USJのジェットコースターはなぜ後ろ向きに走ったのか?
- KADOKAWA/角川書店 (2014年2月26日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041106976
感想・レビュー・書評
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マーケティングを勉強している人には読んでもらいたい本。
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来客数過去最低の状況からマーケティングを一手に担う役割で入社した著者森岡氏が、どのようにV字回復をしたか…時系列で当時の状況(使えるリソース、社会環境)と、森岡氏の心情、そしてどう行動したか、何を考えていたか、がよく分かる内容でした。
アイディアを思いつく具体的な方法についても書かれていました。やり方はシンプルで、明日から使える方法です。読んでみる価値ありです。
日本最強のマーケターと言われる森岡さんの頭の中を覗ける一冊です! -
開業以降、業績が下降線を辿り、窮地に立たされていたUSJ。業績回復プロジェクトのリーダーとしてヘッドハンティングされたのが、マーケティングのプロ森岡さんだった。「9回裏二死」の状態からヒットを打ち続けるしかなかった森岡さんは、次々とヒットアイデアを飛ばしつづけ、ついにUSJを奇跡的なV字回復に導いた。本書は森岡さんが経験したその3年間の苦労と努力の日々が綴られている。
本書のタイトルであるUSJのジェットコースターはなぜ後ろ向きに走ったのか?
その答えは、僅かな資金しかなくとことんまで追い詰められたUSJと森岡さんに、アイデアの神様がもたらした起死回生のヒットアイデアだった。
森岡さんがヒットアイデアを出し続けることができたのはなぜか。彼自身は元来クリエイティブな人間ではなく、理論と数字を積み上げて考える左脳人間であるという。その成功法則とは、ヒットするアイデアを思いつく確率を高める方法であり、彼自身のイノベーション・フレームワークというメソッドであった。
簡単にいうと、より宝(いいアイデア)のある確率が高いポイントを絞り(ポイントの絞り方は戦略的フレームワーク,数学的フレームワーク,マーケティングフレームワークを使う)、そこに時間や努力を全力投入する。また、アイデア自体はなるべく既存のものを利用し(リアプライ)、アイデアに結びつくストックを多く持ち、見つけるまでは必死に考え続ける(コミットメント)ことで宝(いいアイデア)に行き着く可能性が高まるというものだ。
本書を通して、森岡さんのエンターテイメント業にかける熱い情熱をたいへん強く感じた。好きなことだからこれだけの情熱を傾けられる、天職に就いて、そこに全力を発揮している人という感じがした。常に新しいことへの挑戦を恐れず、成功にも満足せず、上を目指す姿が素晴らしいと思った。私とは業種は全く違うが、設定した目的に対して戦略・戦術を練り、一つの課題に対して諦めず必死に考え続ける姿勢は、共通のものであり見習いたいと思った。
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USJの人気の理由には様々なアイデアにありました。
待ち時間7時間越えの後ろ向きジェットコースター
ゾンビ大量放出のハロウィーン・ホラー・ナイト
一生に一度は見たいクリスマスツリーなどなど
USJが好きな人、経営学に興味がある人にオススメです!!
請求記号:689.3/Mo62 -
生粋のマーケターである森岡毅さんのアイデアを呼び起こす方法が、著者自身の経験をもとにして包み隠さず書かれている本書。
間違ったこだわりを捨て、徹底した消費者目線で世界最高の感動を生み出し続ける戦略と圧倒的な熱意に心が震えた。 -
森岡氏は外資系企業でブランドマネージャーを歴任、そのマーケティングの実績を高く評価されて、2010年にヘッドハンティングによってユニバーサル・スタジオ・ジャパンに入社します。
来場者数が落ち込んでいたUSJの再建を託され、数々のピンチを乗り越えて驚異のV字回復を成し遂げます。
本書では、森岡氏がどのようなマーケティング手法を用いて、またどのような信念を持って困難に立ち向かったのか、USJブランドが大きく変化する様子とともに当時の状況がリアルに語られています。
2014年にオープンし、過去最高の集客記録を更新する原動力となった「ウィザーディング・ワールド・オブ・ハリーポッター」には、実に450億円もの設備投資が必要だったそうです。
この構想を森岡氏が決意した2010年の時点では、資金も人材も限られていたといいます。
来場者数を増やして資金をつくるための施策を、2011年~2013年まで段階的に実施しなければならない。
しかしこれらのイベントにお金をかけることはできず、ひとつでも結果が伴わなかった時点で破産。
森岡氏は「9回裏ツーアウト」という気持ちで、寝ても覚めてもアイデアを考え続けたそうです。
はじめに大人気マンガ「ワンピース」のショーを大きく打ち出して集客の回復を図るも、直後の東日本大震災で来場者数が激減してしまいます。
絶体絶命の状況の中、キッズフリーパス、ハロウィーン・ホラー・ナイト、モンスターハンターとのコラボなど斬新な企画を次々に打ち立てます。
それまでのUSJの弱点であったファミリー層の取り込みに成功し、集客を伸ばします。
2013年にはそれまでの常識を覆す、後ろ向きに走るジェットコースターを考案します。
のちに日本のテーマパーク史上最長の待ち時間(9時間40分)を記録するこの大人気アトラクションも、構想段階では技術者たちの猛烈な反対があったといいます。
そんな時、森岡氏はこう言い放ったそうです。
『やらない理由、やれない理由ばかりを挙げてその意識に囚われるのではなく、どうしたらやれるようになるかを一緒に考えてくれ!』
目的が正しければ、追い詰められて駄目だと思っても、絶対に諦めずに執着し続けることで、苦境を打開するアイデアは必ず見つかると森岡氏は信じているといいます。
本書から私が学んだことが大きくふたつあります。
ひとつは「結果には必ず原因がある」ということです。
森岡氏はなぜUSJの来場者数が減ったのか、増やすためにはどうアプローチしたらよいか、常に原因を緻密に分析して必要な条件を割り出しています。
培ってきたマーケティングの技術のみならず、たびたび現場に足を運んでヒントを探したり、イベント誘致のためにモンスターハンターを600時間やり込んだりしています。
実績を上げるための "結果の原因" づくりに情熱を注ぎ続けていたからこそ、成功は必然と言えたのかもしれません。
もうひとつは、自分が正しいと信じたことに従い、周囲の反対を押し切る力です。
森岡氏の施策は、「ハリウッド映画のテーマパーク」というそれまでのUSJのイメージから大きく変わるもので、当時の経営陣やコアなファンからは大反対をたびたび受けたそうです。
それでも、マーケティングに基づいた正確な分析と強烈な信念をもって、映画だけにこだわるという間違ったこだわりから脱却することが、集客の回復という最大の目的のために不可欠だ、と言い切ります。
森岡氏の姿勢からは、並々ならぬ覚悟を感じました。
私はマーケティングの専門知識はないのですが、「結果の原因を正しく把握すること」は大切だと、メンターからずっと教わってきました。
また、大きな結果をつくるためには、批判をはねのける力が必要なことも体感してきました。
それらがどれだけ大切であるか、本書からその価値を再認識できました。
どんな状況でも右肩上がりで成長を続けるために、日々努力して結果の原因をつくり続けていこうと思います。 -
アイデアの出し方が参考になりました。
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USJのV字回復の奇跡を綴る本。その裏には天才マーケッターが居た。本人はそんなことはないと言うかもしれないが、天才と言っておかねば、自分がなさけなくなる。それほと、すさまじいまでのアイデアの追求によりもたらされた、V字回復だ。アイデア出しの研修を思い出すような、ものすごい量のアイデアの中から成功につながるたったひとつのアイデア(実際は年に4つも!)を選び出し、実行に移す。ほとんど、ありえない状況からのアイデア出しがすごい。そりゃ、USJは回復するわけだと納得するとともに、こんな人たちに開発されているUSJはなんとしてもいく価値があると思った。
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アイデアの神様を呼ぶ方法はこれしかないってことか?
それに確率。
足して100になる考え方
抜け漏れダブりがなく、限られた時間内で効率的に宝を見つける方法