七つのカップ 現代ホラー小説傑作集 (角川ホラー文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041142042

作品紹介・あらすじ

収録作小野不由美「芙蓉忌」(『営繕かるかや怪異譚 その弐』角川文庫山白朝子「子どもを沈める」(『私の頭が正常であったなら』角川文庫恒川光太郎「死神と旅する女」(『無貌の神』角川文庫小林泰三「お祖父ちゃんの絵(『家に棲むもの』)角川ホラー文庫澤村伊智「シュマシラ」(『ひとんち』光文社文庫岩井志麻子「あまぞわい」(『ぼっけえ、きょうてえ』角川ホラー文庫辻村深月「七つのカップ」(『きのうの影踏み』角川文庫朝宮運河●解説

感想・レビュー・書評

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  • 小林泰三さんと宮部みゆきさんは、このアンソロジーでなく読んでいたのですが、改めて、う! (ーー;)

    岩井志麻子さんは日本らしい、湿気たっぷりのホラーで、やはりうまいですよね。

    去年から読みはじめて、ようやく完読。
    ことしは去年よりも読みたい本がたくさんあるので、出だしは順調でうれしいかも。

  • 幽vol.22(2015年1月)小野不由美芙蓉忌、vol.27(2017年6月)山白朝子子供を沈める、vol.25(2016年6月)恒川光太郎死神と旅する女、2003年3月刊角川ホラー文庫家に棲むもの小林泰三お祖父ちゃんの絵、ジャーロ64号(2018年6月)澤村伊智シュマシラ、1999年10月角川書店刊ぼっけえ,きょうてえ岩井志麻子あまぞわい、2013年11月MF文庫ダ・ヴィンチ刊階段実話系/愛辻村深月七つのカップ、の2010年代の7編のホラーアンソロジー。恒川さんの時間ファンタジーの世界観が興味深く楽しい。アンソロジーの1編として読むとよりはっきりする小野さんの芙蓉忌の余韻が良い。

  • 2010年代の発表作を中心に選ばれた現代ホラー短編7選
    小野不由美、山白朝子、恒川光太郎、小林泰三、澤村伊智、岩井志麻子、辻村深月のラインナップに期待して読み進めましたが・・・
    ホラーよりファンタジーな感覚の作品が多かったです。
    ちょっと怖かったのは小野不由美と澤村伊智(さすが!)かな??
    辻村深月は完全に「ツナグ」の世界観でした。悪くはなかったけど・・(^_^;)

  • 現代ホラーの傑作が揃った短編集。全編おすすめといえる高い完成度の1冊です。「芙蓉忌」は古い家屋の隙間から見える女に魅入られた話。女が誰か探る途中、警告を受けるも男はもはや止まる事が出来なくなり…
    謎の猿を追う「シュマシラ」も良い。

  • 「子供を沈める」
    いじめを苦にして自殺した被害者が、4人の加害者の子どもに生まれ変わってくるというお話。

    被害者は、加害者の子どもに生まれ変わって何がしたかったのだろうか。初めは復讐なのかと思っていたが、最後の加害者が、他の3人の(加害者の子達)分まであなたを愛すると伝えると、微笑みを返したという形で終わっている。

    被害者には、前世でいじめられた(というより、怖い事をされたという曖昧な)記憶は残っていても、母親となっている相手が、そのいじめをしていた当人だと分かっている様子はなく、反省を求めるような素振りもない。

    もしかすると、加害者自身が具現化した過去の罪と自ら向き合い、それを乗り越える事が、これ以上ない被害者に対する真摯な反省と償いになるということなのだろうか?

    加害者4人が全員、追い詰められて自殺をしてしまっていたら、よくある怖い話。
    もちろん、いじめは絶対に問答無用でしてはいけないことだが、加害者が現実を受け止め、これからも向き合おうとする覚悟を被害者も受け入れる展開になっている事で、何か救いのある贖罪の物語に昇華しているような印象を受けた。

  • あんまり面白くなかったな…
    澤村伊智『シュマシラ』は既読だったけれど、一番よかった。武蔵国の「ししりは」は、あの「ししりば」なんだろうかと、読む度に思う。
    小林泰三の話はキチ度が高い。

  • 小野不由美と山白朝子は既読でした。
    私は影牢よりこっちが好きでした(向こうも面白かったけど)。好きな作家さんばかりだし、作品によってガラッと雰囲気が変わり面白いです。
    特に辻村深月「七つのカップ」は短いながら印象に残るお話でした。

  • 現代ホラー小説傑作集。これまた全部再読なのだけれど、傑作揃いというほかのないセレクションです。
    かるかやシリーズの「芙蓉忌」、実はシリーズ他の作品に較べると印象が薄かったのですが。再読してみると、なかなかに怖いしひっそりとした切なさも感じる名作でした。なによりこのアンソロジーがこの一編で幕を開け、そしてラストが「七つのカップ」で優しく終わるという構成も素敵なのですよね(ラスト一歩手前が「あまぞわい」でとことんどんよりしたあとだというのもまた)。
    小林泰三さんの「お祖父ちゃんの絵」をセレクトするというのもまたなんとも。これ、最初に読んでいるうちは「お祖母ちゃんの絵」の間違いじゃないの? って思うんですよね。それがタイトルの意味を知った時、なんという酷い意味なんだ、と。小林泰三作品にしてはまだましだと思ったのが、良い意味で裏切られた作品でした。

  • シュマシラやばば

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著者プロフィール

岩井志麻子 (いわい・しまこ)

岡山県生まれ。1999年、短編「ぼっけえ、きょうてえ」で第6回日本ホラー小説大賞を受賞。同作を収録した短篇集『ぼっけえ、きょうてえ』で第13回山本周五郎賞を受賞。怪談実話集としての著書に「現代百物語」シリーズ、『忌まわ昔』など。共著に『凶鳴怪談』『凶鳴怪談 呪憶』『女之怪談 実話系ホラーアンソロジー』『怪談五色 死相』など。

「2023年 『実話怪談 恐の家族』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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