かなわぬ想い: 惨劇で祝う五つの記念日 (角川ホラー文庫 21-2)
- KADOKAWA (1994年10月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (292ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041494134
感想・レビュー・書評
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小池真理子目当て。
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かなわぬ想い~惨劇で祝う五つの記念日~
・・・もう、タイトルからして怖いよね。。。
更に、女性作家によるアンソロジー。
今邑彩、小池真理子、篠田節子、服部まゆみ、坂東真理子という女性作家の視点から、女の執念、怨念がこれでもかっというほどに描かれている。
しかも記念日をテーマに。
私は服部まゆみさんのファンで、1冊読むごとにその魅力に引き込まれ、もっともっと読みたいという思いに駆られる。しかし既にお亡くなりになっていて新作は望めず、更に残された作品も、古い作品などは入手が難しいものも多い。そこで時々ブックオフや古本屋さんで探しているのだが、この際短編でも!と思い購入した3冊のなかの1冊。
そういう理由がなければ手に取ることはないタイプの本です。なぜなら女性特有のドロドロ系が苦手だから(^_^;
というわけで、そりゃもう1話読み終わる度に、どーんと重くてしんどかったぁ。
なかでもやはり服部先生の「雛」は秀逸でした。
自分だけのひな人形なんて女の子の憧れだけど、それってやっぱり怖いよね。。。
ルームメイトを読んで衝撃を受けた今邑先生の「鳥の巣」は、まさに女の執念。最後のオチも好きです。
普段あまり女性作家さんの作品を読まないので、他の作家さんは初読みでしたが、どの作家さんの作品もそれぞれ怖かったです。
怖かったの連発ですが。タイトルとその目的を考えると、それって面白かったってことです。 -
今邑彩、服部まゆみ、坂東真理子、小池真理子、篠田節子という豪華女性作家メンバーによるアンソロジー。
どの作家さんも大好きな方ばかりなのでこれは読まねば!と思い手に取りました。
どの作品も、「ホラー」という感じではなくて、すごく後味の悪い、背筋が気持ち悪くなる、そんな作品ばかりでした。
女性作家さんばかりというのもあってか、女性のドロドロとした怖さとか、女性特有の恐怖がすごく気持ち悪かった。
流石です。 -
「惨劇で祝う五つの記念日」というサブタイトルがすごい。そして、集結した5人の書き手がまたすごい。今邑彩さんと服部まゆみさんは大好きな作家だし、篠田節子さんの筆致も好きだ。5人とも、それぞれに独特の怖さを持つ方々ばかり。それが、女の怨念とも言えるようなテーマを描いている。中でも特に篠田節子さんの『誕生』が怖かった。
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◆「鳥の巣」今邑彩(いまむらあや)
◆「命日」小池真理子
◆「誕生」篠田節子・・・子宮内膜症を患っている直子は、今日も下腹部の痛みに耐えていた。ここで倒れては仕事全てがパーになる。しかしながら、仕事先近くのホテルでついに痛みはピークに。そして直子は確かに見た。大量の血と共に、自分から出てくる白っぽい皮膚の塊・・・赤ん坊だ。ありえない。夫はもう長期間海外の地にいる。妊娠しているわけがないのに・・・!
◆「雛」服部まゆみ
◆「正月女」坂東眞砂子
以上5編、全て本作書き下ろし。
服部まゆみが初読み。もう亡くなってしまっているようだが・・・。【鳥の巣】は単純な話で言ってみればベタな話だけれど、あれもこれもみんな鳥のせいだと狂っていく妻の姿に背筋が凍る感覚。
◆誕生・・・ 結婚もしていた。夫との子供を妊娠した時、普通なら喜びいっぱいのはずだった。が、ちょうど仕事で上昇気流に乗り始めていた時だったため、妊娠したことを疎ましく思ってしまい、わざと寒いところで過酷な労働を自分にしいり、流産。その時の罪悪感が見せる幻覚なのか、はたまた水子の霊が呪っているのか。直子の痛みや、子が産まれてくる時の描写はかなり生々しく気持ち悪いが、それ以上に精神的にやられる感じ。やっぱり女性にとって婦人科系って、特殊な恐怖心がある。女性としてこんな体験はしたくないと思いつつ、やはり一番印象に残った作品であった。 -
それぞれの作家さんが書く怖い話の短編集です。
浮気や不倫が多々出てくる女の執念が主なドロドロした内容です。
怖さレベルでいったら2/5とかでそんなでもないですがとにかく感情移入してしまってこっちまでキィーと悔しくなりました。
全体的に大袈裟な言動をする人物が多くて昭和感がありますが、その時代ならではの表現が綺麗です。
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「かなわぬ想い 惨劇で祝う五つの記念日」今邑彩 他◆記念日をテーマに女性作家5人が書き下ろしたアンソロジー。ホラーですがタイトルほど悲惨ではない。先読みできてしまうものもありますが、純粋なホラーは普段読まないので新鮮でした。じわじわと迫り来る小池真理子の「命日」が一番怖かった。
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何気ない行動や過去の出来事なんかで、こういうことに引きずり込まれていくと思うと怖いですね。