白昼夢の森の少女

著者 :
  • KADOKAWA
3.56
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本棚登録 : 521
感想 : 77
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041060582

感想・レビュー・書評

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  • 表題作をはじめ、アンソロジーや文芸誌などに発表された10編を収めている。「古入道は灯りをつけとったら見えません」昔語りのテイストでどこか土臭い『古入道来りて』が好み。日本人の記憶に深く刻まれている人間の力を超えたものに対する畏怖の念を起こさせる。

  • 軽めのホラー&不思議な話の短編集。
    世にも気妙な物語の大人向け版、という印象をもった。エログロではないのだが、子どもの頃に読んでいたら、ちょっと暫く引きずりそう(褒め言葉)。奇妙さが一段のフェーズでは完結せずに、もう数段下まで進んでいくというか。。
    空飛ぶ船上の町が出てくる「銀の船」、人の行動を操る“ドールジェンヌ”が出てくる「傀儡(くぐつ)の路地」が好き。

  • 人間の身体を侵食していく植物。それが町を覆い尽くしたその先とは…。美しくも残酷、自由にして哀しい白昼夢。彩りに満ちた10の短編を収録する。作品解説として作者のコメントも掲載。

    さすがに10篇もあると玉石混交感は否めなかった。ただ巻末の各作品に関する作者のコメントの中で「ホラー作家という立ち位置でいつもの雰囲気、展開をくり返していると割に早い段階で袋小路にはまることが予測できる」と記しているのが興味深かった。確かに最近はあの作風の作品が鳴りを潜めている。わたしはあの雰囲気が好きだったのだけれど。
    (Ⅽ)


    2019年の読書はこれで終了。120冊読んでA評価は8冊(前年比+1)、B評価で☆5つが9冊(前年比-14)でした。

  • 単行本未収録をまとめたそうなのでいろいろなテイストがごっちゃになっていますが、それでもすべてが恒川さんらしい短編集でした。「古入道きたりて」「夕闇地蔵」が心をぎゅっと掴まれ泣きそうになるほど特別好き。短編なのに読み終わりたくなかった。表題作や「銀の船」「傀儡の路地」のようなSFもらしくてとてもよかったけれど、印象深かったのは「布団窟」のそこにありそうな怖さと「平成最後のおとしもの」の落としどころ。これは人によって好きな作品が違うだろうから、いろいろ話すのが楽しそうです。何度も読み返したい一冊です。

  • 2019/6/11(火曜日)

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著者プロフィール

1973年東京都生まれ。2005年、「夜市」で日本ホラー小説大賞を受賞してデビュー。直木賞候補となる。さらに『雷の季節の終わりに』『草祭』『金色の獣、彼方に向かう』(後に『異神千夜』に改題)は山本周五郎賞候補、『秋の牢獄』『金色機械』は吉川英治文学新人賞候補、『滅びの園』は山田風太郎賞候補となる。14年『金色機械』で日本推理作家協会賞を受賞。その他の作品に、『南の子供が夜いくところ』『月夜の島渡り』『スタープレイヤー』『ヘブンメイカー』『無貌の神』『白昼夢の森の少女』『真夜中のたずねびと』『化物園』など。

「2022年 『箱庭の巡礼者たち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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