーター・ニコルス国防総省改組法。アメリカの軍事技術の発展と軍事思想の停滞。組み合わせ、偏と正、1:0.68の法則。軍事領域に限られない超限戦。全方向度、リアルタイム性、有限の目標、無限の手段、非均衡、最少の消耗、多次元の協力、全過程のコントロールの8つの原則。 -
これからの戦争の本質を説いた本と言えるかもしれない.
戦争とは「武力的手段で意思を強制する」から「あらゆる手段で自己の利益を受け入れさせる」になった.
「国が,兵隊と武器を揃え,作戦を立案し,部隊を編成し,境界を跨いでくる敵やイデオロギーが異なる敵を武力で追い詰める」という戦争のイメージはその1パターンでしかない.
本の構成としては20世紀末の湾岸戦争を軸とした軍事評論というイメージ.
細々とした話が多く,この手の話題に疎い自分には読みづらいところもあるが主張は軍事オタクではなくても知っておいて良さそうだ.
正直難しくて相当読み飛ばしてしまった.またリベンジしたい ということにしておく
具体例として上がっているのはハッカーのネットテロ,大資本の金融テロ,新興宗教の地下鉄テロ.
2021年現在も貿易戦争と経済制裁,サイバー攻撃リスクの増大など見ているとまさにここで予言されていたことが起きている.
一人の人間と一台のコンピュータがあれば大企業の生活インフラを止めらられる時代,戦争はすぐそこで日常的に起きていると言える.
“故に兵に常勢無く、水に常形無し。よく敵によりて変化し、しかして価値を取る者、之を神という”
→変化できるものが勝てる(生き残る)という孫氏の言葉.
これができるようになるにはどうしたらいいか:
・ゼロベース(空っぽの籠)
・臨機応変の籠の中身を調整できる手数の多さ,スピード
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1998年には執筆されていたの
戦術レベルの行動で相手の戦略を揺るがす
超限戦:非戦闘員・非通常兵器で罪のない市民を巻き込んで軍事定期教会や領域を関係なく戦争をする=非軍事の戦争行動
ネットテロ,金融テロ,地下鉄テロ
軍事的暴力の減少,経済的,政治的,技術的暴力の増大
武力的手段で意思を強制する→あらゆる手段で自己の利益を受け入れさせる
これまでの兵器開発:殺傷力の向上ー>核兵器の登場で頭打ちー>配慮された殺傷と破壊=コントロール
意思を強制させるパワーとしての殺傷が,「殺傷しなくても良くね?」となった.それを可能にする技術,概念が生まれた
”戦場では死亡者より,負傷者の方がケアに手間がかかる”
”「誰が我々の敵なのか,誰が我々の友なのか」曖昧になってしまった”
メタルギアを思い出す
”領土資源,宗教信仰,部族の恨み,イデオロギーから市場シェア,権力の分配,貿易制裁,金融不安に至るまで,何もかも戦争を起こす理由になる”
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競争と超限戦の違いはなんなんだろう.後者が「軍事的/非軍事的手段で相手に自己の利益を強いる」とすると目的は競争と同じになる -
戦争は軍事によって遂行されるという単純なものではなく、情報化とグローバル化が加速化した現在は「非軍事」による戦争が気付かないところで進んでいるのだと、この本を読み気づかされました。
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超限戦
湾岸戦争で戦争の概念が大きく変わった。兵器人員兵站の物量勝負だったものが、自国兵士の生命優先で「死なせない戦争」へ移り変わった。火力による侵攻圧倒制圧が主戦場だったこれまでの戦争の常識が大きく様変わりする。
ドローンを使ったミサイルでの遠距離からの空爆攻撃が主流となり、兵器の高精度高価格化が進み、持てる者が圧倒的な優位となった。しかしそれさえも過去の戦争で、これからの戦争とは、情報戦、法律戦、世論戦の三戦以外にも政治経済文化思想技術などの分野、そしてインターネットや金融、物流など国家の枠を超えたサービスなどを利用した新たなイノベーションの場が主流になり、さらにそれら一つずつを個別に戦うのではなく、掛け合わせ混ぜ合わせて侵略を進めて行く戦争へなって行く…既にそうなっている。そう言うあらゆる限りの無い分野、場面を超えた戦争が既に始まっているといった内容の一冊でした。面白いんですけれど、全編ずっと熱のこもった主張が続く感じの文章で読んでいて些か疲れたし、頭に入り難かった…だから同じとこ難解も読み直しながら読んで時間かかりました。出版されて結構時間経ってますし、今ではもう目新しさを感じない部分も有りますが、20年以上前にこう言うことを予見していたのはスゴイです。一読の価値はあると思います。 -
この本は1992年2月に中国で出版され、多くの
話題を呼んで台湾、香港などでもベストセラー
になったそうです。
池上彰氏が推薦していたので読んでみました。
特に2001年9月11日の米国同時多発テロを事前
に言い当てている、ということで英訳版まで出
るほどの注目の書となりました。
「超限戦」とは、全ての境界と限度を超えた戦
争のことです。
「もし全てのテロリストが自分の行動を爆破、
誘拐、暗殺、ハイジャックといった伝統的な
やり方に限定しているならば、まだまだ恐ろし
い事態にはならない。本当に人々を恐怖に陥れ
るのは、テロリストとスーパー兵器になりうる
各種のハイテクとの出会いだ」
この言葉に現代の危機は集約されます。「テロ
の時代」を予言した一冊です。 -
ハイブリッド戦とかマルチドメイン、クロスドメイン的な発想の中国文明バージョンみたいな印象。
あらゆる境界を超越した新しい戦争を考察したもの。
訳者あとがきにもあるが、これが公式見解というよりは、思考の柔軟性とか、中国流の戦争の考え方の一面が表れてるものとして読むのがいいのかな、と。
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非軍事の戦争という概念を提示しただけでも価値のある一冊
軍事部門による殺傷力を競う従来の戦争から、多様なアクターを利用した、殺傷に限らない手段を限りない領域で展開し、目標を達成する。
前半はこれまで縁のなかった軍事の歴史にも触れることができ、ワクワクしたが、後半は著者の雑感を含む軍事哲学の様相を帯びており、蛇足であったようにも思える。
中国の著者ということだが、米国を中心に、欧日など、幅広い国の軍事に関する参考文献を縦横無尽に駆け巡っていて、特にバイアスも感じさせない優れた記述に、米中を軸とした新たな時代の到来を今更ながらに感じることができた。 -
借りたもの。
現代戦争が「ハイブリッド戦」――多次元作戦――となることを的確に指摘した良著。
国家の総力戦を体現したWWⅠ,Ⅱ、ハイテク戦を駆使した湾岸戦争を経て、現代の戦争がどの様に行われるかを的確に分析した一冊。
この本が20年以上前に中国で出版されていたこと。アメリカではすぐさま英語翻訳版が軍上層部に配られたこと……この事実を重く受け止める。
(他の方のレビューによると、多少の齟齬があるとの事だが)丁寧に各国の特筆すべき戦争史をも分析し、時代ごとに兵器や戦略の革新があったことをふまえ、現代戦に話を持って行く。素人の私には流れを知るには良かった。
兵器の「慈悲化」傾向――戦争の目的は兵士を殺すことではなく、敵の中枢にいかに早く打撃を与えるかという気づき――が高まり、兵士損耗を避けるため、ハイテク戦の有用性を見せた湾岸戦争。
兵器のハイテク化だけの話ではない。
兵器革命はアメリカが提唱した、統合戦役の軍事、軍需に留まらなくなる変化を促す。戦争に合わせた兵器開発ではなく。
戦争は外交手段の一環だが、より明確な区別は無くなる。外交のための戦争は、戦争のための外交にもなることを。
「誰が」「どこで」「何のために」「どうやって」戦うのかが変化することを指摘。
それを経て、「武力と非武力、軍事と非軍事、殺傷と非殺傷の手段を含むすべての手段によって、敵を強制して自分の利益を満たす(p.84)」 ことが現代戦争では求められることを指摘。
【非軍事の戦争行動】
金融戦、貿易戦、、生態戦(天災、環境破壊などを利用したもの)
【軍事】
核戦争、通常戦、生物化学戦、生態戦、宇宙戦、電子戦、ゲリラ戦、テロ戦
【超軍事】
外交戦、インターネット戦、情報戦、心理戦、技術戦、密輸戦、麻薬戦、模擬戦(威嚇戦)
【非軍事】
金融戦、貿易戦、資源戦、経済援助戦、法規戦、制裁戦、メディア戦、イデオロギー戦
新テロ戦(最新技術を使った、伝統的手法とは異なるものを用いたもの / p.80)
これらを組み合わせ(超領域的組み合わせ、戦場の組み合わせ)、´どの領域を主戦場として選べば、戦争目標の実現のために有利になるかを考える(p.266)’。
前世紀までの正面対決、武「力」による現状変更だけではない。
2014年、ロシアがクリミア半島を“合法的に”併合したは、この超限戦の有用性を証明した。
ウクライナの該当地域にロシア人が多くいた事、ウクライナの国防にも関わるネットワークインフラをロシアに握られていた事……それらが布石となり、要衝の港を抑えられた上に住民投票の結果、ロシアに併合された。